プーチン大統領がウクライナ侵攻のために出した部分的動員令がロシア国内を揺らしています。首都モスクワなどの都市部では抗議する市民の大規模なデモが起き、多くの参加者が当局に拘束される事態となりました。動員から逃れるため国内から脱出する動きも広まっています。
ロシア動員令で国内は混乱
1,300人拘束"海外逃亡"も
モスクワ市民

戦争反対!
ロシア軍のウクライナ侵攻をめぐってプーチン大統領が部分的動員令を出したことで、これに抗議するデモがロシア各地に広がりました。
モスクワ市民

プーチンのために死ぬつもりはない。
モスクワ市民

妻や子どものことを考える。何かあったときに彼らを残していけない。
人権団体のOVDインフォによると首都モスクワやサンクトペテルブルクなど合わせて39都市でおよそ1,300人が当局に拘束されたということです。
さらにロシア軍の状況を伝えているペスコフ大統領報道官の家族まで。9月21日にロシアの独立系放送局の生放送で司会者が徴兵施設の担当者を装いペスコフ氏の息子ニコライ氏に電話。「翌朝10時に出頭するように」と迫るとニコライ氏は姓を名乗った上で「当然応じない」と拒否したといいます。
日本在住のロシア人、ボリス・アファナセフさんは動員令の対象となる予備役の一人です。出頭命令書が届いているかどうかは確認ができない状況だと話した上で…
番組スタッフ
部分的動員令の発令は?

日本在住
動員令の対象となる予備役
ボリス・アファナセフさん(31歳)

実際はショックで、みんな覚悟していたが政府はずっとそうしないと言っていた。
動員されて何人の命が失われるのか、何人が死ぬのか、もう本当に戦争。
アメリカ・ニューヨークで行われている国連総会ではウクライナのゼレンスキー大統領がビデオで演説。
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

犯罪はウクライナに対して行われ、われわれは正当な処罰を要求する。
またアメリカのバイデン大統領も今回の部分的動員令について国連憲章に違反すると非難しました。
アメリカ
バイデン大統領

今ロシアは戦いに参加する兵士をさらに呼び集め、クレムリンはウクライナの一部を併合しようと偽りの住民投票を計画しており、これは国連憲章に極めて重大な違反である。
国連憲章の原則のために立ち上がることはすべての責任ある加盟国の仕事。
私は暴力や戦争を利用して国を征服したり、流血によって国境を拡大することを拒否する。
ビザなしで渡航できるアルメニアの空港にはロシアを出国した人たちが。
ロシアを出国した人

私はロシア市民だ。
もし私がロシア行きの便に乗れば帰ってこられない可能性がある。
この動員には参加したくないね。
アルメニアのほかにもトルコ行きなどの航空券が飛ぶように売れていて、今週ロシアを出国する航空便はほぼ完売になっています。
日本在住のボリスさんは今後のロシアに不安を隠せません。
日本在住
動員令の対象となる予備役
ボリス・アファナセフさん(31歳)

みんなバラバラ、国を出るしかない。支持したくない。
明日どうなるか、誰にもわからない。