いまや販売台数で世界最大の自動車グループとなったフランスのルノーと日産自動車、三菱自動車の企業連合ですが、9月にIT界の巨人「グーグル」との提携を発表しました。

自動運転を始めとした車のデジタル化に向け大きく舵を切ったのです。
こうした中、3社の会長を兼務するカルロス・ゴーン氏がパリ国際自動車ショーの会場でWBSの単独インタビューに応じグーグルとの提携の真意、そしてグループの今後について語りました。

ルノー・ジャポン株式会社
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フランスの自動車大手プジョーのシンボルである大きなライオンが目を引くパリ国際自動車ショーの会場。

会場で最初にコンセプトカー「EZ-Ultimo」を発表したのは地元フランスのルノー。

フランス車ならではの高級感のあるデザイン。

自動運転の機能を備え快適な動くリビンルームとして乗客を目的地にへとスムーズに運びます。
こうした自動運転を始めとした次世代の車の開発に向けパートナーに選んだのが…
ルノーのティエリー・ボロレCOO、
われわれはグーグルとパートナーシップを結んだ。

グーグルとの提携
ルノー・日産・三菱連合は2021年をめどにグーグルのOS「アンドロイド」を車に搭載する方針を打ち出した。

自動車業界で大きな話題となったこの発表をめぐり、パリの会場ではグループを率いるカルロス・ゴーン会長の発言に注目が集まりました。

「巨大なグーグルが自動車業界に入ってくる意味は?」

われわれだけでは実現できないことがある。

自動運転などを実現するためにはパートナーが必要だ。

ただ、同じくグーグルが参入したスマートフォンの世界ではスマホメーカー各社がグーグルからアプリのダウンロードやデータの提供を要求され、半ば支配される状態になっています。

自動車メーカーも同じ状況に陥らないのか?
WBSは今回、ゴーン会長を直撃しました。
カルロス・ゴーン会長
「IT企業が自動車業界の主導権を握ることにならないか?」
そうはならない。

IT企業の力は必要だが車はわれわれがコントロールする。

グーグルとの交渉は難しい面があったのは確かだが。

グーグルとはすでにつばぜり合いがあったといいます。
その上で、
今後もIT企業とはさらに多くの契約を結んでいく。

IT企業の優れた技術を得て「スマートな車」への転換を進める。

決して後戻りはしない考えです。
課題
一方でルノー・日産・三菱連合には大きな課題があるとされてきました。
グループは売上が小さいルノーが売上の大きい日産の株式のおよそ43%を持ち、経営をリードするいびつな構造になっています。
さらにこのルノーの筆頭株主はフランス政府。
グローバル企業ながら一国の支配下にあるような状況です。

「フランス政府の影響力が強いことは健全か?」
グループの経営は順調だ。ルノー、三菱自動車、日産、全て業績が良く問題ない。

ただ、私を含めた今の経営陣が去った後でも3社連合が持続できるかは課題だ。

こう述べて自らの任期中の資本関係の見直しに含みを持たせました。
いろいろな考えを持っているが日本文化の「根回し」が重要だ。それが終わったら発表する。

「日産とルノーの統合も選択肢か?」
経営統合はよく悲劇を起こす。必ず勝者と敗者に分かれてしまう。

そういう事態は避けたい。
