西武ホールディングスは11月15日、プロ野球「埼玉西武ライオンズ」の本拠地周辺エリアに約180億円を投じて大規模な再開発を行うと発表しました。
一部の人気チームを除けば球団経営は赤字が当たり前といわれてきたプロ野球ビジネスですが、球場だけでなく周辺地域を巻き込んだ大型投資に勝算はあるのでしょうか?
株式会社西武ホールディングス
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11月15日、東京・千代田区。
プロ野球「埼玉西武ライオンズ」のオーナーを兼務する西武ホールディングスの後藤高志社長が発表したのが、
これまでの球場にない新しい価値を提供することで新たなお客様にも来場いただけるボールパークに生まれ変わるべく改修計画を実施する。
ライオンズの本拠地「メットライフドーム」とその周辺施設の大規模な改修計画です。
現在は売店などが並ぶ通路の外側には飲食店などが入るビルを新たに整備。デッキを通じて球場と直結させます。
さらにバックネット裏には地下を掘り下げてVIPラウンジを新設。収容人員は430人と国内最大級です。
また設備の老朽化対策も。会場以来40年近く使われている観客席は新しいものに入れ替え音響や空調にも最新の設備を導入します。
西武ホールディングスが2021年までに順次行う改修の投資額は約180億円。
過去最大の投資に踏み切る背景にはプロ野球ビジネスの大きな変化があります。
プロ野球ビジネス
かつては一部の球団に人気が集中し大半のチームが赤字に苦しんでいましたが、ここ数年で地域密着が進み入場者数は過去最高を更新、史上初めて2,500万人を突破。
球場の稼働率や客単価が収益に直結するためこれまで以上に球場の魅力が重要になっているのです。
球場を生かしたビジネスで成功をしたのが横浜DeNAベイスターズです。
2016年に本拠地、横浜スタジアムの株式を取得し周辺施設と一帯で再開発を進めまています。
2015年度に営業赤字だったDeNAのスポーツ事業は球場を子会社化した翌年度には早くも黒字化。
2017年4月から9月は44億円の営業黒字と収益を大きく伸ばし、いまやゲーム事業に次ぐ第二の柱となっているのです。
埼玉西武ライオンズ
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ライオンズはチーム発足以降、毎年赤字が続き、2000年代半ばには球団の売却観測も浮上。
そこから地道な経営努力で観客動員を増やし、2011年度以降は営業黒字を確保しています。
西武ホールディングスは今回の大型投資をレジャー事業強化の象徴と位置づけています。
球場の魅力をさらに高めることで飲食やグッズによる客単価をあげ「稼げる球団経営」を確立する狙いです。
後藤社長は、
スポーツビジネス、野球ビジネスをさらにバリューアップしていきたい。今回の投資計画を大きな飛躍として野球ビジネスを進化させていきたい。それは必ず達成できると確信しているし最大限の努力を傾注していく。