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[WBS]本人の分身がアピール!韓国大統領選"AI候補"に規制は?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

来年3月に実施される韓国の大統領選挙まで3ヵ月を切りました。

大統領選は2人の候補による事実上の一騎打ちの様相を呈していますが、それぞれの候補者がまるで本人の分身のような画像をネット上でAIで作り、有権者にアピールしています。

今このAI候補を規制するかどうか議論となっています。

"AIの分身"がアピール!韓国大統領選で活用 議論も…

12月13日、ソウルで高騰するマンション価格などへの対策をアピールしたのは保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦前検事総長です。

規制を緩和し、市民が望む住宅を供給していく。

一方、現在の与党「共に民主党」の公認候補の李在明前京畿道知事。

今日は竹島にいる警備担任をビデオ通話で激励しました。

わが領土防衛の象徴のようなところ、しっかり守ってほしい。

韓国大統領選はこの2人の候補が支持率で拮抗し、事実上の一騎打ちになっています。

こうした中、いま新しい技術を使った選挙活動が議論を呼んでいます。

こんにちは「AI尹錫悦」です。候補者本人と似過ぎていて驚きましたか?

尹錫悦候補の陣営が公開したのはAI尹錫悦。尹候補を動画で撮影し、数千個の単語を一つ一つ録音、それを元にコンピューター上に自身の分身をAI(人工知能)の技術で作ったといいます。

巨大ディスプレイを備えた遊説車両で本人に代わって政策などを訴える計画です。

一方、与党「共に民主党」の李在明候補も…

李在明はやります。李在明には確実な実行力があります。

同じくAIを公開。

さらに自身の公式サイトでは新たな機能も…

ソウル支局の横堀拓也記者。

こちらのチャット欄に質問を打ち込むと自動で答えが返ってくるということです。

例えば主な公約を聞いてみると経済政策や労働問題への取り組みなどをチャットで詳しく返答してくれます。

気になる日韓関係について質問してみたところ…

国民の声に耳を傾けます。

ほかにも「今後努力します」「一生懸命頑張ります」といった回答も多く、機能にはまだ限界があるようです。

一斉にAIを活用している背景には最悪の感染状況が続くコロナ禍の選挙戦があります。

こうした自身の分身を使って有権者との接点を増やし、浮動票が多い20代から30代の若者からの支持を広げる狙いがあります。

そして、こうしたAIを使うもう一つのメリットが政治活動にかかる費用の削減です。

こんにちは、金東兗候補陣営、AI報道官のエイディーです。

こちらは出馬を表明している金東兗前経済副首相の陣営が導入したアバターを使ったAIの報道官です。

韓国の政治は天文学的な費用をつぎ込み国民の重荷となっている。

AI報道官の導入で選挙費用を劇的に削減できる。

報道官だけでなく候補本人のAIも公開し、今後積極的に活用していく方針を示しました。

ただ専門家はAI技術を多用した選挙活動は有権者の判断を混乱させる可能性を指摘します。

Ai技術に詳しいテックフロンティアの韓相基代表。

表情、瞳、ジェスチャーなど言語以外の情報からも信頼性や「真実を語っているか」を判断するが、それがゆがんでしまう。

大統領選は重要な選択なので候補者の本質的な姿を見て選ばせるべきだ。

韓国では現在のところAIを活用した選挙戦に制限はありません。ただ規制すべきとの意見も出ていて選挙管理委員会が活用方法などについてガイドラインを作るなどの対策を行うかが注目されています。

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