セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ・ワールドワイド・ジャパン株式会社
東京・渋谷のあるコーヒーショップに社員を連れて入ってきた男性。
この店舗、セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ・ワールドワイド・ジャパン株式会社の森聡郎社長です。
「セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ」と言えばイタリア発の本格コーヒーショップとして世界に400店舗以上展開、日本でもフランチャイズ展開して33店舗で営業中です。エスプレッソが人気です。
森聡郎社長は、いま新しい出店計画に追われていました。
極小店舗を初めて日本に導入しようとしている。
テイクアウト専門の小型点を今後2年間で16店舗も出店する計画なんです。
スイスなどヨーロッパでは多く展開している形態で店員一人で運営でき、これを日本でも導入します。というのも今、新しく店を出すには多くの壁があるからです。
日本では今、人材不足が深刻なので、極小店舗にして1人でもオペレーションできるようにしたい。
アルバイトの平均時給が1,003円と初めて1,000円を超えるなど人材不足による人件費の高騰がハードルになりつつあります。
さらに都心の不動産賃料の上昇、3年で約20%も上昇。これまでの店の広さでは出店できなくなっているのです。
運営費の高騰はフランチャイズ展開する企業にとっては大きな足枷になっています。
できるだけ投資を小さくすることで。フランチャイズの皆さんが開店しやすくするのが使命だと思って、小型店を日本に持ってこようと思う。
ズッパ・ディ・パスタ
他にも大手、株式会社サイゼリヤが10月からテイクアウト専門の別ブランドを展開するなど、外食産業では小型店化が大きな流れとなっています。
株式会社梅の花
小型化の流れは大型店舗でも起こっています。全国に80店舗展開している和食レストラン「梅の花」。
「梅の花」と言えば、これまで400平方メートル以上の大きな店が特徴。家族連れがお座敷で会席料理を楽しむスタイルでした。
しかし、10月にオープンしたお店。広さを従来店より2~3割小さくしたお店を今年から出店し始めました。
特徴は和室ではなくテーブル席がメインのお店づくり。靴を脱ぐ和室を減らすことで下駄箱などのスペースが不要となり小さな面積でも出店できるスタイルに変更したのです。
人材不足も配膳オペレーションの見直しで解決。これまで一品ごとに厨房から運んでいましたが、中継スペースにまとめて料理を運んでおけば厨房に戻る手間が省けます。
これまでより3割少ない人数で運営できるようになりました。
さらに今回、小型の店作りにしたのは理由がありました。
株式会社梅の花の相原陽介さんによると、
友人同士の少人数利用が増えている。
少子高齢化に伴い、お客様の利用スタイルも変わりつつあるのです。
小さいサイズの店舗展開ならスピードを持って、5年後には全体で100店舗にしたい。
落とし穴
しかし、そこには意外な落とし穴があると月間飲食店経営の毛利英昭編集長は言います。
小さい店で高回転にして売上を作る。しかし郊外のロードサイドに小さい店を出しても、なかなか集客力はつくれない。駅前で店舗を探そうとすると競合が別の業界から出てくる。携帯ショップもそうだが、こういった課題がある。
各社、生き残りをかけた小型化店舗戦略。この駆け引きはいま始まったばかりです。
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