
ロシアのプーチン氏とにこやかに向かい合っているのは日産のカルロス・ゴーン元会長です。2010年にモスクワを訪れたときのものでプーチン氏は当時首相でした。ゴーン氏は2000年代からロシア市場の開拓に力を入れ始めて、日産と同じく率いていたフランスのルノーでは本国フランスに次ぐ第2の市場としてロシア事業を拡大してきました。ところが今回のウクライナ侵攻でルノーはそのロシアから事実上撤退することになりました。大きな収益源を失うルノーは新たな資金を必要としているといいます。そこで日産と三菱自動車との3社連合をめぐっても水面下でさまざまな動きが起きています。
ゴーンとプーチンで…!ロシア市場の光と影
3月、ウクライナのゼレンスキー大統領がフランスの議会で名指しで非難したのは…
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

フランス企業はロシア市場から撤退せよ。
ルノー、オーシャン、ルロイ・メルラン、彼らはロシア軍のスポンサーをやめるべき。
2000年代に入り、外国車ブームが起きたロシア。その流れに乗るかたちでルノーも2005年からロシア工場で本格的な生産に着手しました。
当時、ルノーのCEOも兼務していたゴーン氏はプーチン氏を通じてロシア進出への足がかりを築いてきました。
2021年のルノーのロシアでの販売実績はおよそ48万台。世界販売台数の18%を占めるなどルノーにとってロシアは本国フランスに次ぐ主要な市場でした。
しかし…
中村航記者

モスクワにあるルノーの工場に来ました。こちらはいま操業を停止中ということもあってほとんど人気がない状況です。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、ルノーはロシア事業からの撤退を決定。
ゴーン時代に買収したロシア最大手の自動車会社も16日にわずか1ルーブル、およそ2円で地元の研究所に譲渡しました。
こうした中…
ルノー
スナール会長

日本に戻れてうれしい。
日曜日に来日したルノーのスナール会長。
その数日前にはルカ・デメオCEOも日本に。
相次いでルノーの幹部が来日した理由とは…
ルノーは今年に入ってからEV(電気自動車)の事業を分社化し、新会社を設立すると発表。
しかし、ロシア事業から撤退することになり新会社に必要な巨額の資金を自ら工面することは難しいとみられています。
そこで浮上したのが連合を組む日産と三菱自動車です。
2日前、日産の内田誠社長との会食に向かうルノーの2トップ。EVの新会社への参加を呼びかけたとみられます。
日産「出資など含め検討」!ルノーCEOが明かす「新EV会社」
この新会社に3社連合を組む日産自動車と三菱自動車はどう関わるのか、ルカ・デメオCEOに聞きました。
ルノー
ルカ・デメオCEO

私は日産と三菱からプロジェクトへの支援を受けることを望んでいるし、十分な準備ができている。
実際にどれくらい出資してほしいかを尋ねると…
ルノー
ルカ・デメオCEO

まだ現時点ではその段階ではない。
それは相手の会社が決めることで私が決めることではない
ルノーは新EV企業の株の大半を維持するのは明らかだ。
これに対し日産関係者は5月17日にテレビ東京の取材にこう答えました。
日産の関係者

日産の価値が上がるかどうかで支援を検討している。出資なども含めて検討している。
また、三菱自動車は…
三菱自動車

まずはルノーの構造を理解し、当社の事業にとってのベネフィットや付加価値などを考えた上で判断。
さらにルノーの新たなEV会社をめぐってはルノーが持っている日産㈱の一部を売却して充てるとの見方もありました。
現在、日産株を43%持っている筆頭株主のルノー。そのルノー株の15%はフランス政府が保有していて、日産の経営にフランス政府の影響が及ぶことを懸念する声が根強くあります。
先週、日産の内田誠社長は…
日産自動車
内田誠社長

シェアバランス(資本関係)は今後の時代が変わっていく中で、アライアンスとしてどう強くなれるのかの議論の中の一つの選択肢。
しかし…
番組スタッフ
ルノーは日産株を売却する考えはあるか?

ルノー
ルカ・デメオCEO

原資を得るのに大きな株の売却はない。すべての資産を放出する緊急性はない。
日産株を売却してまで資金調達する必要はないと語ったデメオCEO。
では今後の3社連合の行方をどうみているのでしょうか。
ルノー
ルカ・デメオCEO

アライアンス(3社連合)がかなり難しい時期に来ている。
私たちが日本にいるのは実はアライアンスの新しい未来を創造し、新しい章に移行させるため。
アライアンスが前進していることを世界に示すためにとても具体的なプロジェクトを議論している。
本当の価値は株の売却ではなく、ビジネスの創造にある。