ガイアの夜明け ビジネス関連

[ガイアの夜明け] 日本初の「宝の食材」を生み出す!(1)

2017年3月28日

日本初の「宝の食材」を生み出す!

RBCコンサルタント株式会社

[blogcard url="http://www.rbc-kk.co.jp/"]

岡山県津山市。田んぼの中に建てられた白いビニールハウス。

そこに視察の一団がやってきました。奈良県吉野の自治体と商工会のメンバーです。

お目当てはハウスの中の水槽です。

臭いがない。もっと魚の臭いが普通はしますよ。

きれいな水の中を泳いでいるのはウナギ。たくさんのウナギの姿がはっきりと見えるほどの透明度です。

ここの水槽で育ったウナギに触らせてもらうと、

サラサラ。

ぬめりがない。

普通、ウナギを養殖する水槽は餌や排泄物によってみ茶色く濁ってしまうそうです。

しかし、ここの養殖場の水槽は無色透明。しかも1年間入れ替えていないといいます。

ここを運営するRBCコンサルタント株式会社の杉山孔太さん(33歳)。

杉山孔太さん、何やら黒い粉を水に溶き、水槽に撒き始めました。どうやらこの黒い粉に秘密があるようです。

きれいな水の中で育つウナギなので全く魚臭さがない。

明治神宮外苑の池、あの黒い粉を撒くと見違えるほどきれいになりました。ほかにも神戸の須磨寺公園の池など全国各地の水をきれいにしてきました。

この粉、「バクチャー」という名前。元々、池や川の水質改善のために作られました。汚れの激しい水場に撒くと数週間で効果が現れ、約1年間はきれいな状態を保てるといいます。

日本料理ちよ田

「日本料理ちよ田」はあのきれいな水で育ったウナギを扱っています。

味も違うそうです。

「日本料理ちよ田」の髙木哲哉さんは、

身というか皮も青い。天然に近いと思う。

この養殖ウナギ、地元では「つやま青うなぎ」の名で販売され人気があるといいます。

味の違いがわかりやすい白焼きがおすすめ。

肉っぷりがいい。

歯応えがまず違うのと臭みがない。驚くほどおいしかった。

ウナギに続いて杉山孔太さんは新たな水産物の養殖を始めようとしていました。

日本初の方法で宝の食材を生み出す、その最前線。

アワビの養殖

大分県の海沿いの町、佐伯市。

そこにRBCコンサルタント株式会社の杉山孔太さんの姿がありました。

向かった先は港の近くにある大きな養殖場。ここで育てられているのはアワビの稚貝

アワビは魚介類の中でも特に水質の変化に敏感です。

養殖が難しいとされるもののひとつです。

そのアワビの養殖に挑戦するため杉山孔太さんは稚貝の購入にやって来たのです。

いろいろ聞きたい事があります。今後の参考に養殖所を案内してもらうことに。

あれは掃除をしている?

週に1回は水を全部抜いて小さな虫が付いているのを洗い流す。

週1回やる? 大変ですね。

掃除だけでなく、水をきれいに保つため24時間大型のポンプで海水を汲み上げてかけ流しにしています。

公益社団法人大分県漁業公社の北朋尚さんは、

ポンプの電気代だけで月に120万円くらい。そのコストが単価にも反映するのかなと。

アワビは陸で育てるほかに海面養殖という方法もあります。

しかし赤潮などが発生すると全滅してしまうリスクもあります。

どのやり方でも問題点を抱えるアワビの養殖。

杉山孔太さんはなぜ挑戦するのでしょうか?

高給な食材といわれているが、低コストでより良いものができれば、食卓にアワビが毎日並ぶようなこともできるかもしれない。

西粟倉村

2016年11月、岡山の山間に位置する西粟倉村。杉林の中を清流が流れる自然豊かな地域です。

川沿いに建つ一軒の倉庫。

そこに杉山孔太さんたちが大型の水槽を運び込んでいました。

なんと、この山の中でアワビの養殖を行うというのです。

いい水で育つ魚はおいしい。アワビも一緒。

村の協力を得て西粟倉のきれいな水を養殖に利用させてもらうことにしました。

そして取り出したのが水を透明に保つ黒い粉「バクチャー」です。

この正体は?

バクチャー

主な原料は山で採取した火山礫を細かくしたもの。そこに植物から抽出したミネラルなどを配合したものです。

バクチャーを入れた水槽と入れない水槽の2つを用意して実験してみます。

同時に金魚の飼育を始めると2ヶ月後、何も入れていない水槽は水が濁ってしまったのに対し、バクチャー入りの水槽はほぼ透明のままです。

水の汚れは魚のフンや餌の残りカスなど有機物によって起こります。

バクチャーを入れると水の中の微生物が活性化。汚れの原因となる物質を分解するため水をきれいに保つことができるのです。

アワビを養殖する水槽にバクチャーを入れていきます。今回は川の水を使用するため人工海水用の塩も加えます。

あとは水槽の中で水を循環させるだけ。

大型のポンプなど、ほかに機械はいりません。

簡素な養殖施設が出来上がりました。

アワビの養殖スタート

1週間後、水質が安定したところでいよいよアワビの稚貝を水槽に入れます。

2年かけて育てる大きさ3センチのアワビです。

別の水槽には半年ほどで出荷できる大きさ6センチのアワビを入れます。

大きさの違うアワビを同時に飼育します。

大丈夫そうだな。

順調に滑り出したかと思ったその矢先、杉山孔太さんの顔が曇りました。

出たな。

粘液が出ていますね。

水面に突然出てきた白いもの。アワビの出した粘液です。

輸送のストレスを感じたときに粘液を出す。

アワビ養殖のため新たにスタッフに加わった大野栄三さん(33歳)。大野栄三さんは近畿大学でマグロの養殖に携わり、その後もいろいろな養殖場で経験を積んだ専門家です。

大事な初日、大野栄三さんが1人、養殖場に残り様子を見守ることになりました。

そして朝まで寝ずの番。

アワビが出す粘液を丁寧に取り除いていきます。

水の状態を検査してみると、最も汚れの少ない黄色を示しています。

だいぶ安定してきていると思う。とりあえず山は越えたかなという感じ。

アワビの餌は海藻の粉などを固めたペレット。この餌で8センチ以上の大きさに育て出荷する予定です。

アワビのすみか

養殖を始めて2ヵ月後の1月上旬、RBCコンサルタント株式会社の本社。

スタッフが集まり、今後の方針について会議が開かれていました。

アワビが安く手に入るようになったら一番いいと思うが、どっちみちそれには量産をしていかないと。

すると大野栄三さんからひとつ提案が、

考えているのはシェルターの方法を変える。「アワビのすみか」を変える。1.5倍くらいはいけるのかなと。

アワビの平均卸価格は1キロ当たり7,200円にもなります。国内の養殖物も生産数が少ないため値段は高値。まずは平均卸価格を下回るのが目標です。

大野栄三さん、さっそく「アワビのすみか」の改良に取り掛かりました。

コストを安くするためには狭い場所で多く飼う。どのパターンがいいか検証したい。

作ったのは形の違う3種類。

翌日、大野栄三さんは試しに入れておいた新しい「アワビのすみか」を引き上げてみます。

まず一つ目は、

ダメですね、これは。

三段に分けたものは途中の段にほとんどアワビがいません。一番下にだけ集中していました。

アワビは背中にある穴で呼吸しているため長時間重なり合うと身が痩せたり、死んでしまったりする原因になります。

二つ目はたくさんの板を縦に並べたもの。こちらはうまくアワビが散らばっているようです。

最後はいくつかの小部屋に区切ったもの。

結構いい状態にあると思う。

これもアワビが全体に広がっていてほとんど重なっていません。いいようです。

今までのものに比べ飼育する数を大幅に増やせそうです。

今までの2倍は超えられるかなと。2番目と3番目を改良しながら次につなげていく。

クラシカ天徳寺

[blogcard url="https://kurashika.com/"]

2月上旬。この日、杉山孔太さんたちが訪ねたのは西粟倉にある古民家を改装した宿「クラシカ天徳寺」。

持ち込んだのは、

すごいですね。

養殖中のアワビです。

さっそく宿の女将さんに調理をしてもらうことに。

三宅眞生さんは、

アワビは海のものですよね。山の中で育てられるのが意外というか、驚きというか。

妻の聖子さんは、

小さめだけど、すごく身がしまっている。いい感じ。

初出荷の予定日があと1ヶ月後に迫っていました。

アワビの刺身や焼アワビなどにして意見を聞きます。

すると思わぬ反応が、

磯臭さがないが、反対に言えばあっさりしている。食べやすいけどパンチがない。

肝心の味に問題があるようです。

やわらかさは養殖がすごくいい。味か。

餌の変更

きれいな水を保つことで絶品の養殖ウナギを生んだ黒い粉「バクチャー」。

その技術で低コストのアワビ養殖に挑むRBCコンサルタント株式会社の杉山孔太さんと大野栄三さん。

2月上旬、岡山県西粟倉村の養殖場。

アワビの味の改良に向けた準備が進められていました。

新たに窓際に置かれたのは透明な水槽。そこに投入したのは味噌汁の具などにも使われる海藻の「あおさ」です。

日光と温度が適温になると中であおさが増えていく。餌として利用価値が高い。

さらに値段が安くて手に入りやすい様々な種類の海藻を取り寄せいました。

コストを抑えながら餌に工夫を凝らし天然の味に近づけます。勢い良く食べるアワビ達。味は変わるのか?

3月15日、この日、雪が強まる中、アワビの養殖場に次々にお客様が。

集まったのは地元の観光施設や自治体の関係者。

村の新たな名産になるかもしれないアワビの試食にやってきました。その中には西粟倉村の青木秀樹村長の姿もあります。

これ何センチ?

7センチくらいありますね。

さっそく、その場で調理します。焼きアワビや刺身にしてみんなに食べてもらいます。

果たして、

おいしい。

「天然のアワビを食べたことは?」

あまりない。西粟倉にいながら山の幸と海の幸を食べられるなんて非常にぜいたく。

1ヶ月前に試食してもらった宿の主人は、

味がしっかりしている。つまった感じがする。

濃い味がする。味が濃くなった。全然違います。ちょっとびっくりした。

皆さんに喜んでもらって、おいしいと言ってもらえたので自分の中で自信につながっている。

養殖を始めて半年近く、全体の9割が順調に育っています。

生産コストも含め、これまでの常識を覆す好成績。夏頃の本格的な出荷を目指します。

味もさらに良く養殖の数も増やして、たくさん供給できるように、もっと創意工夫して、さらにいいものを出せるようにやっていきたい。

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