サラヤ株式会社
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誰もが目にしたことのある緑色の液体石鹸、商品名は「シャボネット」。
60年以上も日本人に親しまれている手洗い石鹸です。
シャボネットの原料はアブラヤシというヤシの実から取る油。
しかし、更家悠介社長によると
環境に優しいと言っているけども、実は環境に悪いのではないかと。
環境に良いはずが、環境に悪い?
突然の危機に会社が取った行動は?
シャボネット
ロングセラー研究員が向かったのは大阪に本社があるサラヤ株式会社。
1952年創業のサラヤ株式会社は、その年にヤシ油を原料とした緑色の液体石鹸「シャボネット」を開発しました。
原料となるヤシ油、そこに苛性カリという液体と水で石鹸を作ります。
ポイントは殺菌剤と緑の色素を加えることです。
やはり殺菌効果が必要。当時は赤痢がすごく日本で流行っていて赤痢の予防には、まず手洗いだと。
サラヤ株式会社は学校などを中心に手洗いの必然性を提案。
当時、殺菌剤の入った初めての石鹸。
先制の心を掴むと、瞬く間に全国に普及するヒット商品になりました。
緑色
それにしても、なぜ緑色なのか?
緑は安全の色というので緑色をつけた。
工事現場の安全第一、そして信号など緑は安全を象徴する色です。
分析1・殺菌効果と安全の緑色で赤痢の予防。
環境問題
1960年代以降、高度成長期を迎えた日本では環境問題が叫ばれるようになりました。
シャボネットは手肌も荒れず、排水が河川などに影響を与えない地球環境に優しい自然派石鹸として販路は伸びました。
しかし、順調だったシャボネットに危機が訪れます。
パーム油、つまりヤシ油は「環境に優しい」ということに異論が出始めました。
シャボネットの派生品、同じくヤシ油を使っていた「ヤシノミ洗剤」が自然を破壊していると指摘されたのです。
本当かなと思って、言われて実際、気が付いていなかった。
実は世界的にヤシ油の需要が伸び、原産国でヤシの伐採が進んでいました。
その結果、象やオラウータンが住む森がなくなっていたのです。
原産国の実情を初めて知ったサラヤ株式会社。
苦情の電話は絶えることはありませんでした。
いままで環境に優しいと思って使っていた、環境破壊とは何事だ。
他の原料はないの?動物がかわいそう、もう買わないわ。
このままではシャボネットにも影響が出る。
更家悠介社長自ら陣頭指揮を取り、植林や動物保護で森を復活させました。
今も売上の1%を寄付し続けています。
危機を乗り越えたシャボネットの売上は伸び、2015年は25億円を超えました。
分析2・原産国の環境保全を支援することで信頼回復。
次なる目標
更家悠介社長の次なる目標は、
これからアジアで衛生習慣はニーズが高まると思っている。特に途上国でニーズがある。ニーズを拾いながら発展していきたい。
シャボネットから始まったヤシの実の製品は300を超え、377億円を売り上げるまでに成長しました。
アジア進出を図り、シャボネットで世界企業を目指します。