4月27日に公表された2016年度の百貨店の売上高は約5.9兆円と前年度と比べて2.8%のマイナスでした。
スーパーの売上高も約12.9%と前年と比べて1.3%のマイナス。
百貨店とスーパーともに不振の中、消費をいかに掘り起こすのか、いま各社が挑む新しい店づくりを取材してきました。
株式会社成城石井
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4月27日に都内でできた行列。全国に150店舗を展開するスーパー、成城石井の新店舗です。
池尻大橋に新たに成城石井の旗艦店がオープンしました。こちらの店舗は商品数がとにかく多いとのことで店内も広く奥行きもあります。
広さは約140坪と成城石井の中では最大級の大きさです。
ワインやチーズだけでなく野菜、肉、魚と生鮮食品も取り揃え商品数は合わせて約1万点。
注目はピザです。石窯のオーブンで焼き手間を掛けた成城石井の自家製ピザ。今回、初めて販売します。
マルゲリータ(755円)を試食した相内優香キャスターは、
モッツアレラチーズがたっぷり入っています。レストランで食べる味です。
スタッフ
最大の特徴はスタッフの数。同じ規模の店では通常50人のところをこの店では75人も配置しています。
レジにいるのは3人、バーコード読み込み担当、会計担当、レジ袋に商品を詰め込むスタッフもいます。
さらに店長の遠藤琢郎さんは、
ソムリエの資格を持っている。
「価格が手頃で辛口の白ワインは?」
フランス・ボルドーのCHモン・ペラ ブランというワイン。魚介にも合いますし、鶏肉にも豚肉にも合う。
専門知識を持つ店員を売り場に配置しお客様からの疑問や要望に答えられるようにしているのです。
お客様は、
いい部位だと薦められて、買いだなと。ほかでは説明はあまり受けない。
「説明があると実際買うか?」
それはある。
女性のお客様は、
何か聞いた時に動いてくれると、子供がいると助かる。
成城石井の狙い
最近は駅ナカの店や都心の小さな店など効率的な店作りに力を入れていた成城石井ですが、今回は逆に人も手間も掛けた店舗です。
その狙いは?
早藤正史執行役員は、
インターネットなどで簡単に変える時代。買い物が少し無機質になっている。お客様とコミュニケーションとると、こだわりや安心感を伝えられる。
人手を掛ける分、コストは掛かりますがそれを上回る効果があるといいます。
「店員が多いと売り上げにつながるか?」
そう感じている。気持ちよく帰ってもらうのが重要。あえて人を増やして再来店につながれば。
株式会社髙島屋
[blogcard url="https://www.takashimaya.co.jp/"]
一方の百貨店も新たな店づくりを始めています。
高島屋は4月27日、訪日外国人をターゲットにした大型の免税店「SHILLA&ANA」を新宿店内にオープンしました。
その特徴は品揃えです。高級ブランド品を減らし、代わりに化粧品を充実。国内外で36ブランドを揃えました。特に日本のコスメブランドの数は26と、街なかにある免税店では日本一の数です。
木本茂社長は、
インバウンドでお客様が買うものがこの一年で大きく変動した。ジャパンコスメ、化粧品を中心にした免税店、これを一つの大きな柱の据える。
以前のような爆買いが一服する中、訪日客の買い物事情を調べたところ、供給品から日用品にシフトしていたといいます。
そのためマツモトキヨシを誘致。コスメやサプリなども充実させました。
さらに家電はラオックスと中心に美顔器などの美容家電や炊飯器など人気の商品を絞って品揃えしました。
高島屋はこの免税店だけで初年度80億円の売り上げを目指す予定です。