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[WBS] 「ニッポン電機」生き残りへの賭け!シャープ社長「『守り』から『攻め』へ」!

2017年3月14日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

2016年から2017年にかけて電機業界は大きく揺れ動いています。

WBSでは「『ニッポン電機』生き残りへの賭け」と題して3月13日と3月14日放送してまいります。

1回目はシャープ株式会社です。台湾・鴻海精密工業の傘下に入って再建に動き出して半年です。

改革の効果が少しずつ現れ始める中、3月13日に戴正呉社長が会見にのぞみました。鴻海グループしたことでシャープ株式会社はどのように変わろうとしているのでしょうか?

シャープ株式会社

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台湾の鴻海精密工業がシャープ株式会社を小会社化して約半年、戴正呉社長が改革の成果について自ら語る異例の記者会見が3月13日に開かれました。

シャープの人材がモチベーションをアップしてスピードアップすれば業績回復は問題ない。

戴正呉社長が強調したのが人事制度改革。2017年度のボーナスは2016年度の年間2ヶ月分から倍増して平均で4ヶ月分を支給します。ただ個人への支給額は成果に応じて最大で8ヶ月分から1ヶ月分と大きな幅をもたせます。

信賞必罰で社員のやる気を引き出す狙いです。

太陽電池に使う材料の不利な仕入れ契約を見直すなど経営の効率化を徹底した戴正呉社長。

シャープ株式会社は2017年3月期に3期ぶりに営業黒字を確保し最終赤字も大幅に縮小する見通しです。

今後の成長戦略をどう描いているのでしょうか?

「鴻海とシャープのコストカット以外の相乗効果は?」

鴻海と一緒に頑張って垂直統合できる。「守り」から「攻め」へ業績拡大の戦略。ハードだけではなくてソフトウェア、コンテンツ、エコシステム、全て考えてやっていきたい。

シャープ・鴻海「協業」は今…

シャープ株式会社と鴻海精密工業の協業はすでに製品として形になり始めています。

40型のタッチディスプレイ「BIGPAD」は2017年2月に発売したばかり。少人数での打ち合わせや商談向けなどの用途を見込んでいます。

シャープ株式会社のビジネスソリューション事業本部、松村佳浩さんは、

会話したい人に向けて回転させるとか、もし向こうの方だったら、こういうふうに送ると反転する。

最大の特徴はタッチした時のスムーズな動き。シャープ株式会社と鴻海精密工業の技術の融合で実現したといいます。

タッチのセンサー計測の部分が鴻海の技術。シャープはいろいろなバックエンド(裏側)のシステムを組み合わせている。お互いのいいところを出し合って商品にしている。

この商品は開発に取り掛かってわずか半年で発売まで漕ぎ着けました。鴻海の参加に入ったことでスピードが格段に上がったといいます。

「鴻海とはどんなやりとりがあった?」

一緒になってコストも下げつつ提供したいと部品一つ一つを精査した。シビアな詰めの協議をした。

かつて撤退した市場への再参入も。夏頃をメドに7年ぶりに業務用プロジェクターの新商品を発売する予定です。

1年前の今くらいであれば自ら限界点があった。発想力も違った感覚で一緒にやっている。

シャープ株価は加熱?

再生への道を歩むシャープ株式会社。

債務超過を理由に2016年8月に東証一部から二部に降格し100円を割り込んでいた株価、鴻海精密工業の参加で業績が回復し年内にも一部に復帰する期待の高まりから株価は4倍以上に急上昇しています。

3月13日の終値は3年半ぶり397円という高値です。

しかし、みずほ証券株式会社の中根康夫シニアアナリストは、

思ったより上がっているのが正直なところ。今の株価は過去最高益を上回る利益が出ることを前提として成り立っている。

最終損益の黒字化がまだできていないシャープ株式会社にとって、今の株価には過熱感があると専門家は指摘します。

成長路線、つまり売上を伸ばすことができないと利益は戻らない。中国での投資や新しい成長に向けた投資が実を結ぶ前提も株価上昇に入っている。

シャープ株式会社と鴻海精密工業の合弁会社が中国に総額1兆円規模の液晶パネル工場の建設を予定するなど投資も加速、この投資が成功するかも今後のカギといいます。

大きな工場を建てるのはいいがシャープ以外の客を作れるのかが注目。部品というのは規模が必要で、それを成立させるためには自社のブランド(製品向け)だけでやっていくのは難しい。自社ブランドと外の客、その両方をサポートして部品ビジネスが成立する。

シャープ 東芝事業に興味?

今後、液晶パネルの事業領域を広げたいシャープ株式会社。一方で親会社の鴻海精密工業は積極的にM&Aを仕掛ける考えで、更なる攻めの姿勢を強めています。

鴻海精密工業は分社化が決まった株式会社東芝の半導体メモリー事業の買収に名乗りを上げているのです。

戴正呉社長に直撃すると、

「本杯が東芝半導体を買ったときのシャープのメリット?」

鴻海のオフィスにいない。ほぼ出張かシャープにいる。独立性のために鴻海にほぼ関与しない。東芝の半導体などは聞かなかった。全く関係ない。

「シャープ社長として東芝との協業のイメージは?」

私としてノーコメント。東芝の件、よろしいでしょうか?

肯定も否定もせず、ノーコメントを貫きました。

鴻海精密工業の傘下に入ってから約半年、営業黒字を確保し東証一部への復帰も視野に入ったとされるシャープ株式会社。

鴻海精密工業との協業も進み再生スピードは一段と加速するのでしょうか?

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