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[WBS] やりがいはあるが仕事は激務!保育現場の今を見つめる!

2017年1月12日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

磯子おひさま保育園

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横浜市にある保育園「磯子おひさま保育園」。

午前8時、次々に園児たちがお母さんに連れられてやって来ます。

しかし、お母さんと離れるのが嫌でぐずがり始める子供。保育士の川野邊敬子さんが付きっきりであやします。

子供をあやしていると電話が掛かってきました。

おはようございます。いつもお世話になっております。9時半すぎ登園で。

また電話です。朝、保護者から遅刻する、お休みするという連絡が次々に掛かってくるのです。

電話を切って、子供たちから少し目を離すと子供達はすぐにケンカを始めてしまいます。

子供を見ないといけないし、電話の対応もしっかり確認しないといけない。気を引き締めて。

1~2歳児のクラスは21人の子供たちを保育士10人で世話をしていて十分な体制なのですが、それでも加藤光胤代表は、

朝の受け入れの時間帯が一番バタバタするかなと思う。

保育士

激務といわれる保育士の1日を見てみると午前10時、子供たちを散歩に連れて行きます。

立ち止まりました、どうしたのでしょうか?

靴が脱げかけている子供がいたのです。保育士達は常に子供たちに目を向けていなければなりません。

午前11時半、子供たちと一緒にお昼ごはん。子供たちがちゃんと食べているか気が気ではありません。

そして午後1時、お昼寝の時間。しかし保育士さん達は、なにやら一生懸命書いています。

「今、何を書いているのですか?」

保育士の市川夏巳さんによると、

子供のノート。昼ご飯をどのくらい食べたとか、その日の様子を書いている。

保育士が書いていたのは保護者への連絡帳。子供の体温や食事の内容、一日の様子などを毎日手書きで記入しています。

保育士一人あたり5~6人分の連絡帳を約1時間かけてビッシリ書き込むのです。

担当の子供は、それなりに人数がいるのでちょっと大変ではあるかなと思う。

保育士は45分間の休憩時間以外、お迎えが来るまで常に気を抜けないのです。

加藤光胤代表は、

保育園で働いている方からすると大変は大変なんですけど、子供たちの成長が肌で感じられるとか、大変なところだけじゃない。

こうした実情は、この保育園に限らず、どこも似たような状態だといいます。

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

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そんな保育士の負担を新たなツールで軽減させようとしている会社があります。

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ。株式会社リクルートホールディングスの小会社でスマートフォン向けのアプリなどを開発しています。

例えば受験生がスマートフォンで講義などを見ることができるアプリ「スタディサプリ」などを開発してきました。

実は事業開発者の森脇潤一さん(37歳)、300ヶ所以上の保育園を視察。そして保育士の負担を軽減するアプリを開発したいと思ったそうです。

1日の業務というのを自分たちで体験して、それはそれは本当に大変で。保育士たちを少しでも楽にしてあげようと強く思いました。

そこで森脇潤一さんが開発したのが「キッズリー」という保育支援アプリ。

早速、導入している保育園がありました。

まつやま大宮保育園

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朝の登園時間である8時、しかし電話がほとんど鳴っていません。どこか落ち着いた様子です。

保育士さんがスマートフォンで見ているのは森脇潤一さんが開発したアプリです。

保護者は子供が遅刻や欠席をする場合、このアプリを使って連絡します。

すると保育士のスマートフォンでは、子供たちの遅刻や休みがひと目で分かるのです。電話連絡はほとんどなくなりました。

お預かりします。体調大丈夫ですか?

はい、変わらずです。

事前にアプリで体調の連絡を受けているので、子供を預かる時もスムーズです。

保育士の大畠詩緒里さんは、

慣れてしまえば仕事が早くなった印象はあります。

電話の対応も減ったため、朝の時間帯も子供たちのケアに集中できるようになりました。

また、これまで手書きだった連絡帳の内容はスマートフォンで保護者に送信できるようになりました。

まつやま大宮保育園の松山圭一郎園長は、

保育士の業務の軽減をすることによって、子供たちとの関わりとかコミュニケーションの充実を図りたいという思いで導入しました。

茶々なかまち保育園

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このアプリにはさらに別の機能もありました。

この日、子供たちは料理に挑戦。自分たちで作ったキノコ鍋を食べ、その様子を保育士が写真に撮ってアプリに掲載します。

夕方6時、子供を迎えに来た母親が、その日の写真をチェックすると、

キノコは食べられた?

最初は無理だったけど、だんだん美味しくなって食べられた。

残さず食べられた?すごいじゃん!

その日の出来事について話す、良いきっかけ作りになっていたのです。

こちらの家庭では家族全員でアプリの写真をよく見ているといいます。

いろいろな遊びをしているのね。泥んこ遊びだの。

普通は保育園に行って見られないからな。

保育士の負担を軽減する様々な新しい取り組みが保育士不足を解消する一つのきっかけとなっていきそうです。

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