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[WBS]アメリカ バイデン大統領 初アジア訪問!"半導体"外交 展開へ

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アメリカのバイデン大統領は5月20日、就任後初めてとなるアジア訪問で韓国のソウルに到着しました。22日からは日本も訪問する予定です。訪問では中国の台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発の対応で連携を確認するとともに世界的な不足が続く半導体をめぐって外交を展開します。

アメリカ バイデン氏"半導体"外交!「世界最大」サムスン工場視察

午後5時半ごろ、サングラスに黒いマスク姿で韓国に降り立ったバイデン大統領。

到着後、車に乗り込み最初に向かったのがソウル近郊にあるサムスン電子の世界最大の半導体工場です。出迎えた尹錫悦大統領とともに視察しました。

半導体の売り上げが去年アメリカのインテルを上回り世界1位だったサムスン。サッカー場400個分という広大なこの土地で世界各国のメーカーからの受託生産を行い生産ラインの増設も進めています。

バイデン大統領が最初にサムスンの半導体工場を訪問したのにも理由が…

アメリカ
バイデン大統領

サムスンが去年5月に発表した170億ドルという素晴らしい投資に感謝する。
この工場は私たち2つの国の深い絆の象徴。

サムスンは去年、アメリカのテキサス州におよそ2兆円を投資して大規模な半導体工場を建設する計画を発表。中国に依存しないサプライチェーンの構築を目指すバイデン政権にとって韓国は最も重要なパートナーの一つだといいます。

アメリカ
バイデン大統領

プーチンが始めたウクライナにおける残忍でいわれのない戦争は私たちの重要なサプライチェーンを保護する必要性をさらに浮き彫りにした。
韓国のような価値観を共有する緊密なパートナーと協力し、同盟国やパートナーから必要なものをより多く確保し、サプライチェーンの回復力を強化する必要がある。

韓国
尹錫悦大統領

訪問をきっかけに韓米関係が先端技術とサプライチェーンの協力に基づく"経済安全保障同盟"で生まれ変わることを希望する。

5月21日 米韓首脳会談へ!"半導体""北朝鮮"で連携強化

佐々木明子キャスター

ソウルにいる武部慎一記者に聞きます。バイデン大統領が韓国に入って初めて訪れたのが半導体の工場ということですが、5月21日の米韓首脳会談ではどんな事が焦点になるのでしょうか。

ソウル市局
武部慎一記者

バイデン大統領は半導体工場の視察を終え、滞在先のホテルに入りました。
5月21日午後から尹錫悦大統領との首脳会談が行われます。半導体などのサプライチェーンや経済安全保障分野での協力などが主要テーマとなるものとみられます。

そして、韓国側にも期待が高まっています。バイデン大統領が最初の日程としてサムスン工場を視察することは世界的な半導体覇権の競争が激しくなる中、韓国の半導体の地位と現在地を象徴的に示すチャンスだという記事も出ていました。

10日ほど前に発足した尹政権としても経済産業分野でアメリカとの関係強化をアピールしたいところです。

ただ最大の貿易相手国である中国への過度な刺激は避けたいところで、その外交手腕も問われます。

佐々木明子キャスター

ミサイルの発射や核実験の準備も進めているとされる北朝鮮ですが、5月21日の首脳会談でも大きなテーマになりそうですか。

ソウル市局
武部慎一記者

韓国の情報機関もこのタイミングを見計らっているという見方を示していて、北朝鮮への警戒感も高まっています。5月22日には両首脳が揃ってミサイルの対応にあたる作戦センターの視察を行い北朝鮮をけん制します。
また北朝鮮との対話を重視した前の文在寅政権では米韓合同軍事演習を縮小していましたが、尹政権は2017年以来となる本格的な再開を決めるかどうかも焦点です。

両首脳が経済や安全保障で連携を強化する姿勢を打ち出す中で北朝鮮や中国などの対応が注目されます。

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