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[WBS] ブランド農作物が海外に流出!「タネを守れ」法案に賛否!

2020年11月13日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

美味しそうな果物や野菜が並んでいます。

日本で開発された高級ブドウのシャインマスカット。

日本生まれで甘みが強いことで有名な紅はるか。

いずれも知的財産として登録されたブランド品種ですが、実は不正に海外に流出するケースが相次いでいます。

こうした海外流出を防ごうといま国会である法案の審議が始まりましたが火種となっています。

種苗法改正案

韓国南西部の海南。

人気があるサツマイモの一大生産地です。

今年2月、農家の倉庫を訪ねるとうず高く積まれたサツマイモが…

日本では紅はるかと呼ばれているが韓国では蜂蜜サツマイモと言うんだ。

このサツマイモ、日本の紅はるかだと言うのです。

農林水産省の調査によると今や日本から流出したと見られる36の登録品種が韓国や中国で売られていることが分かっています。

日本政府はこうした海外流出を防ぐため、ある法案の成立を急いでいます。

それが種苗法改正案

新しい登録品種を無断で海外に持ち出すなどした場合、生産・販売の差し止めや罰金の対象とするものです。

ただ「農家が窮地に立たされる」などとSNS上で反対意見が続出し、前の国会での審議は先送りに。

今の国会に持ち込まれました。

一体何が懸念されるのか…

ある映画の上映が11月13日から始まりました。

法案が生産者に与える影響を描いたドキュメンタリー映画「タネは誰のもの」。

問題提議しているのは自家増殖と呼ばれる生産方法への制限です。

生産者は登録品種の開発者などから種や苗を購入して栽培します。

その後、収穫したものから種子などを取って次の栽培に使用してきました。

今回の法案では海外流出のリスクが増すとして生産者による自家増殖を制限しているため生産者は毎回種を買わなければならなくなるのです。

11月12日の国会審議でも…

立憲民主党の宮川伸衆院議員、

今回なぜ自家増殖まで手を伸ばさないと海外流出が止まらないのか?

野上農林水産省、

登録品種の自家増殖については開発者の許諾を必要として、海外の持ち出しや持ち出しを目的とする者への販売を禁止する。

この許諾要件を明確にすることで農業者が許諾されていない行為を正しく理解することや故意に許諾内容に違反し、販売を行った場合の立証は容易になる。

これは海外流出の防止に効果があると考える。

国会周辺では生産者などが集まり法案に反対するデモが。

イチゴやサツマイモを自家増殖している人はものすごく脅威に思っている。

1ヘクタールで3万本苗が必要。それを買うのは大変な金額になる。

買うとなるとどんな苗がきちんと来るのか保証がない。

農林水産省は制限される登録品種は農作物全体の1割程度で影響は少ないと説明します。

この法案は週明けにも衆議院を通過し、参議院に送られる見込みです。

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