ウクライナへの侵攻によって国際社会からの孤立が強まっているロシアですが、4月29日にプーチン大統領が11月にインドネシアで開催予定のG20(20の国と地域の首脳会談)に出席する意向を示しました。ただ侵攻の長期化も予想されていて、事態打開の見通しは立っていません。
プーチン大統領に「G20出席する」!国連トッ訪問中にミサイル
インドネシアのジョコ大統領は秋に開催予定のG20にロシアのプーチン大統領が出席する意向を示したと明らかにしました。
インドネシアは今年のG20の議長国で28日にジョコ大統領との電話会談でプーチン大統領が表明したということです。
しかし、そのプーチン大統領には国際社会からの批判が高まっています。
28日、国連のグテレス事務総長が訪ねたのはウクライナのゼレンスキー大統領です。
首都キーウで行われた会談でグテレス事務総長はロシア軍が制圧を宣言した南東部マリウポリから市民が退避できるよう力を注ぐと述べました。
国連
グテレス事務総長

マリウポリは危機中の危機だ。
人道回廊の着実な実施や局地的な停戦、市民の安全な移動を確保することが必要。
しかし同じ日、そのキーウではロシア軍が撃ったとみられるミサイルが住宅に着弾。ウクライナ当局は1人が死亡、10人が負傷したと明らかにしました。
グテレス事務総長が訪問中の攻撃。ゼレンスキー大統領はロシアを厳しく非難しました。
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

国連そのものを侮辱するもので強い反応を示すことが必要。
徹底抗戦の構えをみせるウクライナに対し、アメリカのバイデン大統領は追加の支援を表明。
アメリカ
バイデン大統領

ウクライナがプーチンの侵攻に対抗するための軍事的、経済的、人道的な支援の強化を先ほど議会に求めた。
戦争の長期化を見据え、総額330億ドル、日本円にしておよそ4兆3,000億円という巨額の追加予算を議会に要請。
「戦いの代価は決して安くないが侵略に屈すればより大きな犠牲を払う」と述べました。
ロシア経済に変化の兆し!物価上昇は一服か?
国際社会のロシアへの圧力が強まる中、ロシア経済にはある変化が。
モスクワにある大型スーパー。中に入ると一見平穏な日常が広がっています。
ウクライナへの侵攻直後の3月には生活への不安で市民が買いだめに走ったことなどから売り場では多くの商品が消えましたが、今では商品がずらり。
お客さんも落ち着いて買い物をしています。
ただ1ヵ月前と大きく違うのが価格です。
1ヵ月前に99ルーブルだったオランダ産のび~るがいまはおよそ2倍の189ルーブル。日本円でおよそ350円になっています。
買い物客

全ての商品が値上がりした。食品など全てを節約だ。
記者
値上がりはいつまで続く?

買い物客

ウクライナでの特別軍事作戦の終わりまで。
ロシアでは3月、急速なインフレが進行。砂糖や米、野菜、果物などの食品や洗濯機やテレビといった電化製品の価格が軒並み大幅に上がりました。
一般的にインフレが進むと中央銀行は政策金利を引き上げ物価の上昇を抑えようとしますが…
ロシア中央銀行
ナビウリナ総裁

政策金利を3ポイント下げて14%にすることを決定した。
ロシアの中央銀行は利下げを発表しました。実は利下げは今月2回目。
物価の上昇率については3月前半にピークを迎えた後、大幅に減速しているとしていてインフレが一服したとみているようです。
ただ今後、経済制裁が強化される可能性もありロシア経済が再び混乱する可能性もありそうです。
ロシアから"頭脳流出"加速!隣国ジョージアで一体何が
こうしたことからロシアの隣国ジョージアである異変が…
こちらはジョージアで暮らすロシア人のダニイル・ゴルベブさん。
ダニイル・ゴルベブさん

何年も政治活動をしてきた。
記者に呼びかけたり、反政府デモをしたり、プーチン政権と戦ってきたんだ。
実はゴルベブさん、現在収監中のロシアの野党指導者ナワリヌイ氏と活動をともにしてきました。
ウクライナ侵攻以降、ロシア国内では反体制派への締め付けが強まっています。
そのため先月、1年間ビザなしで滞在できるジョージアに移住してきたのです。
ダニイル・ゴルベブさん

プーチン体制のロシアには戻らない。
反体制派以外にもロシアを離れる動きが加速。大きな問題となっています。
モスクワ支局
中村航記者

首都トビリシから1時間ほど来たグランピングの施設がある場所です。
これを運営している会社ですが、会社としてロシアからジョージアへの移転を進めているということです。
ジョージアでこのグランピング施設を経営するのがロシア人のヴィタリ・ラザベンコさん。
ロシアを拠点にテクノロジー分野のビジネスも展開していますが、それもジョージアに移そうと考えています。
ウクライナ侵攻以降、エンジニアを中心にロシアを離れたいという要望が一気に増えたといいます。
ヴィタリ・ラザベンコさん

この頭脳流出はロシアにとって破壊的な悪循環だ。
賢い世代が出ていったら新たに教育するのに年単位の時間が必要だ。
いまロシアのテクノロジー業界では人材流出が加速。すでに最大で7万人の労働者が国を離れ、今月さらに10万人が離れるとされています。
その一人、1ヵ月前にジョージアに移住してきたニキータ・クリコフさんです。
ロシア版グーグルとも呼ばれる巨大企業ヤンデックスで働いた経験もあるエンジニアです。
ジョージアに逃れてきたものの厳しい現実もあるといいます。
ニキータ・クリコフさん

ロシア人だからという理由で追加料金を取れられることもある。
一番怖いのはロシア人というだけで私を嫌う人がいることだ。
この部屋の家賃も通常よりも割高。さらにロシア人の入店を拒否する店もあるといいます。
それでもロシアに戻る考えはありません。
ニキータ・クリコフさん

不快だったからロシアには居たくなかったんだ。
ロシア以外の国でずっと暮らす場所を探す必要がある。