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[WBS] 脱炭素化への挑戦!画期的!うどんで発電!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

いま深刻になっているオーストラリアの森林火災。数万匹のコアラが焼死したともいわれていますが…

火災の原因は高温と乾燥ということで地球温暖化の影響ではと危惧を覚える方も多いのではないでしょうか。

世界で環境への意識が高まる中、日本ではなんと「うどん」を使うなど新たな温暖化対策が始まっています。

さぬき麺業株式会社

[blogcard url="http://www.sanukiudon.co.jp/"]

瀬戸内海に面した香川県高松市。

全国に8店舗を構えるうどんの人気店「さぬき麺業」。

讃岐うどんの魅力はそのコシの強さ。

香川県はうどんの消費量日本一を誇るうどん県です。

「どれくらい食べる?」

週半分、3、4日は食べる。

毎日だろ。

しかし、ある悩みが…

さぬき麺業の香川政明社長、

包丁で切っているとどうしても短い麺が出る。

下に落ちたうどんはもう使えない。

麺を切り出す際に出る大量のうどんの切れ端。

廃棄される切れ端は年間150トンにものぼり、処分に350万円もの費用がかかるといいます。

いまそのうどんの切れ端を使った新たな取り組みが始まっていました。

車を走らせることおよそ30分。

向かった先は産業機械メーカーのちよだ製作所です。

株式会社ちよだ製作所

[blogcard url="http://www.chiyoda-mfg.jp/"]

香川社長が持ち込んだ切れ端の横には巨大な装置が…

うどんから電気を起こす。

ちよだ製作所ではうどん店から切れ端を集め、発電するプロジェクトを進めているのです。

集められた切れ端を破砕機に投入。

高速回転する刃で数ミリほどまでうどんを刻みます。

刻まれたうどんは水分を含ませ巨大なタンクの中へ。37度で保温し、発酵させることでメタンガスは発生。

タービンが回り、電気を起こします。

ちよだ製作所の技術開発営業、尾嵜哲夫さん、

年間で40~50世帯くらいの電気がこの機械で発電できる。

メタンガスを吐き出した後の汚泥はうどんの材料となる小麦畑の肥料となるため廃棄物は一切出ないといいます。

もともと水分の多い食品廃棄物は燃やしていた。

燃やさないことで石油が削減できる。

うどん発電で電気が生まれる。CO2が削減できる。

地球温暖化の原因とされる大気中の二酸化炭素濃度は観測以来最高記録を更新し続けています。

ある観測地点ではわずか31年で17%も上昇しているのです。

世界初!近未来の帆船!

脱炭素化を語る上で欠かすことのできない業界があります。

番組ディレクターは空の上から取材しました。

松山拓生記者、

いま東京湾にはかなり大きな貨物船がいくつも浮かんでいます。これらの燃料となっているのは重油で、多くの二酸化炭素を出すことが問題となっています。

輸出入品の99.7%を担う海運業界。

2050年までに温室効果ガスを2008年度比べて半分に削減するという国際的な目標を掲げています。

船の燃料に使われる重油は原油からガソリンや灯油などを抽出した後に残った不純物の多い油です。

二酸化炭素を多く排出するため対策が急がれます。

九州大学

[blogcard url="https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/"]

そんな中、脱炭素化を図る取り組みが九州大学で進んでいました。

実験棟の中にあったのは船の性能を研究する巨大なプールです。

そこには海運会社「商船三井」の社員の姿が…

株式会社商船三井

[blogcard url="https://www.mol.co.jp/"]

燃料の消費量が半分になるとなればかなりインパクトは大きい。

プロジェクトのリーダー、菅野一彦さんです。

開発を進めているのが世界初の技術を使った風で走る船です。

基本的にはエンジンを使うが、この帆でエンジンの補助を行う。

こちらは実験の映像。

送風機から出た風を帆が受け止め、船が前に進んでいます。

さらに驚きの光景が…

船の前から風が吹いていますが、船は風に向かって前に進んでいます。

この帆は飛行機の翼の形をしているので前から風が来ても推進力に変えることができる。

向かい風でも前に進める。

長崎県佐世保市に移動すると…

幅8メートル、高さ20メートルの巨大な帆が完成していました。

実証機は3段だが実際に船に搭載するときは4段。

船が航行するとき風に合わせて自動で伸縮する。

実はこの帆、風を受ける量をコンピューターが計測して自動で伸び縮み。

さらに船がより前に進むよう帆の向きを自動で回転します。

この帆を1本搭載した場合、日本とオーストラリアを結ぶ航路では燃料を5%削減できます。

これまで往復で900トンほどの重油が必要でしたが、およそ45トン削減できるといいます。

帆を複数付ければ本数に比例した燃費の向上が見込めます。

2022年中には帆が付いた貨物船の実用化がスタートします。

環境に配慮し安全に多くの貨物を輸送するのが日本の海運会社の役割。

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