中国が4月17日に発表した2017年1月から3月までのGDP、国内総生産の伸び率は6.9%となりました。
年間目標の6.5%前後を上回りましたがさらなる成長を目指して半導体産業の育成に力を入れています。
中国が半導体産業の拡大のため虎視眈々と狙っているといわれているのが海外メーカーの買収です。
その現場を取材しました。
中国GDP(1-3月)
4月17日に開かれた中国政府の会見。
中国国家統計局の毛盛勇報道官は、
中国経済は穏やかに発展し勢いを取り戻している。
4月17日に発表された中国の1月から3月までのGDPは1年前に比べ実質で6.9%増加しました。
内訳を見ると工場などへの固定資産投資が前の年の同じ時期に比べ9.2%のプラス。その内、主に公共事業の受け皿になる国有企業が13.6%と大幅な伸びで成長を下支えしました。
不動産開発投資も9.1%増えました。
一方、個人消費を示す小売売上高の伸び率は10.0%と16年通年の10.4%を下回りました。
経済成長がインフラ投資とバブルも懸念される不動産投資に支えられている構図は変わっていません。
先月、今年の成長率目標を6.5%前後と発表した中国。1月から3月はこの目標を上回りました。
中国では今年の秋に5年に1度の共産党大会が控えていて、経済の安定成長を最優先にし、政府による景気の下支えが続くと見られます。
半導体産業
その中国が次の成長を目指して力を入れているのが半導体産業です。
3月に上海で開かれた半導体の見本市「SEMICON China 2017」。国内外のメーカー900社、来場者は6万人余りと世界最大規模となりました。
天水华天科技股份有限公司は中国大手の半導体関連メーカーです。
営業部の胡超先部長は、
われわれの半導体は携帯、テレビ、LEDなどすべての電子機器に使える。
強みのひとつは国内に巨大な市場を持っていること。例えばスマートフォンの販売台数は中国が世界一です。
半導体関連の市場規模は日本円で16兆2,000億円を超え全世界の43%を占めるといいます。
中国政府は2014年に約2兆2,000億円の基金を設立。半導体工場の建設に助成金を出すなど産業新報を後押ししています。
その一方で、
半導体チップの輸出費用は原油を超える。中国にはまだ革新的な技術がない。
技術力は世界トップレベルとはいきません。
電子部品の頭脳、集積回路の素材として使われる半導体チップは90%を輸入に頼っています。
そこで見本市で人気となっていたのが投資セミナーです。
投資セミナー
北京亦庄国際投資発展の安鵬投資ディレクターは、
私たちはもっと世界に視野を広げて買収を行う必要がある。
中芯聚源株式投資管理の孫玉望総裁は、
中国の多くの半導体企業に対して高度な人材を雇えるように支援する。半導体のポイントは人材、人材があれば何でも作れる。
技術力の不足を補うため検討している手段のひとつが買収なのです。
日本メーカーも中国が狙っている買収先のひとつとされています。
これに中国政府そのものが関わっている可能性も。
ートナージャパン株式会社
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中国はメーカーもたくさんあるが、国を挙げ半導体産業を振興しようと、政府関係の人から、どのように産業を振興していけばいいかアドバイスを求められる。
こう話すのはIT分野の調査や助言をするガートナージャパン株式会社のリサーチ部門、山地正恒主席アナリスト。
海外メーカーを買収して半導体産業を拡大したいとする中国ですが、その実現性は低いとの見方も。
豊富な資金力をベースに買収という方向で加速度的に目標を達成していこうと、どの国も中国の投資資金によって自国の産業が買収されないように守りに入っている。買収攻勢によって目標を達成しようというのは難しい状況。
次の成長の柱に半導体産業を掲げる中国。海外メーカーの買収が実現できるかが今後の成長のカギとなりそうです。