2日後に迫った東京オリンピックの開会式に先立って7月21日から一部の協議が先行して始まりました。
そうした中、7月21日に東京都ではおよそ半年ぶりの水準となる1,832人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。

東日本復興芝生生産事業
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全競技の先陣を切って行われたソフトボールの日本対オーストラリア。無観客のスタジアムには選手の掛け声や打球音だけが響きました。
試合は投打が噛み合った日本が8対1で5回コールド勝ち。
ソフトボール日本代表の上野由岐子選手。
たくさんみんなが打ってくれて、余裕で投げられた。これからがスタートでここからが勝負。
同じく無観客での開催となったのが北海道。
2大会ぶりのメダル獲得を目指すサッカー女子は初戦でカナダと対戦し、1対1で引き分けに終わりました。
一方、7月21日に唯一観客を入れての開催となったのが…

妹尾理沙記者。
こちらのスタジアムでは有観客で試合が行われるため入り口で検温や消毒など感染対策が行われています。

サッカー女子のブラジル対中国戦。上限を1万人の宮城スタジアムにおよそ3,000人が集まりました。

サッカーが好きで、男子と女子を申し込み、女子だけあたった。

すごく楽しみでワクワクしている。

みんなでサッカーを見るのが楽しみ。一人で見るよりみんなで見た方が楽しい。

当初、6,000人ほどがチケットを購入していたもののキャンセルが相次いだといいます。

観客を入れて開催することについて宮城県民は…
観客を入れた方が盛り上がり、選手はテンションが上がるがワクチンが広がるまでは無観客がいい。

緊急事態宣言エリアの人ではなく、地元の人が見られるようにするればよかった。

地元から不安の声も聞かれる中、有観客を当初から主張していた宮城県の村井知事は感染対策に自信を見せました。

これ以上はできないくらいの感染対策が取られていた。

おそらくこれでクラスターが発生することはないと思う。

賛否分かれる異例の開催となった宮城でのオリンピック。

特別な思いで見つめる人がいました。大坪征一さん、スタジアムに張られた芝を育てた会社「東日本復興芝生生産事業」の代表です。

これが「復興芝生」というもの。

強い。砂地で生育している。

大坪さんの故郷、宮城県山元町。海沿いの町で芝生は育てられています。

広大な芝生の生産地。
震災前はビニールハウス・畑・田んぼがほとんど。すっかり流されてしまった。

山元町は東日本大震災で津波による大きな被害を受け、農地の多くが浸水しました。

実家も津波にあって、基礎しか残っていなかった。

何もかもみんな持って行かれた。

この町を俺の手でなんとかしてやろうと。そこからの始まり。

もともと野球場などの補修工事を行う会社を経営していた大坪さん、故郷を復興させたい思いから目をつけたのは芝生の栽培でした。

震災から10年、7月21日に育てた芝の上で夢の舞台が繰り広げられました。
アスリートの皆さんが血のにじむような練習をしてきて、そこで観客がいないのは寂しいのではないか。

観客の人数は1万人だが、私たちは安心した。

大坪さんは頑張る選手たちの姿を自分たちと重ねていました。
私たちの復興はまだ途中。

芝生のように踏まれても踏まれても頑張る。

ぜひこの元気な姿を世界中に流してもらいたい。

不安と期待の中、ついに走り出したオリンピック。
IOC(国際オリンピック委員会)の総会に出席したWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長、日本のことわざを引用し、注意を呼びかけました。


「石橋をたたいて渡る」リスクは増えるか減るかでゼロにはできない。

無観客を決めた東京都ではオリンピック期間中のリスクについてこんな予測も…

国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師。
感染拡大が急速に進み、2週間待たず、第3波をはるかに超える危機的な感染の状況に。

7月21日、東京都の新型コロナの新規感染者数は1,832人。
東京都のモニタリング会議はオリンピック期間中の8月3日には1日の感染者が1週間の平均でおよそ2,600人になると予測。そうなれば今年1月の第3波を上回るペースです。

東京都の小池知事。
「危機だ」と聞き飽きたかもしれないが今が重要な状況。

何としてもここで感染拡大を食い止める。
