6月10日から外国人観光客の受け入れが再開されます。まずは感染リスクの低い98の国や地域からの観光客が対象で添乗員付きのパッケージツアーに限られます。およそ2年ぶりとなる外国人観光客をどう取り込むのか受け入れ準備のその舞台裏を取材しました。
2年ぶり訪日観光客再開へ!
韓国 日本の人気エリアは?
韓国・ソウル。新型コロナの感染者数も落ち着き、にわかに海外旅行ムードが高まっています。
番組スタッフ
どこの国・地域に行きたい?
市民
昔、日本の北海道に行ったがとても良かった。
夏になったらもう一度行ってみたい。
ソウル市内の旅行会社を訪ねてみると…
YBツアーオペレーター
8月4日出発の北海道の商品でいいか?
日本行きツアーの予約が急増していました。
YBツアーオペレーター
7月20日に済州航空を利用するもので、富良野・美瑛というラベンダーを見られる地域が一番人気。よく売れている。
この会社は日本への旅行ツアーを30種類用意。多い日には1日350件の問い合わせがあったといいます。
あまりの忙しさに2人だった日本旅行の担当者を7人に増員したほどです。
YBツアー
許栗(ホユル)さん
北海道がもっとも人気がある。次は九州、大阪、沖縄の順に人気が高い。
過去のように観光ビザが免除され自由に出入りできるようになり活性化されることを願う。
銀座の象徴"リニューアル"
一方、東京・銀座。国内でも外国人観光客の受け入れが進んでいます。
セイコーホールディングスは銀座で子会社が運営する「和光本館」をリニューアルします。
セイコーホールディングス
服部真二会長兼CEO
6月10日は「時」の記念日。そしてインバウンド解禁の日。
新しく生まれ変わる「セイコーハウス銀座」のオープニングを宣言する。
新たに作った屋上のウッドデッキはイベントなどを開ける開放的な空間。
5階には特別な買い物をしたお客さんが利用できるラウンジも設置しました。
これまで通り和光も店を構えますが、建物の名前は「和光本館」から「セイコーハウス銀座」に変更します。
銀座の象徴「時計塔」は6月8日から期間限定でライトアップ。特別バージョンのメロディーも。
銀座の中心からセイコーブランドを発信します。
企業は受け入れ準備加速
かつて外国人観光客で賑わっていた松屋銀座。
インバウンド客を再び呼び込もうと商品やサービスの準備を急いでいます。
松屋銀座 顧客戦略部
齋藤篤課長
2年2ヵ月ぶりなので楽しみ。
需要が見込まれる高級化粧品のコーナー「クレ・ド・ポー ボーテ」では…
松屋銀座 バイヤー
三原薫子さん
2019年までの人気製品に加えて新しく人気が出たものについても在庫を確保していく。
こちらのフェイシャルマスクは以前より2割ほど在庫を増やしました。
海外の店舗で売れ行きが好調なため、外国人の需要が高いと見込んでいるのです。
宮崎文子記者
松屋銀座ではコロナ禍でバーコード決済の導入を進めていました。
なかには海外でシェアの高いツールも含まれており、6月10日からのインバウンド需要に備えています。
中国で広く使われている決済システム「ウィーチャットペイ」や「アリペイ」でも支払い可能に。
さらに外国語を話せるスタッフの代わりにコロナ前に使用していた翻訳端末も再登板。
閉鎖していたイスラム教徒用の礼拝施設も来月をめどに再開する予定です。
松屋銀座 顧客戦略部
齋藤篤課長
銀座の中心で商売をしているので外国人客の買い上げは非常に大事。
商品も品ぞろえもしっかりとして迎えたい。
人剤争奪で時給"過去最高"
企業が受け入れの準備を進める一方、不安なのは人手不足です。
人材サービス「ディップ」、ここにきて求人件数が去年の1.6倍に増えているといいます。
ディップ 新宿営業部
西宮貴宏部長
特にフード・飲食系の募集が大きく伸びている。5月は前年比で3倍に増えた。
コロナ禍で時短営業を強いられていた飲食店が採用活動を再開。
さらにインバウンド客を見越した求人も急増しているのです。
ディップ 新宿営業部
西宮貴宏部長
「外国人活躍中」や「留学生歓迎」の案件は前年比で約2倍になっている。
今後、飲食店だけでなく販売やサービス業など、さまざまな業種で人材募集の需要が増えることを期待している。
さらに…
小川知美記者
求人市場が活発化する中で企業は時給のアップに追われています。
ディップの調べでは5月の平均時給は1,222円と過去最高に。
時給1,500円を超える募集も少なくありません。
人材を確保するには…
ディップ 新宿営業部
西宮貴宏部長
人材の争奪戦が激化する中で待遇改善を前面に押し出した募集にするのが一番の改善策。