新生銀行は10月21日にSBIホールディングスによるTOB、株式公開買い付けへの反対を発表しました。
これにより銀行で初めての敵対的買収に発展します。
新生銀行の工藤英之会長はテレビ東京の単独インタビューに応じてSBIとの関係がこじれた原因などについて本音を明かしました。
株式会社新生銀行
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新生銀行の工藤英之社長。
SBI側にボールはきょう渡したので返していただけるか分かりませんが期待している。
10月21日にテレビ東京の単独インタビューに応じた新生銀行の工藤社長。
その数時間前の会見では…
当行取締役会はTOについて現在の条件では株主の皆さまの共同利益に資さないと判断し反対する。
SBIは新生銀行の株式のおよそ20%を持つ筆頭株主。今回のTOBにより最大48%まで株式を買い増し、連結小会社化を目指しています。
銀行への初の敵対的TOB、始まりは2年前。
業態の拡大を目指すSBIは消費者金融業などを抱える新生銀行に魅力を感じて資本業務提携を提案。
しかし、賛同は得られず、逆に新生銀行は今年1月にSBIとライバル関係にあるマネックス証券と業務提携を発表。
これを面白く思わなかったとされるSBIの北尾吉孝社長は新生銀行株の買い増しを進め、先月突如TOBを表明したのです。
会見後、本音を直撃しました。
「なんでこじれた?」
われわれにもよく分からない。
結果として競合社(マネックス)に案件を取られたので、上司(SBI)がご立腹になることは人間として理解できる。
一方、新生銀行は今回のTOに対し、賛同するための2つの条件を付けました。
1つ目は2,000円の買い付け価格を引き上げることです。
その理由は…
2,000円という数字は安い。
われわれが考える数字はある程度実現可能なものと思っているので、2,000円と途方もなく違う違うことはないのではないか。
TOBに賛同する2つ目の条件はSBIが最大48%とした買い付け上限を撤廃すること。
実はこの48%という数字に大きな意味が…
銀行法では一定の規模を持つ銀行の50%を超える株式を取得して親会社となる場合、原則銀行持ち株認可を取得するよう定めています。
この銀行持株会社は不動産やバイオなどSBIが手掛けている事業への参入を認めていないため、申請に当あってはこうした事業から撤退も迫られる可能性もあります。
このためSBIは事業を制限されることを嫌って48%にこだっていると見られます。
今回の場合は48%だが実質的に経営権を取りたいということが明らかな案件。
今回のTOBでSBIが48%を上限とした場合、残る個人株主にとって不利益が生じると主張。
この2つの条件に対しSBIは声明を発表。
上限の撤廃は受け入れられず、買い付け価格もを引き上げるつもりもない。
株主に必要のない混乱を招くものだとして新生銀行の条件提示を拒否しました。
新生銀行は11月25日に臨時株式総会を開き、SBIに対して発動する買収防衛策の是非を株主に諮る方針です。
「北尾さんににどんなことを言いたいか?」
面白い質問だ。私たちはSBIと常にコミュニケーションを取りたいと思ってきた。
大株主でもある。
ボールは渡した。賢い方だからきっと良いアイデアを思いつかれると期待している。