東京オリンピック・パラリンピックに向かう人々の動きに注目する「ROAD TO TOKYO」。
2002年の日韓サッカーワールドカップの際にカメルーンのキャンプ地となった大分県中津江村。
こうした自治体が参加国と交流する取り組みをホストタウン事業といいます。
中津江村がある大分県日田市は2020年の東京オリンピック・パラリンピックでもホストタウンに名乗り出ています。日本各地でこの中津江フィーバーのよな盛り上がりが再び生まれるのでしょうか?
三条市
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東京から新幹線でおよそ2時間のところにある新潟県三条市。
バスから降りてきたのは…
ヨーロッパ東部、コソボ共和国の柔道選手たちです。
コソボは前回のリオデジャネイロオリンピックが初出場の新しい国。
柔道女子52kg級で金メダルを取ったほか、他の階級でも頭角を表しています。
選手たちは東京で開かれている世界柔道選手権に出るため三条市に合宿に来ました。
この日は市内の柔道クラブの子ども達との交流行事。
子ども達は世界レベルの柔道を体当たりで感じ取ります。
組手が強くて全く技をかけさせてくれない。
選手たちも国際大会前に子ども達とのひと時を楽しみました。
ケルメンディ選手、
こんなに力をもらえたので世界選手権では全力を尽くしがっかりさせないよう頑張る。
こうした事前合宿を受け入れたり、選手と住民との交流の機会を作ったりする自治体の取り組みがホストタウン事業です。
しかし、コソボにとってホストタウンを見つけるのは容易ではなく、日本にいる大使が自ら探したといいます。
コソボのレオン・マラゾーグ大使、
コソボのような生まれたばかりの国は多くの自治体と出会う機会はない。
ごく普通の日本の人たちにコソボの人とふれあってもらうのは重要。
こうした受け入れは対応できる施設の整備や通訳などの確保が必要なことから地方の市町村にはハードルが高く、三条市は今年度100万円の予算を計上しています。
内閣府
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ホストタウン事業は内閣府が主導しています。
交流に関わる費用の半分を補助し、自治体の参加を促します。
内閣官房オリパラ事務局、勝野美江統括官、
スポーツ以外にも交流の核がたくさんあることで継続していく可能性は高まる。
中津江村
スポーツの国際大会を通じた交流で記憶に残るのが大分県の中津江村です。
観光名所でもある道の駅には「カメルーン中津村」の文字が。
カメルーンといえば…
2002年のサッカーワールドカップでカメルーン代表のキャンプ地となった中津江村。
5日間も遅刻したにもかかわらず住民が温かく迎える様子が話題となりました。
あれから17年、農産品が並ぶ土産物売り場の名前は「カメルーンハウス」。
スタッフの制服にもカメルーン。
そして、特産のワサビ味と柚子はちみつ味のアイスで国旗を表現したというカメルーンソフト。
観光客は、
ここに来た時に、そうだカメルーンってあったなと思った。
カメルーン代表チームがキャンプをした鯛生スポーツセンター。
来年の東京オリンピックでも中津江村のある日田市はカメルーンのホストタウンに名乗りを上げています。
株式会社TMT.Japan
[blogcard url="https://tmt-japan.net/"]
カメルーンとの地道な交流が大分で新たな動きを生みました。
大分市で鉄工所を営む横山朋樹さん。
海外との新たなビジネスを求めて友人とともに乗り込んだのはカメルーンです。
JICA(国際協力機構)を通じ、トイレの普及に取り組みました。衛生的に優れた微生物を使ったトイレです。
現地の新聞でカメルーンの政府関係者と並んで座っているのが横山さんです。
カメルーンという国に対し、日本企業でもノウハウを持つ立場。
2年前、横山さんは大分-カメルーン友好協会を設立。
地元の中小企業で視察団を組み去年、現地の制度や市場を調べる会社を作りました。
現在、会員企業が自動車部品のリサイクルに乗り出すなどカメルーンでいくつかの新事業が進んでいるといいます。
いずれは「大分を窓口にカメルーン進出するなら、すぐに行けるよ」となったらいい。
運命みたいなもの。