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[WBS] コメ戦国時代に大型新人!「新之助」店頭デビュー!

2016年10月6日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

新潟米「新之助 しんのすけ」

[blogcard url="http://shinnosuke.niigata.jp/"]

日本橋三越本店。

ハッピを羽織り、デパ地下の売り場に立った男性。

新潟が送り出す自信のコメです。

新潟県のトップ、泉田裕彦知事が自らPRするのは新潟県が開発したコメの新品種「新之助」。

一般向けの先行販売が10月5日から始まりました。

「新之助]はコシヒカリより粒が大きく、コクと甘みがあるのが特徴といいます。

早速、大浜平太郎キャスターが試食をしてみます。

一粒一粒が大きいのが分かります。大きいから全体のモチモチ感が際立つ。

価格は日本橋三越本店で5kgで3,780円。

最高級米とされる魚沼産コシヒカリ並みの価格です。

都市部の有名百貨店から先行販売を行うことで高級感を打ち出す「新之助」。

水田オーナー制度

さらにブランドを高める戦略もあります。

首都圏に住む女性を対象に「新之助」の水田オーナー制度を設けました。

オーナーになると稲刈り体験や収穫した「新之助」を受け取ることができます。

これをSNSで投稿して拡散してもらうことで高級ブランド米としての地位の確立を狙います。

泉田裕彦知事

「新潟はコシヒカリという強い銘柄米があるが、それでも新品種を作るのは?」

新潟は「コメ王国の地位は絶対譲らないぞ」という意思表示の品種。トップブランドの魚沼産コシヒカリは新之助の協力なライバル。

新潟県農業総合研究所

新潟がコメ王国の威信を掛けて出した「新之助」。

2008年に開発はスタートしましたが、ある独自の方法で品種改良が行われました。

新潟県農業総合研究所の石崎和彦博士は

これはコメの美味しさを100点満点で示す機械。

実はこの機械、炊いたコメに様々な角度から光を当てることで輝きを測定することができます。

炊きあがりのごはんを見て「おいしそうに光る」と言いますけど、それを実際に確かめるとウソじゃない、よく光るごはんは美味しい。

新潟県はコメの美味しさを測定する独自の方法を開発。

味度という数値で厳密に評価し、20万株の中から基準をクリアしたものを選び抜きました。

さらに、その品種同士を年々も掛けて交配させることで「新之助」が誕生したのです。

「新之助」にはたくましい特徴があります。

開発途中の2010年、日本列島は猛暑に襲われました。

夏の平均気温は過去113年間で最も高く新潟でも猛暑が続きました。

新之助はその猛暑の中で生き残った材料。品種改良にとっては自然の条件の中で選抜できた。申し訳ないけど幸運だった。

暑さに強い特徴を持っているのです。

それだけではありません。

コメ農家の小野塚清一さんによると

コシヒカリに比べて稲の長さが10センチほど短い。短いということは倒れなくなる。

コシヒカリの田んぼでは丈が長いため、雨風の影響を受けて倒れやすい弱点があります。

「新之助」は短いため倒れにくく、コメが傷むリスクが低いのです。

実は新潟のコメの作付面積の7割はコシヒカリが占めています。

しかし猛暑や台風などの影響で一気にダメージを受ける可能性もあり、その対策が急務でした。

「新之助」はコシヒカリに比べて収穫時期が1周間程度遅い晩生の品種。

コメ農家は「新之助」を栽培することでリスクを減らすことができるのです。

「新之助」は地元経済のみならず、農家にとっても待望の品種なのです。

株式会社スズノブ

[blogcard url="http://www.suzunobu.com/"]

コメの新銘柄に期待を寄せているのは新潟県だけではありません。

都内にあるコメの専門店スズノブ。

米所、新潟のコシヒカリだけでなく、北海道から九州まで全国各地のコメを約60種類取り扱っています。

その中には今年誕生した銘柄もあります。

西島豊造社長によると

「あさゆき」という品種(銘柄)。粘りがあってあっさりしている。

全国デビューとなった青森県産の新銘柄です。

「新之助」以外にも今年は「あさゆき」や岩手県の「銀河のしずく」など全国で32銘柄もの新しいコメが誕生しました。

銘柄数は増え続け、その数はなんと700を超えて726にもなっています。

この店には少しでも販路を広げたい全国の産地から毎年、20種類ほどのサンプルが送られてくるといいます。

戦国時代に突入している。売れている銘柄と売れていない銘柄と差がすごい。生まれてすぐ消えた品種もある、去年デビューしたコメも今年は分からない。

競争が年々激しさを増す銘柄米。

しかし計画的なブランド戦略を立てている産地は少ないといいます。

リピーターになってもらい、来年はどうコメを作るか考えるのが計画。ほとんどの産地は売って宣伝したら終わりという発想。

デビューから3年で売れなければ消え去るという厳しい世界なのです。

果たして、米所新潟が産んだ「新之助」はブランド米として定着するのでしょうか?

泉田裕彦知事は

「このコメだ」と言ってもらえるようなファンの増加が重要。こだわりがある消費者から支持されるコメとしてブランドを確立していく。

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