銀行初の敵対的買収を直前で回避したSBIホールディングスと新生銀行について、その内幕がわかってきました。
構図をおさらいしてみると、SBIが新生銀行に対してTOB(株式公開買い付け)を発表。新生銀行は買収防衛策で対抗することを決めました。
さらに新生銀行はTOBへの反対を表明し、臨時株主総会で買収防衛策の発動を諮るはずでしたが、11月24日に一転して買収防衛策を取り下げてTOBには中立の立場を表明しました。
土壇場の対決回避の裏には何があったのでしょうか。
新生銀行のトップがその真相を明かしました。
水面下の交渉…土壇場で"手打ち"!SBI vs 新生銀行 トップが激白
新生銀行の工藤英之社長。
ボールは渡した。
SBIホールディングスの北尾吉孝社長。
ポイズンピル(買収防衛策)がどうだと。やったらいい。
買い付け価格は一銭も、びた一文増やすつもりはない。
買収防衛策の発動をめぐり臨時株主総会で全面対決するはずだった両社。
土壇場で何が起きたのでしょうか?
SBIから「協調的にはやりたい」という考えを聞いた。
譲歩することについて、きのうの朝になって「できるかもしれない」と。
新生銀行の工藤社長によると先週から両社の間で水面下の協議が進行。
新生銀行側は自身の経営改善案をめぐりSBIが尊重すると言ってくれればTOB(株式公開買い付け)への反対を取り下げると持ちかけたといいます。
そして…
きのう、先方の本社に伺った。
経営方針等を尊重する。
TOB反対は取り下げて中立にします。
今後はSBIによるTOBが来月8日まで続き、SBIは新生銀行を実質的な傘下に収める狙いです。
私は引き継げる方がいればいつでも退任する。
一方、工藤社長から譲歩を受け入れたと言われたSBIの北尾社長。
自身のブロクでいつもの北尾節でこう述べています。
何が私を変えさせたかと言えば、それは「仁」であります。あの決戦場で新生銀が完膚なきまでに仮に負けたとしたら経営陣は兎も角どう従業員は思うか、といったことを相手の立場で今一度考え直してみたわけです。