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[モーニングサテライト]【Marketリアル】厳しさ増すアメリカ住宅市場[住友林業株式会社]

モーニングサテライト

いまマーケットで起こっているリアルな事柄をお伝えする「Marketリアル」。

今回取り上げるのは住宅メーカーの住友林業です。その住友林業の株価は2020年3月には1,100円台まで下落しましたが2021年4月には2,500円台まで上昇しました。足元では2,000円近辺でのもみ合いとなっています。

住友林業のセグメント別の売上高を見てみると海外の住宅・不動産の売上が半分近くを占めています。

住友林業 売上高 約1兆3,860億円(2021年12月期)
海外住宅・不動産45%
国内住宅・建築36%
木材建材15%

これをさらに紐解いていくと国別ではアメリカが9割近くということでかなり大きいです。

「海外住宅・不動産 売上高」国別比率
アメリカ約86%
オーストラリア約14%
売上高6,446億円

住友林業はアメリカでの事業が業績に大きく影響するということです。

FRBによる異例の大幅利上げを背景に住宅ローン金利が上昇するなどアメリカの住宅をめぐる環境は転換点を迎えているようにもみえます。吉光敏郎社長にアメリカの住宅市場のリアルを聞きました。

厳しさ増すアメリカ住宅市場

アメリカ 住宅ローン金利上昇

アメリカを主な市場とする住友林業。そのトップが光吉敏郎社長。急激な金融引き締めによる住宅ローン金利の引き上げに…

豊島晋作キャスター

FRBが6月に0.75ポイントの利上げ。
予想はしていたのか?

住友林業
吉光敏郎社長

やや利上げのペースが速い。
インフレが収まらないことの裏返し。
予想以上にペーストしては速く住宅ローン金利が上がった。

アメリカの住宅販売の好調を支えていたのがコロナ禍の救済措置による歴史的な低金利。しかし、FRBが大幅な利上げに踏み切る中、人気の高い30年固定の住宅ローン金利も急上昇しているのです。

豊島晋作キャスター

30年の固定金利が5%超、ビジネスにとって逆風に?

住友林業
吉光敏郎社長

非常にブレーキがかかっている。
お客様のローン審査が通りにくく解約するケースも。
しばらく耐える時間は続く。

実際、アメリカの6月の住宅購入契約のうちおよそ15%が解約。キャンセルが急増しています。まさに忍耐の時。

その住友林業がアメリカに進出したのは2003年。

豊島晋作キャスター

グローバル展開してきた理由?

住友林業
吉光敏郎社長

国内の住宅事業が柱、会社の収益を支えてきた。
日本の人口は減り始めている。
この数年の80万戸台後半から2040年に40万戸台まで年間の住宅着工数が減る。

縮小する日本の住宅市場。アメリカに活路を見出す中、激震が…

サブプライムローン問題に端を発した2008年9月のリーマンショックです。

当時、海外事業の責任者だった光良社長はその対応に追われました。

豊島晋作キャスター

リーマンショック時といまは違う?

住友林業
吉光敏郎社長

明らかに違う。元利の返済が急に上がる仕組みがサブプライムローン。
いま5%を超す住宅金利だが契約は30年固定ローンがメイン
ローンが払えないための遅延、支払い猶予の申請が起きていない

豊島晋作キャスター

金利が上がらない人たちが大多数?

住友林業
吉光敏郎社長

大多数はそういう人たち。
サブプライムローンは現時点ではローン審査が厳しくなりほとんどない。

リーマンショック時と違う固定ローンでの借り入れ。さらに住宅の不足があるといいます。

住友林業
吉光敏郎社長

リーマンショック時の人口が3億人。いまは3億3,000万人を超す。
Z世代(10~20第半ば)、ミレニアム世代(主に30代)、住宅購買層がかなり増えている。
アメリカの住宅不足棟数は約400万~600万棟

豊島晋作キャスター

リーマンショックの再来は?

住友林業
吉光敏郎社長

ありえない。

リーマンショック再来はない

光良社長はリーマンショックの再来はないと断言します。

住友林業はリーマンショック後の2013年から積極的にM&Aを実施、合わせて8社のアメリカ企業を次々と買収していきました。

2021年には戸建注文住宅の販売戸数で全米8位まで成長したのです。

アメリカでのさらなる事業拡大に向け2024年の販売目標は日本より多いおよそ1.5倍の計画を掲げています。しかし、住宅ローン金利の上昇を背景に急落した新築住宅の販売件数は依然低調のまま。さらに6月の住宅着工件数は前の月から2%減少し、去年9月以来の低水準に。一戸建て住宅では8%以上も減っています。

アメリカ市場のリスクは…

アメリカ市場に依存するリスクについては…

豊島晋作キャスター

アメリカ一本足で大丈夫か?

住友林業
吉光敏郎社長

地政学な面でのヨーロッパ、中国、台湾を中心とした東アジアに比べアメリカはリスクの少なさを感じる。
地政学という観点から一番強い国と市場はアメリカアメリカにリスクを感じるとしたら世界のどこでもビジネスはできない

豊島晋作キャスター

アメリカ経済、景気後退が来る?

住友林業
吉光敏郎社長

景気後退には恐らくならない。

2022年12月期の業績予想で売上高・営業利益とも2期連続で過去最高を見込む住友林業。

豊島晋作キャスター

見通しには変更はない?

住友林業
吉光敏郎社長

今年初めのアメリカ市場の受注残の多さから今期は目標値と大きくぶれることはない。

さらにアメリカ住宅市場の冷え込みの警戒感からかなかなか上向かない株価については…

豊島晋作キャスター

目指す株価は?

住友林業
吉光敏郎社長

解散価値のPBR(株価純資産倍率)1倍を下回っているのは非常に問題。
まずは上を目指す。
株価2,800円、2,900円、3,100円のレンジがターゲット。

日米 住宅市場の先行きは…

新築住宅の販売件数は低調ですが光良社長はアメリカ市場に自信を持っています。光良社長はリーマンショックのときに海外事業の責任者としてアメリカにいてそのショックを体感しています。今のアメリカ経済はその時と違う、強いということでアメリカ経済の強さに強い自信を持っているようでした。

景気後退には陥らないと話していたがテクニカルな意味で2四半期というのはあるかもしれないが深刻な景気後退に陥ることはないだろうという見方。

ただ一方で7月28日にFRBの金利が発表されますが、その影響がどう出ていくかというのはまだ不透明な部分はあるようです。

一方で住友林業の日本国内の住宅、そして建築の売上高は36%、4割近くあります。光良社長も話していましたが国内市場が縮小していく中でどういった対策を打っていくのでしょうか。それが豊島キャスターがインタビューした場所、建物に住宅メーカーとしての生き残りのヒントがあります。

黙翁ビルで新規市場創出

豊島キャスターがインタビューをしていたのが上智大学にある建物。実は住友林業が設計・施工し今年5月に竣工した木造ビル。主に社会人用の授業で使われる予定です。

住友林業
吉光敏郎社長

3階建てだが純木造の建物

一番の特徴は最新技術を用いた1階から3階まで支える木の壁。

住友林業
吉光敏郎社長

この中にワイヤーが入っている。
テンションを張ることで柱として耐震機能を高めている。

豊島晋作キャスター

木造の建設費は高くなるのか?

住友林業
吉光敏郎社長

3階程度までなら大きな違いはない。
5階、6階に建てていく場合、鉄骨やコンクリートに比べて木造は20~50%コスト高。

コストダウンが課題ですが木造ビルの利点は適度な湿度を保てることや生産性の向上につながることだといいます。

このビルに使われているのは全てスギヤヒノキなどの国産の木材です。

豊島晋作キャスター

木造ビルの事業はどのように展開?

住友林業
吉光敏郎社長

学校、老人ホーム、保育園、幼稚園など木造化が非常に進んでいる。

木造新たな巨大市場

住宅メーカーにとってオフィスや教育施設の木造化が新たな巨大市場になるといいます。

豊島晋作キャスター

木造ビルの市場規模は?

住友林業
吉光敏郎社長

住宅市場の規模が年間約15兆円。非住宅市場が約11兆円
非住宅市場約11兆円のうち8%しか木造化されていない。
10%増やせば1兆円、2兆円の市場をつくれる。

豊島晋作キャスター

ビルが木造になれば世界も変わる?

住友林業
吉光敏郎社長

街全体を森に変えていくことを実現したい。

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