東京都心からおよそ30kmの郊外をぐるりと囲む国道16号線。
この16号線エリアには現在、1,100万人が暮らしていますがコロナ禍で新たな移住先として注目されています。
国道16号線
都心から電車で1時間以上、国道16号線の外側に位置する千葉県印西市。
最寄り駅から徒歩6分、コロナ禍の今売れている分譲住宅地が印西牧の原エイテスタウンです。
大手住宅メーカー8社で241区画を開発。
2019年5月から販売を始めました。
コロナ以前、契約は月に平均7軒ほどでしたが去年の4月以降、契約が急増し完売間近。いま注目度が増しています。
ここで30区画を販売するミサワホーム。
ミサワホームの首都圏営業本部、大野修一部長、
残り3区画、販売状況は非常に好調。
去年8月、ここに家を買ったのが小澤さん一家です。新型コロナが引っ越しを後押ししたといいます。
小澤由和さん、
テレワークが増えてきたので自分の仕事部屋を確保したい。
マンションに住んでいたので子供が部屋の中でバタバタするのを注意するのがかわいそう。
小澤さんの自慢の新居を見せてもらいました。
これまでの不動産に関する価値観がいま変わろうとしています。
人の流れは都心から郊外へ。
コロナで生まれる新経済圏第二段、国道16号線の今とその未来を検証します。
印西市のニュータウンにマイホームを購入した小澤さん一家。
スマホで家の中を撮影してもらいました。
2階です。
子どもたちはおもちゃの部屋でのびのび遊べるように。
そして金融業界で働く小澤さんは念願の書斎を手に入れました。週に4日はここでテレワークをしています。
交通の利便性をメインに住宅を以前は選んでいたが、通勤日数が減るので交通の利便性を考える必要がない。
家族が過ごしやすい環境や家の広さを住するようになった。
国道16号線に関する著書もある東京工業大学の柳瀬博一教授。
16号線エリアには太古の時代から多くの人が住んでいたといいます。
16号線エリアは日本の中でも断トツに歴史が古い。
古くから日本人が暮らしていた場所。
こちらは縄文時代と今の南関東。縄文時代は現在より海面が最大5メートル高かったことが分かっています。
16号線エリアは縄文時代、海をぐるりと囲んでいたのです。
16号線が通っているエリアは丘陵地と台地、大きな川が連鎖している。
実は小さな流域の形はアフリカで人類が誕生して以来、世界中どこでも人間が暮らしやすく最初に住む場所。
一等地として現在まであり続ける場所。
これは首都圏で0~14歳までの人口が増えている街のランキング。印西市をトップに16号線付近の自治体が上位を占め、子育て世代が増えているのです。
さらに住む場所だけではありません。東京のベッドタウンとして開発された印西市はここ数年、巨大な建物が次々に建設されています。
東京ドームおよそ14個分の広大な敷地に物流センターやデータセンターが集結。
あのグーグルもここにデータセンターを建設する予定です。
企業が印西に集まるのは物流の大動脈である16号線や成田空港が近いことが理由ですが、もう一つ重要な理由が…
産総研の地質調査総合センターの中澤努さん、
軟弱な地盤が広がる東京湾岸エリアに比べると16号線沿い、千葉から八千代、印西は地盤がしっかりしている。
建物を建てるのに向いている。
印西市周辺は比較的地盤が固く、地震にも強いといいます。
印西市の反対側、国道16号線が走る埼玉県入間市。
博物館を訪ねると…
入間市博物館の学芸員、平田光洋さん、
入間市には旧石器時代から縄文時代に多くの人々が住んでいた。
16号線エリアには有史以前から多くの人が住んでいたことが分かっています。
さらに中世、鎌倉時代になると入間市周辺の16号線エリアに武士団が勢力を伸ばします。
鎌倉幕府につながる街道が通り、馬を育てやすい入間周辺の丘陵地帯は武士団にとって戦略的な要衝でした。
そして現代、移動手段は馬から自動車へ。
"いざ鎌倉"とばかりに人々は自動車に乗って16号線エリアのショッピングモールに買い物に向かうのです。
コロナで注目される16号線エリアの未来とは…
東京から30キロ郊外に出ると国道16号線沿い。
自然があり、都市の機能もあって、郊外の広々とした住みやすさもある。
ワークライフバランスをするのにベストなエリアとして育ってくる。