レンゴー株式会社
いま大きく進化しつつある段ボールビジネス。
コンビニエンスストア「ファミリーマート サンシャイン南店」でも、2016年からある段ボールが活躍しています。女性の力でもあっさりと開梱できます。オープンの文字を押して引っ張るだけ。
実は内蓋の部分がミシン目になっているから簡単に開くのです。
ファミリーマート サンシャイン南店の新井基裕店長は、
女性スタッフでも段ボールを開けやすいので作業効率が上がる。
この段ボールを作っているのが創業107年、段ボールメーカーの最大手「レンゴー株式会社」。
日本で初めて段ボールの事業化に成功して、段ボールという名称も創業者の井上貞次郎氏が命名。時代のニーズに応えながら進化してきました。
肝心の業績も上昇が続き、この10年間で売り上げは2割以上増え、2015年度は約5,320億円。
そのポイントは商品の開発力にあるといます。
開発力
開発本部長の仁木英文さんは、
会社の基本コンセプトは「Less is more」、少ない資源で商品の付加価値を最大限に。
その最新の成果が2年前に開発した小売店向けのディスプレー段ボール。
同じ商品の段ボールでも従来のものと比べるとカラフルな印刷で華やかで見栄えがよく、それが販売効果を高めるといいます。
開梱作業もちょっとした工夫で負担を大幅に軽減。人手不足で悩むスーパーなどで大助かりの人気段ボールとなっています。
また段ボールを積み重ねる時、上手く重ならないと中の商品が傷付いてしまいます。そこでレンゴー株式会社は段ボールの四隅に折り目をつけて中に落ち込まないよう工夫をしました。
商品開発部
商品開発部では小売の現場からのニーズを商品作りに生かしていました。
パッケージ部門開発チームの山本麻依子さんは、2016年にワンタッチで組み立てられる段ボールのディスプレイ棚「ラクッパ ディスプレイ」を開発しました。
軽量で持ち運びが楽な上に頑丈なところが評価されけ「2016日本パッケージコンテスト」で「経済産業省 製造産業局長賞」まで獲得しました。
そして今、スーパーの求めに応じてさらに小型化を進めています。
すばり売れる商品を開発する決め手、それはどこにあるのでしょうか?
技術力。まだまだ段ボールでできることはたくさんあると思う。
製造ライン
このレンゴー株式会社の技術力、段ボールのみならず、こんなモノにも広がっていました。
日本で初めて、我が社が開発した通販用の段ボールの高さが可変するシステム。
今、需要が伸び続けている通販業界向けに2015年に製造ラインまで開発。自動的に商品の高さを読み取って必要最小限のサイズで梱包する優れものです。
最近、配送業もドライバー不足なので、荷が小さいと1台で多くの荷物が運べるのでエコロジーの環境に合っている。
さらに段ボールはこんな場面でも活躍しています。地震などによる緊急避難所の「間仕切り」。
そこでレンゴー株式会社が作ったのが、これまでの常識を覆す画期的な段ボールでした。
レンゴーが日本で初めて開発した、容易に着火しない段ボール。燃え広がらない。
表面に特殊な薬剤で加工してあり、避難所でタバコなどの引火による2次災害を防ぐために開発。いま自治体からの注文が増えているといいます。
モノを包むだけだった段ボールにアイデアで付加価値をつけ、新しい需要を作り出す。
段ボールの可能性はまだまだ広がります。
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