今後も24時間営業を続ける事ができるのでしょうか?
コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブンが人手不足を理由に24時間営業の見直しを迫られています。
先月末から時短営業の実証実験を始めましたが、24時間営業を巡る問題はセブン-イレブン・ジャパンの社長交代へと発展しました。
株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
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急遽開かれた会見。
最初に登壇したのはセブン-イレブン・ジャパンの親会社、セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長です。
今回の人事の背景にあるのは24時間営業のことだけではない。
流通業はお客様と直接接する産業。
大変恥ずかしい話だが、この1年を俯瞰すると現場の情報が上がりにくくなっている事象が少なからずあった。
24時間営業問題
異例の社長交代へと発展した24時間営業の問題。
大阪の加盟店オーナーが本部の許可がないまま人手不足を理由に夜間の営業をやめたことに対して本部が契約違反と指摘。
24時間営業をめぐり本部と加盟店オーナーが対立しています。
人手不足だけでなく、加盟店にとっては24時間営業が経営面でも足かせになっているといいます。
増田敏郎さん
東京・八王子市。
40年に渡り、加盟店を運営している増田敏郎さん。
1時間あたり5人のお客様のために、なぜ人がじっと店番をしなくてはいけないのか?
この店の場合、粗利のおよそ半分を本部に納めています。
そのため夜間は人件費が利益を上回り赤字に…
1個でも売れればチャージ(利益)がとれる本部と売るために人件費をかけなければならない店の利益相反。
冷静に考えて夜中、店を開ける必要はないと考えている。
永松文彦社長
加盟店からの高まる不満。
4月4日の会見で経営側が強調したのが既存店へのテコ入れです。
19年度の新規出店計画は850店。18年度の実績より500店以上も減らします。
さらに設備投資額の6割以上を既存店へ振り分け、セルフレジの導入やAIを使った発注システムなど省力化を進めるとしています。
さらに新社長に就任する永松文彦氏は、
経営陣が直接コミュニケーションする。
加盟店オーナーとのコミュニケーションがフランチャイズビジネスでは最も重要と認識。
これをさらに強化していきたい。
加盟店オーナーに寄り添うことを強調しました。
しかし、
個別にコミュニケーションをとって、個別に対応すると抽象的な言葉を言っても、どういう方向にもっていくか言わないと、こちらとしては判断しようがない。
セブン-イレブンでは先月末から直営店とフランチャイズ店合わせて12店舗で営業時間短縮の実証実験をスタート。
数ヶ月に渡り売り上げへの影響などを調べるとしていますが、
はっきり言えば24時間体制のビジネスモデル自体が限界に来ていると思う。
何らかの形で変革していかないとこの問題は後を引くと思う。
ビジネスモデル
しかし、4月4日の会見で経営陣は「24時間営業はビジネスモデルの根幹」だとして減速を貫く姿勢を示しました。
その理由が、
長年培ってきたブランドを毀損するリスクがある。
加盟店オーナーからそういう要望は96店舗、全体の0.5%。
24時間営業をやめたいオーナーはごく僅かだというのです。
山川龍雄キャスター、
96店なら収益に与えるインパクトも大したことないのでは?
だとすれば、選択性にすればいいと思うが?
私たちの収益性というよりは加盟店の収益性だと思う。それで生活されているので。
そこを見極めないと一回時間短縮して、また戻してもお客様が戻らないかもしれない。
そういうリスクがあって、しっかり検証しながらやっていきたい。
24時間営業を巡るセブン-イレブンと加盟店オーナーの対立。
その行方は…
本部だけがあんなバカみたいに利益を出して加盟店がこんなにも苦しんでいる。
おかしくないですか、ということ。ようするに公正な所得の配分をしてほしい。