2017年はおよそ50年ぶりの大不漁に見舞われ価格が高騰したサンマ。
しかし今年は一転、安くて美味しいサンマをたくさん食べることができそうです。
久々にサンマの豊漁に湧く現場を取材しました。

サンマ
午前4時すぎ。

大型船が入ってきました。

北海道根室市の花咲港。

カモメが舞う中、入港してきたのは秋の味覚「サンマ」を大量に積んだ漁船です。

8月28日は今シーズンで最も多いおよそ1,400トンものサンマが水揚げされました。

第81豊清丸の中舘捷夫さん、
8月でこれだけの量があるのは記憶にない。

例年にないよな魚の太みもあるしサイズも最高。

サンマ漁は8月20日から大型船による漁が解禁され好調な水揚げが続いています。

花咲卸売市場では先週1キロおよそ800円だったサンマが8月28日は3分の1以下の230円前後。

市内では規格外の小さなサンマを無料で振る舞う鮮魚店まで。
今後も豊漁が続く見通しです。
歯舞漁協花咲市場の鈴木祥高部長は、
消費者の皆さんが買いやすい食べやすい値段になっていくという思いがある。

たくさん食べてもらいたい。

居酒屋 秋刀魚
都内のサンマ専門店では…

北海道から届いた朝どれサンマを使った塩焼き定食が8月28日から始まりました。

脂がのってめちゃくちゃおいしいです。

今年食べたサンマで一番おいしいです。

きれいでしょ。

身もこんなに太っている。

魚の目利きをして60年の山風呂秀一さんも今年のサンマには太鼓判を押します。

今年のサンマは最高にいい。

今の時期でこんなに脂がのるのは珍しい。

プリプリしている身が。

新サンマ塩焼き定食は1,000円。

2017年は不漁で仕入れ値が高く赤字覚悟で提供していました。

しかし今年は値下げも検討しているといいます。

今年はサンマがだいぶ取れるのではないかと期待している。

株式会社大戸屋
[blogcard url="https://www.ootoya.com/"]
サンマ豊漁に湧くのは外食チェーンの大戸屋でも。

厨房に入るとありました、サンマです。
来月から販売するサンマの炭火焼きです。

9月3日から販売するのが北海道の根室沖で取れたサンマをじっくり焼き上げた定食。

星佑紀記者は、
身もふっくらしていて、しっかり脂がのっているのを感じます。

サンマはこれまで大戸屋の人気メニューでしたが2017年は小ぶりのものしか提供できず販売から6日目で30円の値下げ。
さらにその後、在庫不足による販売休止と苦戦を強いられました。

大戸屋ホールディングス商品開発本部の金澤徹部長、
去年は例年になく厳しい年だった。

やっとサンマを安定して出せる。

去年の状況から一転、今年は大きく質のいいサンマを多く仕入れられることが見込めたため大戸屋では先週急きょサンマ定食の販売を決めたといいます。

お客様に待ってもらっているのでいち早く出していきたい。

お客様の期待は高いので大戸屋もそれに応え継続性をもってやっていきたい。

株式会社シュン
[blogcard url="http://www.sakanaya-shun.net/"]
一方、鮮魚店では…

新鮮なサンマがいっぱい並んでいますね。

8月28日に入荷された北海道産のサンマが箱いっぱいに。

こちらでは160グラム以上の比較的大きなサンマを仕入れていて今日は1匹290円で販売していました。

魚屋旬の本橋清彦副店長は、
去年はこのサイズだと400円台で販売していた。480円とか。

歴史的な大不漁に見舞われた2017年、この鮮魚店では、
去年の今頃はイワシを売っていた。

サンマをちょっと置いて、その隣ででかいイワシを売っていた。

今年は多い日で1日300匹のサンマを仕入れていますが売れ行きも好調だといいます。

値段も下がってきたのでやっと買える。

「今年はサンマを食べる機会が増えるか?」
相当増えると思います。

今後、サンマの入荷数がさらに増えれば価格を1匹250円台まで下げられるとみています。

「安くておいしい」・・いつまで?
今年は豊漁で価格も下がると予想されるサンマ。
ただその漁獲量は右肩下がりで2017年は10年前と比べると4分の1の水準まで落ち込んでいます。

その原因の一つと考えられるのがこれまでサンマを食べなかった中国や台湾での消費拡大です。

中国や台湾は冷凍装置を備えた大型の船を仕立ててサンマを取ります。

サンマが日本沿岸の漁場に辿り着く前に公海上で大量に先取りしてしまうことから漁獲量が減ると考えられています。

7月、日本や中国など8つの国と地域がサンマの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会が開かれました。

資源の減少を懸念する日本は公海での漁獲量に上限を設けるべきと提案。

しかし、水産庁資源管理部長の神谷崇氏は、
今回の結論は漁獲枠は合意に至っていない。

参加国の多くがサンマが減少傾向にあるのは明らかとする一方、中国は科学的な根拠がないので判断できないと反論。

合意は得られず先送りとなりました。
水産庁資源管理部国際課長の黒川淳一氏は、
未来にわたってサンマの資源をどう生かしていくかを考えてもある程度、漁獲を抑える取り組みが必要になってきている。

公海域で日本の船が取りに行くのと交渉を両輪としてサンマの漁獲を維持し安定的な価格で皆さんの口に入るように進める。
