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[WBS] 新型肺炎検査、民間委託へ!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日本では発熱などの症状があるにもかかわらず新型肺炎の検査が受けられない、いわゆる検査難民が問題となっています。

検査体制強化のため厚生労働省は新たな対策に乗り出しました。

厚生労働省

厚労省担当の小野鉄太郎記者、

これまで公的機関を中心に行われてきた新型コロナウイルスのPCR検査ですが、厚労省は今夜、説明会を開いて民間に本格的な協力を求めました。

加藤厚労大臣、

不安にしっかり応えるためにも検査機関や医療機関の力を借り、PCR検査の実施体制の充実を図っていく必要がある。

2月28日の説明会には実際にPCR検査を受注する可能性のある大学や医療機関、民間の検査会社などからおよそ100人が参加しました。

参加者からは「検査を受け入れる際の手続きを簡単にしてほしい」「検査の試薬を十分に供給してほしい」などの意見が出ました。

このうち試薬については参加した外資系の製薬会社から「日本向けに1日1万件程度は供できる」という提案もあったそうです。

また厚労省が検討しているPCR検査の保険適応に関連して、決定した場合の検査費用はおよそ1万8,000円となることが示されました。

患者の負担分は3割なのでおよそ5,400円かかることになります。

ただ、当面は国が補助などでこの分を補填し、患者の負担を実質ゼロにすることを検討しています。

価格が決定することによってどの程度の利益が得られるかなどのめども立ち、民間の企業は参入しやすくなります。

厚労省幹部は大学や企業が積極的に参加するようになれば効果は少なからずあると期待感を示しています。

一方、お隣の韓国では新型肺炎の検査が日本に比べて進んでいるようです。

この他、2月28日も株式市場や気になる市民生活など新型肺炎の影響を各地で取材しました。

コロナ検査世界では?ドライブスルー方式登場!

韓国

感染者が2月28日、ついに2,000人を超えた韓国。

ただ、感染の有無を調べるウイルス検査の体制は日本よりはるかに進んでいます。

ソウル支局の横堀拓也記者、

こちらでは車が続々と入ってきてて、この先に長い列ができています。この列はすべて新型肺炎の検査を受けるために並んでいます。

車の列をたどっていくと、その先にあるのは駐車場に設けられた巨大なテント。

実はここ、ドライブスルー方式で日本と同じPCR法のウイルス検査を受けられる屋外診療所なのです。

検査を希望する人がここを訪れると車に乗ったまま医療スタッフとの面談や体温測定、鼻と口からの検体採取までできます。

最初の面談で検体の採取まで必要ないと判断されればその場で検査は終了です。

検査を受けた人は、

症状のある人、ない人を選別して迅速に検査を受けられるのでとてもいい。

受け付けから検体採取までかかる時間は10分程度。結果は数日後に通知されます。

高陽市の李載俊市長は、

待合室での感染が疑われる患者間の感染を防ぎながら迅速に検査ができる。

患者と医療スタッフの接触も最小限に抑えられる。

韓国では他にも病院の屋外など全国のおよそ500ヵ所に検体の採取場所を設け、民間を含めた100ヵ所ほどの機関で結果を分析しています。

ここ数日は1日の検査件数が1万2,000件を超えています。

韓国保険当局、

韓国は積極的に感染者を探しているので他の国より検査件数は非常に多い。

中国

新型コロナウイルスが最初に発生した中国でも…

北京支局の山口博之記者、

北京中心部の病院です。マスクを付けた人たちが出入りしています。門のところには「発熱外来」と書かれた案内も確認できます。

発熱外来という新型肺炎専門の窓口は北京市だけでも76の病院で開設されていて、ほぼ全てが24時間体制で対応しています。

中国の病院関係者、

窓口を訪れる人は多いが、具合が悪ければ遠慮なく受診してほしい。

中国メディアによると中国では1日に5万人以上が検査できる体制だといいます。

日本

一方、日本では…

一瞬体温が40度になった。結局へんとう炎だったが。

一応保健所に電話したが熱も下がったので検査できないと言われた。

もっと全部、全域で受けられるようになった方がいい。

角田外科消化器科医院

[blogcard url="http://kakutaclinic.com/"]

実際に日々患者と接する診療所では新型肺炎にどう対応しているのでしょうか?

受付には「発熱などがある方は申し出てください」との張り紙。

新型肺炎が疑われる患者が来た場合、まずマスクをするように指示。問診などをした上で場合によってはレントゲンを撮影します。

角田徹医師、

ここの右下のところ、白くなっているのが分かるか?

ここが肺炎になっている。

ある患者は新型肺炎が強く疑われたといいます。

その場合、医師から地域の保健所に検査を依頼するのですが…

電話番号は一般の人も医療機関も一緒。

不安で電話をかける人がいるので、あの番号にはなかなかつながらない。

なぜ日本では希望しても検査を受けられないケースが続出しているのでしょうか?

特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所

[blogcard url="https://www.megri.or.jp/"]

専門家は…

医療ガバナンス研究所の上昌広氏、

キーは国立感染症研究所。

厚生労働省は感染研に検査を委託して中心になってやってきた。

民間会社を活用すべきだと加藤厚労大臣が言ったが感染研から委託する形を取る。

わざわ感染研を入れる必要がない。

感染研が仕切りたいのだろうと思う。

上氏は検査体制の拡充が日本国内でのパンデミックを防ぐ最大のカギになると主張します。

治療の基本はどんな病気でも早期診断、早期治療。

軽症で風邪かどうかわからないが、がんばって満員電車に乗って、職場に行って、周囲にまき散らす。

そういう人を検査することで感染拡大を防げる可能性が高い。

わずか15分でウイルス検出!ベンチャーが勧める新技術!

株式会社VisGene

[blogcard url="https://www.visgene.com/"]

早期診断・早期診療に必要なウイルス検査の新技術の開発は実は急ピッチで進んでいます。

ビズジーンの辻野泰充CFO、

今回試薬が完成したので紹介します。

これを診断キットに塗布することで新型コロナウイルスを検出することができる。

大阪大学発のベンチャービズジーンはデング熱用に開発していた簡易キットを新型肺炎にも適用できるのではないかと2月から開発を始めました。

それからわずか2週間、できた試薬はコロナウイルスが持っている遺伝子にくっつくと赤く色が出る特殊な液体です。

検査方法は綿棒などで鼻水を採取し、綿棒を専用液に入れ、キットに滴下するだけ。

15分ほど待ち、赤い線が2本た場合、陽性ということになります。

一般的なインフルエンザ検査などと同じ方法です。

医者に見てもらったその場で検査することができる。

安くて簡単なので使ってもらえると思う。

1セット1,500円で配る予定で、3割負担の場合は450円で検査が受けられます。

しかし、

ウイルスは手に入ってない。

ウイルスがないと最終的にこのキットがうまく検査できるかわからない。

キットが使えるか、最終的に確認するためには新型コロナウイルスに感染した患者から採取した痰や鼻水など、いわゆる検体で試さなければいけません。

要請しているもののまだ手に入っていないといいます。

そうした中、理化学研究所と神奈川県は2月27日、10分から30分で検出でき、すでに有用性も確認済みだという試薬を発表しました。

神奈川県はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染者の検体を持っていたため、検体を使った試験ができたのです。

一方、多くの製薬会社が検体を依頼している国立感染症研究所は原則検体を提供しておらず、開発に支障をきたしているところも多いのが現状です。

ビズジーンでは、

検体が届いた段階ですぐにキットとして試せるようにいろいろなパターンのキットを作ろうとしている。

検体が届いたタイミングですぐにテストができる様に試薬の量や濃度を変えたキットを何パターンか用意するために2月28日からクラウンドファンディングで支援を募ります。

株価急落円高進行!

新型肺炎をめぐる混乱は世界の株式市場も揺るがしています。

ニューヨーク株式市場

27日のニューヨーク株式市場ではダウは前の日に比べ1,190ドル下落。過去最大の下げ幅を記録しました。

12日に過去最高値を更新してから3,700ドル以上値を下げています。

東京株式市場

28日の東京株式市場でも…

日経平均株価、大幅に下落しています。下げ幅は一時1,000円を超えました。

一時は2万1,000円を割り込む展開。

終値は前の日より805円安い2万1,142円とおよそ半年ぶりの安値を付けました。

日経平均のこの1週間の下げ幅はリーマン・ショック直後以来となる大きさです。

上海市場

上海でも…

上海支局の谷口康輔記者、

上海証券取引所に来ました。今日は上海株も一時3%を超える下落となりました。

アジアや欧米も含めた世界同時株安の様相が一段と深まっています。

投資家はリスクを避ける動きを強め債券市場に資金が流れ込んでいます。

アメリカの長期金利は過去最低の水準を更新。

外国為替市場では金利が下がったドルが売られ、円が買われる展開となっています。

トイレットペーパー不足も!

株式会社プラスワンショップ

[blogcard url="https://www.plus1shop.net/"]

新型肺炎による混乱は街中でも…

プラスワン・ショップの河合徹店長、

ティッシュやトイレットペーパーは完売。

こちらの店舗ではトイレットペーパーなどが夕方にはすべて完売してしまったといいます。

問屋もパニック状態だと思う。今後も未定としか言いようがない。

トイレットペーパーあるかなーと思って。

すいません。もう完売で。

皆さんあるのかな…あるなら買うなよって言いたい。

一方、こちらでは…

ティッシュペーパーやトイレットペーパーは1人につき1点とさせていただきます。

周辺店舗が完売している中、商品が残っている店にはお客様が集まっていました。

購入した男性は何軒も探し回り、ようやく購入できたといいます。

他のドラッグストアは売り切れで近所を探しても無く、ここで購入した。

いつ収束して入荷するかわからない。あれば買っておこうと。

街中からトイレットペーパーが消えた理由は「マスクの増産でトイレットペーパーの原材料が不足する」という誤った情報が拡散したためだといいます。

製紙業者でつくる団体は「商品はある程度あるから落ち着いて行動を」、特にティッシュは在庫がだぶついていると呼びかけています。

またティッシュなど紙製品だけでなく、食料品も買いだめが起こるなど混乱は続いています。

「臨時休校」で波紋広がる!突然の決定に批判の声も!

東京都立白鴎高等学校・附属中学校

[blogcard url="http://hakuo.ed.jp/web/"]

こうした混乱の一因となっているのが…

新型コロナウイルス感染症対策として3月2日から24日まで一斉に臨時休校することになりました。

国が出した全国の学校の休校要請。

都内のこちらの高校では来月2日から春休みまでの間の休校を決定しました。

都立白鴎高校の善本久子校長、

一斉休校は37年間で初めてです。

重大な危機に迅速に対応する意味でやむを得ない。

街でも様々な声が上がっています。

戸惑いはある。仕事をしている人が子どもの預け先に困る。

もちろん喜んでいる人もいる。

明日テストだったが今日休校が決まって今まで勉強していたので悔しい。

これから友達と会って楽しい時期だけど、それがなくなるのが悲しい。

政府からの突然の要請にすべての自治体の足並みが揃っているわけではありません。

千葉市の熊谷俊人市長は自身のtwitterで、

衝撃の報道。全国一斉春休みまで休校...いくらなんでも...。医療関係者など社会を支えている職種の親はどうするのか。社会が崩壊しかねません。

と国の方針を批判。

千葉市や小中学校や高校の休校を決めましたが、千葉市同様、国の要請に戸惑う自治体もあるようです。

感染者が確認されていない島根県や沖縄県石垣市など一部の自治体では休校の見送りを決めました。

安倍総理、

この要請は法的拘束力を有するものではなく、最終的な判断は地方自治体や学校法人が行う。

各学校や地域で柔軟に判断してもらいたい。

2月28日も国内の感染者は増加。

静岡県で初めての感染が確認されました。

また和歌山県の70代の男性、クルーズ船に乗っていた東京都の70代の女性とイギリス国籍の男性が死亡しました。

海外ではイランの副大統領の感染が確認され、閣僚や政府高官への感染拡大が懸念されています。

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