中国では新型コロナの感染拡大が続いています。4月10日に確認された新たな感染者数は2万7,509人と依然増加の一途を辿っています。感染者の大部分を占める上海では先月下旬からロックダウン(都市封鎖)が続いています。自宅での待機を命じられている市民たちからは食糧不足を訴える声が高まっています。その上海には菅野陽平記者がいます。
上海ロックダウンは2週間!
"食糧不足"市民生活に影響
上海支局
菅野陽平記者

私も今は外に外出することができませんから自宅のベランダからお伝えします。3月28日に始まったロックダウンは今日で3週間目に突入しました。こうした中、上海市政府は直近2週間以内に感染者が出ていないエリアについて自宅周辺に限り外出を認めるなどの指針を発表しました。ただ現時点で封鎖が解除されたのはごく一部でいまだに市内の多くのエリアは封鎖されている状態です。
そうした中、ロックダウンの長期化にともないい高まっているのが食料への不安です。
物々交換 ドローン活用も
上海市民

物資をくれ!
SNS上に投稿された上海の団地とみられる映像。住民たちが物資の配給を訴えています。
上海で4月10日に確認された感染者は2万6,087人とこれまでで最多に。
長期化するロックダウンで市民を悩ませているのが食料の調達です。
SNSでは空っぽの冷蔵庫を撮影した映像が多く投稿されています。
白菜など残った野菜の芯で水耕栽培を試みる人も。
大手ECサイトの担当者

上海地区に1,600万点以上の米、麺、食用油などの民生商品を提供し、上海のお客様に対し1ヵ月近くの日常供給量を保証できるようにする。
市政府は停止していたオンラインスーパーを緊急的に再開させ、食料の提供を急いでいるとしていますが…
白菜など残った野菜の芯で水耕栽培を試みる人も。
SNSから

ティッシュ1パックとソーセージ1パックを交換した。
物々交換の時代が始まった。
手持ちのティッシュとソーセージを物々交換したのだといいます。
こちらではコーラ13本をネギと交換。
そして袋をぶら下げて住宅地を飛ぶドローンの映像も。自宅から出ることができないことから住民はドローンを使って受け取っているのだといいます。
「配給1回」高まる"食糧不安"
大江麻理子キャスター
物々交換まで始まっているということで食料確保は本当に大変な様子ですね。

上海支局
菅野陽平記者

私も隔離前にそれなりに食料を備蓄しました。ロックダウンの2日目には政府から魚介類、肉、野菜といった2日分に相当する食材の支給もありました。
私はいま上海で家族4人で暮らしていますが家族4人が家に引きこもって毎食を食べているので、おかずの量を減らすなどしてもそれなりのペースで食材は減ってしまいます。私は幼い子どもが2人いますので子どもが飢えないように親が食べる回数や量を少し減らして食材を節約しているのが現状です。
今日の昼には4日前にマンションの住民で共同購入した野菜などが届きました。一安心はしましたが、次に購入できるのがいつなのかは確約されていませんし、不安を抱えながら生活をするのは変わりません。コロナの感染への恐怖もありますが、それよりも先が見えない中で生活をどう維持していくのか不安のほうが大きいというのが現地で生活する率直な感想です。