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[WBS]日本「ラピダス」✕アメリカ「IBM」!次世代半導体の開発で提携[Rapidus株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

次世代半導体の量産を目指す日本の新会社「ラピダス」はアメリカのIT大手「IBM」と半導体の開発をめぐって提携すると正式に発表しました。世界最先端の半導体技術の提供を受けることとなった日本の半導体はこれまでの遅れを取り戻すことができるのでしょうか。

日本・ラピダス「2ナノ半導体」
アメリカ・IBMと最先端技術で提携

12月12日、テレビ東京の単独インタビューに応じたIBMのダリオ・ギル上級副社長。

IBM
ダリオ・ギル上級副社長

世界最先端、2ナノメートルの技術をラピダスに提供する。
ラピダスのファウンドリー(受託生産)ビジネスにつながっていけばと思っている。

ラピダス
小池淳義社長

ラピダスは何十年も研究していたIBMからライセンスを受けることができる。
日本の半導体はもちろんのこと、アメリカ、世界の人たちにとって絶対に忘れない日になると確信している。

先月、発足を発表した次世代半導体の国産を目指す新会社「ラピダス」。12月13日にアメリカのIBMと最先端技術の分野で提携すると発表しました。

最新のiPhoneにも多く搭載されている半導体。この半導体の回路は線の幅が細くなればなるほどより多く情報処理ができ、性能が上がります。

日本は家電などに使う40ナノ台の半導体しか作れないとされている一方で、IBMは現在の最先端の2ナノメートルの半導体の開発に成功しています。

最先端技術をIBMから提供してもらうためにラピダスの小池社長は先月、アメリカにあるIBMの研究開発拠点を訪れ、ライセンス契約をめぐる最終調整を進めてきました。

ラピダス
小池淳義社長

IBMのエンジニアと一緒に真剣に議論して進めていく。習得していく。
このテクノロジーを日本に持ち帰って、最終的に2020年代の後半に向けて本格的な工場をつくっていく、ものづくりを始める。

最先端半導体 日本で作るワケ

なぜ今回、IBMは虎の子とも言える最先端の半導体技術を日本のラピダスに提供すると決めたのでしょうか。

アメリカのアップルなど多くのIT企業は半導体の設計に特化して工場を持たない「ファブレス」と呼ばれています。

そして、半導体の生産は台湾や韓国に委託しているのが現状です。

現在、世界の半導体のおよそ60%を台湾の半導体大手「TSMC」が生産しています。

そして、今回の主人公の一つ、IBMもファブレスのひとつですが、今回最先端の半導体で韓国のサムスンや台湾のTSMCではなく、日本のラピダスに生産を委託した背景にはアメリカが輸出規制にまで踏み切った中国の存在が大きいようです。

日米半導体 提携の背景は…
IBM幹部「リスク排除の良い方法」

最先端の半導体の生産を日本のラピダスに委託する背景について…

IBM
ダリオ・ギル上級副社長

その目的はより強靭なサプライチェーンの構築。
世界により大きな経済的安定をもたらし、安全保障の目的を達成するものだ。

今回の提携は日米の安全保障協力にもつながると話すIBMのダリオ上級副社長。

半導体をめぐる米中の覇権争いが激しさを増す中、アメリカのバイデン政権は10月、先端半導体の中国への輸出規制を開始。先端技術や製造装置、人材について中国との取引を事実上禁じたのです。

こうした動きに対し、中国政府はアメリカによる輸出規制は不当だとしてWTO(世界貿易機関)に提訴したと発表。

中国
汪文斌報道官

アメリカが輸出規制措置を乱用し、半導体などの正常な国際貿易を阻害するのは、世界の半導体サプライチェーンをゆがませ、国際貿易に混乱をもたらす。
アメリカの一方的な保護主義にこれ以上従うことはできない。

対立は深刻になりつつあります。

さらに中国は世界の半導体生産の多くを担う台湾に対し、武力行使による統一の可能性もチラつかせています。

こうした動きについて経済産業省の幹部は…

経産省幹部

中国が台湾侵攻でなく、海上封鎖しただけでも台湾からの半導体輸出は止まり、世界経済は大ダメージを受けることになる。
台湾から半導体の生産拠点を移すことは世界情勢から見ても理にかなっている。

台湾の半導体大手TSMCは日本の熊本で半導体工場を建設中ですが、さらに新たな工場の建設も検討していることが判明。

また、TSMCはアメリカのアリゾナ州でもアメリカ市場最大級の規模となる400億ドル、およそ5兆5,000億円を投資し、工場の建設を進めています。

そうした中で12月13日に先端半導体の生産を日本に委託すると発表したアメリカのIBM。

大江麻理子キャスター

日本での生産は地政学リスクも影響している?

IBM
ダリオ・ギル上級副社長

地政学リスクは含まれている。
台湾もその地政学リスクの一例だ。
特定地域に生産を集中させることは将来的な課題を生む。
違う地域に生産を分配することはリスクを排除する良い方法だ。
ラピダスは世界中のサプライチェーンでバランスを取り戻すための良い例になる。

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