青天の霹靂
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本州最北端に位置する青森県。
青森市の中心部に青森県庁がありました。
その一室を覗いてみると、業務時間にも関わらず炊飯器からご飯をよそう職員が。
食べるのかと思いきや、写真を撮り始めました。
彼らは青森県が2015年7月に新設した青森県庁ごはん部のメンバー。
「青天の霹靂」を売り出すために作られたチームです。
青天の霹靂
「青天の霹靂」は10年かけて開発されたブランド米。
寒さに強い「ふゆげしき」や病気に強い「まっしぐら」、さらに味に定評のある「ひとめぼれ」。
これらを強みを掛け合わせました。
その結果、2015年に青森で初めてとなる「特A」を獲得。
程よいねばりに上品な甘み、スッキリとした後味が特徴です。
ブランド米
ごはん部の石塚清則部長(44歳)。
特Aを目指した背景には近隣の産地への焦りがありました。
青森は北海道、東北で唯一、特Aがなかった。これからのコメ競争に勝ち抜くためにもブランド米、特Aを取らないといけない。
しかし美味しいと言われるブランド米はいまや日本全国に溢れています。
他の新しい品種が出てきたときに「青天の霹靂」は注目してもらえるか、そのためにどれだけ注目してもらえる活動をするか。
ライバルとどう差別化するか、たった3人のごはん部に青森の未来が託されます。
青森のコメ
8月下旬、この日、「青天の霹靂」が栽培されている田んぼを石塚清則部長と県の職員が訪ねていました。
この田んぼの持ち主、工藤憲男さん(64歳)は「青天の霹靂」の開発から携わってきた人です。
青森のコメは最低ランクだった。価格的に。「特A」のコメを目指してきた。「特A」は夢でしたからね。
石塚清則部長、生産者たちの想いを受け止め、どう販売に結びつけていけるのか?
実は青森県は「青天の霹靂」のブランド力を高める秘策を用意していました。
秘策
青森県の指導員は
人工衛星から写真を撮って、葉の色の具合で刈り取りがいつか。
県の指導員が手にしている端末には何やら色のついた地図が表示されています。
これはリモートセンシングという最新の技術。
人工衛星から撮影した画像を使って稲穂の色で田んぼごとに最適な収穫時期を割り出します。
赤色は収穫の最適期。それ以外の色は刈り取りまでしばらくかかります。
隣り合う田んぼでも成長がまるで違うのです。
あの工藤憲男さんも収穫時期を確認していました。
12日に変更。衛星写真を見た感じではそれでいきたい。
刈り取りを当初より2日遅らせます。
最新技術をライバルに先駆けて投入することで品質に差を付けていこうという狙いです。
PR
「青天の霹靂」のPRを託された青森県庁ごはん部。
戦略会議を開いていました。
「青天の霹靂」はどれくらい、東京の人に知られているか。ほぼ知られていないと思った方がいい?
まだあまり知られていないという前提で。
全国的な知名度はまだまだの「青天の霹靂」。
そこで最大の消費地、東京でイベントを仕掛けることにしたのです。
新たな一手を模索していた石塚清則部長、帰宅後あることを試してみました。
コンロの上にはなぜか土鍋が2つ。
「青天の霹靂」と「ゆめぴりか」です。
ライバルのコメと食べ比べようというのです。
冷蔵庫の中からは様々なブランド米が。
お客様に何かを伝えるには自分の言葉じゃないと伝わらない。食べてみないと分からないと思う。
「ゆめぴりか」も美味しい。「青天の霹靂」とは違う美味しさ。
すると冷蔵庫の中からあるものを取り出しました。
地元、青森名物のシメサバです。他にも色々なおかずを。
おかずと食べたほうが「青天の霹靂」はパワーを出す。
おかずと一緒に食べることで、よりコメの旨味を感じることに気付きました。
青森県庁、石塚清則部長がごはん部のメンバーを集めました。
急遽、作戦会議です。
ラップに包んでごはんに具を入れ握っていきます。
一番美味しい状態で食べてほしいので「おにぎり」で出したい。
おかずと合わせたおにぎりだと「青天の霹靂」の美味しさがしっかりと伝わると考えた石塚清則部長。
これで勝負しようと決めました。
イベント
10月22日、東京・青山で開かれた「青天の霹靂」イベント当日。
ランニングマシーンの上を走ると人形がおにぎりを運んでくれるという仕掛け。
「青天の霹靂」に合わせるのは地鶏にホタテ、そしてきのこ。いずれも青森自慢のおかずです。
コメが具を引き立たせて美味しい。
バランスがいい。コメが美味しいから海苔もお美味しい。味がうまく調和されている。
お客様の反応も上々です。
PRを任された青森県庁ごはん部の狙いがハマりました。
会場の盛り上がりに道行く人も思わず見てしまいます。
人が人を呼び、行列は15分待ちという盛況ぶり。
そして、
初めて食べた。名前も知らなかった。
おにぎりを食べた家族連れ、お買上げです。
この日、「青天の霹靂」は青森初のブランド米として大きな一歩を踏み出しました。
一歩抜け出るため他とは違うPRのやり方で「青天の霹靂」の全国的な知名度を上げていきたい。まだ始まったばかり。
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