いまマーケットで起こっているリアルな事柄をお伝えする「Marketリアル」。
今回取り上げるのは警備業界最大手のセコムです。
そのセコムですがコロナ禍でセキュリティ事業の需要が縮む中、2020年度は減収減益でした。株価も1万円を超えていた去年11月より現在は2,000円ほど下げています。
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厳しい経営環境の中、次の成長への道筋をどのように考えているのでしょうか、尾関一郎社長に話を聞きました。
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セコム株式会社
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8月上旬。
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東京オリンピックが開かれていた会場には周辺を厳重に警備する警察、そして自衛隊が…
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さらに全国500社以上の警備会社から1日あたり最大1万8,000人の警備員が配置されていました。
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そのうち2,500人分を担ったのが警備業界最大手のセコム。
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「受付がない。」
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いらっしゃいませ、豊島様ですね。
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お待ちしておりました。
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「尾関社長と約束があるのですが。」
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承っております。
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すぐに参りますので少々お待ちください。
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今年サービス開始予定のバーチャル警備員 愛(AI)さん。
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尾関社長が呼び出され、お出迎え。
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「受付にバーチャル警備員を置いた理由は?」
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警備員の業務負荷の軽減、コストの低減。
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なるべくリアルの警備員に近づける。
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実は1964年の東京オリンピックで警備を担当したことがセコムの飛躍につながりました。
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そして2回目の今回…
あちらに見えるのが新国立競技場。
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「『無観客』は収益面でマイナスか?」
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そういう質問を時々いただくが収益面では全く影響はない。
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55年前に日本で初めてオンライン・セキュリティシステムを開発したのがセコム。
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今や国内のセキュリティ契約は250万件以上で業界トップ。
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売上高は1兆円を超えています。しかし、2020年度は減収減益でした。
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株価は一時つけた1万円を回復していません。
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「株価は1年ほど低迷、投資家にどう説明する?」
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昨年の1回目の緊急事態宣言で世の中の動きがパタリと止まった。
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残念ながらその影響を受けて減収減益の決算。
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コロナ禍でテレワークが進み、監視カメラなどの販売が落ち込みました。
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苦境のセキュリティ事業ですが今大きな転換点にあるといいます。
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「今後のセキュリティ事業のカギを握るのは何か?」
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これからのセキュリティ事業には高い技術力が求められていく。
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1つはAIを駆使した技術。もう1つは高性能のセンサーを駆使した技術。
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テック企業として成長していくことも考えていかなければならない。
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セキュリティテック企業
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警備会社からテック企業へ。
その開発の拠点が三鷹市にあるセコム開発センター。
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研究・開発者はおよそ400人に上ります。
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実はセコム最大の強みはセンサーやロボットを全て自社開発していることなのです。
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今回、特別にモーサテのカメラが入りました。
セコムが開発中の最新のセキュリティロボット「cocobo」です。
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今年発売予定の完全自律走行のセキュリティロボット。
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例えばこのアームでは熱画像センサーやカメラを通じ、AIによって自販機の下などの不審物を発見、通報します。
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6台のカメラと14個のセンサーを搭載しています。
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セコムの技術開発本部、藤井清人さん。
カメラがとらえた映像をAI解析し、不審者や不審物を通報するのが最大の特徴。
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どのような性能なのか試してみます。テスト用の包丁を持ち…
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まずは包丁を隠して近寄ります。そして近づいたところで包丁を出すと…
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即座に映像をAIで解析し、包丁を認識。危険物として通報します。
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私がロボットに襲いかかるとどうなるんでしょうか?
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警告に従わない場合、不審者に対しては爆音と煙で威嚇します。
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煙は犯行を諦めさせるためで人体に影響はありません。
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さらにセコムでは2015年に警備業界で初めて独自開発のドローンを使い刑務所などの警備を始めました。
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そして今、次世代型のドローンも開発中です。自生台型ドローンの開発現場を取材しました。
あちらがセコムの次世代のドローンです。
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最新式のドローン。この日、航空測量大手のパスコと共同実験を行っていました。
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これが従来のドローン。そしてこちらが極秘で開発中の次世代型ドローンです。
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「従来機と比べて性能は?」
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セコムの技術開発本部の尾坐幸一さん。
いままでは画像を撮るだけだったが次世代型は映像を解析し、人や車両をAIを使って検出する。
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人物を追跡するというコマンドを入れると、それがドローンに伝わって自動的に追跡する。
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警備業開初、完全自律飛行の追跡ドローン。
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またまた不審者を演じる豊島キャスター。果たして逃げ切れるか…
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追いかける次世代型ドローン。飛行速度は従来の2倍以上です。
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豊島キャスターを完全にロックオンしたドローン。どこまでもついていきます。
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物陰に隠れてもお見通し。
諦めて帰ってきました。ドローンの圧勝です。
さらに高精度の3次元地形データを備え、木や高圧線などを避けながら飛行できます。
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実証実験真っ最中の次世代型ドローン、今年中の稼働を目指しています。
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センサー独自開発
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こうしたAI技術に加え、もう1つの柱と位置づけるのが最新のセンサー技術の開発。
それを生かした1つが6月に開始した安否見守りサービス。
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家に取り付けたセンサーが人の生活リムズムを検知。安否状況を家族のスマホに知らせてくれます。
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さらに…
こちらは何でしょうか、ソファとベッドが置いてあります。
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何の実験をしているかというと…
距離画像センサー。
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例えば部屋の中を歩いている場合、センサーが検知し、人の位置とその軌跡を表示。3Dデータから動きの量を算出します。
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万が一転倒した場合はアラートを出し、通知を送ることができます。
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さらに…
「床に倒れて『checking』になっているが?」
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セコムの技術開発本部、清水涼香さん。
体が全く動いていなくて危ない状態にあるかもしれないと判定している状況。
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一方、こちらは身体の健康情報を取得するマイクロ波センサー。
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呼吸数や心拍数などから体の異常を検出する他、健康管理に活用します。
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さらに360度画像センサーも実証実験中。
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これらは来年以降、順次サービスを開始する予定です。
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テクノロジーで進化する警備。その技術をテコにセコムが次なる成長を図るのがアジアを中心に13の国と地域で展開する海外事業です。
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「いま海外売上高比率5%、今後拡大は?」
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海外は日系企業中心の取引で現地のマーケットに入りきれていない。
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次のステップは20%を目指したい。
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公言しちゃいましたね。
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