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[WBS][震災10年に思う]被災地で問う「住まいの在り方」[株式会社坂茂建築設計]

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シリーズ「震災10年に思う」。

今回はさまざまなアイデアが詰まった住まい作りで被災地支援を続ける建築家の坂茂さんです。

株式会社坂茂建築設計

[blogcard url="http://www.shigerubanarchitects.com/"]

建築家の坂茂さん。

被災地支援に積極的で今まで15の国と地域で30を超える災害被災地の復興活動を行ってきました。

東日本大震災でもすぐに現地に入り、避難所や仮設住宅作りなどを建築家として支援してきました。

なぜそういう活動をしているかというと地震ではなく建築で人が亡くなる。

避難所や仮設住宅、生活を改善するのも建築家の役割と思い活動を続けている。

特に女性にとってプライバシーのない避難所では生活できない。

多くの人が車で車中泊をしてエコノミークラス症候群で亡くなっている。

彼が避難所に持ち込んだのは紙製の間仕切り。

紙でできた管を組み立て、上から布を垂らせば個室のような空間を作れます。

これなら避難所でもプライバシーが守れます。

紙製なのでコストも安く、誰でも簡単に組み立てられます。

しかし、受け入れてもらうまで苦労も多かったといいます。

行政は前例のないことは受け入れない。間仕切りを持って行っても防災協定がない、前例がないということで全く受け入れてくれなかった。

結局3ヵ月で80の避難所を回り、50くらいの避難所で受け入れてもらい間仕切りを2,000ユニットくらい造った。

やっと去年の国の第2次補正予算で避難所の改善のため、国の標準として間仕切りの備蓄が始まった。

さらに仮設住宅でも新たな提案をしました。海上輸送用のコンテナを積み上げて作る住居で、仮設でも住心地の良い空間を目指しました。

被災地での経験を経て、坂さんは家や建築のあるべき姿について思いを強くしたそうです。

仮設住宅を造るため1戸あたり500万から700万円かかり、それを4年で壊してごみにする。

世界中でビルが30年も持たず解体され、新しいデベロッパーが新しい高層ビルを建てる。

商業建築、金もうけのために造られた建築はコンクリートで造ってもほとんど"仮設"。

紙で造っても皆さんが愛してくれれば、それはパーマネント(永久)になりうる。

何が仮設で何がパーマネントかというのは材料が何でできているかではない。

市民が愛する建築になりうるかによって仮設で終わるか、パーマネントになるか決まる。

コロナもそうだが、これはグレートリセットのチャンス。

苦労して亡くなった人がたくさんいる。地震でもそうだが。

それをグレートリセットし、ポジティブに次につなげていかないと、大きな改革をしていかないといけない。

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