コロナ禍で定額給付金の申し込みやワクチン接種をめぐる混乱など自治体のデジタル化の遅れが浮き彫りとなりました。
手作業でワクチンの受付業務をしていた滋賀県の小さな町で最新の予約システムを使った実証実験が始まりました。
一体どんなものなのでしょうか。

日野町
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人口およそ2万人の町、滋賀県日野町。

これまで高齢者のワクチン接種の予約は電話で受け付けていました。

この用紙に1人ずつの情報を聞いて、記入し定員管理していく。

紙の予約表や手作りのカレンダーで予約状況を管理。そんなアナログな方法から一気に最新システムの導入に踏み切ったのです。

一体どんな方法なのでしょうか。
日野町の堀江和博町長。
例えばマイナンバーカードをシームレスに(継ぎ目なく)使えれば供給がうまくいったり、滞ったりを回避できるのではという仮説が出た。

それがマイナンバーカードを使った予約システムです。

ワクチン接種の予約にマイナンバーカードを使うのは日本で初めてということです。
専用のアプリでマイナンバーカードのQRコードを読み込んだ後、カードをスマホにかざして認証。

日野町の予約サイトでID・パスワードを入力すると予約可能な日時が表示され名前や電話番号を入力すると予約が完了です。

7月21日にワクチンを接種したこちらの男性、最新システムで予約をしました。
簡単に済んだ。

スマホかざすだけ、見せるだけで終わった。

役場側の作業量も大幅に減ったといいます。
実はこのシステムを開発したのはスカラとパブリックドッツ&カンパニーの2社のベンチャー企業です。役場側と一から話し合いながら開発を進めました。

今回は実証実験ということでシステム開発は無償。
パブリックドッツ&カンパニーの伊藤大貴CEO。
自治体からお金をもらわない形なので企業と自治体の強みを出し合ってアジャイル(素早く)で開発できた。

日野町の堀江町長は…
従来の方法だとこちらの思っていたものと違うものが納品されることがある。

今回はミスマッチがほぼない。

システムを導入して、スムーズに予約が進んでいるので大成功。

住民にとって便利なサービスを提供できればマイナンバーカードの普及を後押しできると期待しています。
スカラ アライアンス事業部の伊佐治幸康部長。
マイナンバーカードによって具体的な体験が変わることが重要。

今はそれがなかなかないので広めるにも課題がある。

今回の小さな一歩を大きな体験に変えていく。
