いま世界経済に大きな影響を与えているのが原油価格の急上昇です。
指標となるWTI(ニューヨーク原油先物)は一時82ドルと7年ぶりの高値水準を付けています。
さらにこの原油高は株安と円安も引き起こしていて日本の家計を直撃しそうです。
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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ガソリンやプラスチックなどあらゆるものの原料となる原油。
世界的な経済再開とともに需要が急拡大していることからその価格は上がり続けています。
澤村耕太郎記者。
今日の東京市場。原油の先物が値上がりし2018年10月ぶりの高値を付けました。
11日にアメリカの代表的な原油であるWTIの先物価格が上昇したのにつられ10月12日の東京市場でも中東産原油の先物も3年ぶりの高値に。今年の初めと比べ1.7倍と急激な値上がりです。
こうした原油高を受け、株式市場では国内の企業が負担するコストが上昇するとの懸念が拡大。
日経平均株価は10月12日に267円下落しました。
さらに原油高の影響は為替にも…
木下幸太郎記者。
東京為替市場では円安ドル高が続いています。今日は一時1ドル113円台を付けました。
円安ドル高が進み10月12日に2年10ヵ月ぶりに1ドル113円台を突破。
原油高で物価の上昇が進むことでアメリカで政策金利が早い時期に引き上げられるのではとの思惑から市場で金利が上昇し、日米の金利差が広がりドル買いの動きが加速したのです。
SBIリクイディティ・マーケットの竹内友浩さん。
金利の先高観は引き続きある。
ドル一段高というのは金利上昇に伴ってありえる。
年末まで114円台から115円台が一つ視野に入ってくる。
原油高と円安のダブルパンチを受け、企業の仕入れ価格は高騰しています。
企業同士で取引されるモノの価格を示した9月の企業物価指数は1年前に比べ6.3%のプラスと実に13年ぶりの伸びとなりました。
さらに輸入物価は前の年から30%以上上昇していて、これ以上円安が続けば今後一段と上る可能性があります。
あるワインの輸入業者は…
エネルギー高はさらなる運賃コスト上昇のリスクとして心配している。
為替も1ドル=120円程度まで進めば価格の見直しも検討しなければ。
専門家は原油高や円安が続けば電気やガスなど光熱費をはじめ身近なものやサービスなどで値上げが起こる可能性があるといいます。
フィスコのシニアエコノミスト、高辻成彦さん。
スーパーは今月から値上げがされている。電力関係も値上げを発表している。
今後価格転嫁が起きやすいのは輸送費。身近では通販。
だいぶ普及している小口配送。コスト(配送料)もゆくゆく上がりかねない。