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[WBS] 「破綻寸前」から2年で黒字に!シャープ再生の立役者に独占取材!

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台湾の鴻海精密工業の傘下でV字回復を遂げたシャープですが、その立役者である戴正呉会長兼社長がテレビ東京の単独インタビューに応えました。復活の裏側、そして今後の成長戦略を詳しく聞きました。

シャープ株式会社

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6月25日、大阪のシャープ本社で行われた株主総会。

およそ400人の株主の前で戴社長が宣言したのは、

これからは正常な経営。2,300億円の優先株も消却した。

4年前、主力の液晶事業の不振で2,200億円以上の赤字を抱え破綻寸前だったシャープ。

支援を受けるために銀行に発行した優先株を全て買い取り、消却したと発表。

負の遺産との決別を株主に宣言しました。

2016年に台湾の鴻海精密工業の傘下に入ったシャープ。

社長として送り込まれたのが鴻海のNo.2の戴正呉氏。

わずか2年で最終黒字化を実現、東証一部への復帰も果たしました。

V字回復の真相を探るべく山川キャスターが株主総会直後の戴社長を直撃しました。

戴正呉会長兼社長が

「3年振り返ってどうか?」

難しいですね。この3年間、本当に苦労した。

シャープが経営難に陥った一番の原因は何だったのでしょうか?

経営能力の問題。2010年ごろからの前の社長。

技術経営、購買経営、営業経営しかできなかった。

私は総合的に他分野を勉強した。

「いろいろな分野の経営の勉強を積んでいない人が社長になったのか?」

鴻海に入って33年。

ディスプレーやカメラモジュール、カメラとかを全部勉強した。

シャープは様々な事業を抱えていますが、特定の分野しか知らない経営陣が上に立っていたことが原因だというのです。

さらに、

私は入ってから決済にはんこは使わない。

私は必ず自分でサインする。なぜサインか、サインするときに考えるから。

以前はしっかりチェックしないですぐに決済していた。契約の見直しと再交渉。おそらく1,000億円以上改善。

社員1人1人に経営の重さについて考えてもらったといいます。

では、今後は何を打ち出していくのか…

来年から5Gの時代に入る。

今年5Gのスマートフォンを発表する可能性が高い。今、開発中。

シャープのアクオス。

年内に5G。日本初。

シャープの「5Gスマホ」開発現場!その内部を独占取材!

シャープが力を入れる次世代高速通信5Gの開発現場をWBSのカメラが独占取材しました。

シャープのパーソナル通信事業部、武部裕幸部長。

ここは完全に外からの電波を遮断して、遮断した空間の中に5Gの電波環境を再現する部屋。

ここで5Gに対応したスマートフォンの開発が行われていました。

5Gでは通信速度が現在の4Gのおよそ100倍。

例えば2時間程度の映画を3秒程度でダウンロードできるといいます。

そこで重要になるのが、

電波の方向性を基地局に対して、スマホを動かしても追従していくような制御が必要。

5Gで使われる一部の電波は遠くまで届きにくい性質があります。そのため基地局の方向に合わせてスマホのアンテナの向きが変わる設計をしているといいます。

現在のスマホには7つのアンテナが入っています。

5Gではそのアンテナを4個から12個程度増やして電波を受信するといいます。

「アンテナが増えるとスマホは大きくならないか?」

現状の7個のアンテナに可能な限り統合化して集積するので現状のスマホのサイズの中に増えたアンテナを全て吸収して入れる。

2020年春に日本で始まる5Gのサービス開始に合わせてスマホ開発を進めるシャープ。

しかし、世界に目を向ければサムスンやファーウェイは既に5G規格のスマホを発表するなど世界に遅れを取っている状況です。

シャープの5Gは弱くない。

例えば特許。鴻海精密工業と合わせて世界で7か8番目。

特に品質の良い特許ばかり。

たくさんの中国企業は数量ばかり考えている。

シャープの特許の質は素晴らしい。

緊急取材!シャープの「8K映像」!高精密映像だと何が可能に!?

そして5Gを活かすべく両輪で推し進めるのが高精細な映像技術「8K」です。

BtoB分野を中心に様々な活用を見据えています。

シャープの通信・映像技術研究所、吉田育弘所長、

下水管を8Kのカメラで検査。

下水管の中にカメラを入れて堆積物やひびが入っているか、欠けているかが分かる。

解像度が大事。

下水管の中の状態を8Kカメラで調べるというこちらの試み。管の中の異変を自動で検出するシステムを組み合わせることで検査にかかる時間と人手を減らすことが可能になるといいます。

埋設されてから30~50年たつものが多い。どんどん需要は増えてくると思う。

ほかにも農業分野で活用することで作物の育成管理や害虫などの早期発見や、タッチセンサー付きのディスプレイに絵画を映すことで美術作品の新たな鑑賞方法を提案します。

8K関連の売上目標は5,000億円程度が目標。

2020年度の8K関連の売上目標は3,000億円。これを5,000億円まで伸ばしたいのだといいます。

後継者問題

拡大戦略を掲げる一方で戴氏は大きな課題を抱えています。それは後継者。

「後継者は見つからない?」

まだ頑張る。まだ探す。

「鴻海の人というこだわりもない?」

一番いいのは日本人。現状としては時間はかかる。

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