楽天は11月28日、消費者の購買データを元に2017年を象徴する商品のキーワードを発表しました。
将棋グッズや知育玩具から見る「天才キッズ特需」に、軽い眼鏡や靴など「シニアの軽量消費」となりました。
また2018年のヒット商品も予測しています。
新たなトレンドのキーワードは「逆転」です。
楽天株式会社
[blogcard url="https://corp.rakuten.co.jp/"]
楽天が11月28日に発表したのがECサイト、楽天市場のヒット番付。
楽天市場で掲載されている2億点以上の商品の検索、購買データから次に来るトレンドを予測しました。
楽天の清水淳さんは、
楽天の検索動向はユーザーのニーズ。何が次年度、半年後、流行るかわかる。注目しているのは逆転の消費。
楽天市場が2018年にヒットする商品のキーワードに据えたのが逆転。
逆転の消費とは一体どういうことなのでしょうか?
逆転の消費の中には男女の逆転。お腹を鍛える女性が増えている。
筋肉トレーニングというと男性のイメージですが、その筋トレグッズがいま女性に売れる傾向があるといいます。
さらに女性のイメージの美容グッズが男性に受けているといいます。
特に男性向けのシミ取りや除毛クリームなどが人気。
男性向け美容グッズの売り上げは2016年と比べて27%も増加しました。
店頭では恥ずかしくて買いづらい商品がECサイトで簡単に買えるためだといいます。
この逆転消費は男女以外にもあります。
小さいマーケットを確実に拾っていきマーケットに育てていくことが必要。楽天市場の中では季節が逆転していても小さなニーズがあることが分かっている。
木枯らし吹くこの時期にいま売れているのが夏の風物詩、花火です。
分析をしたところ、楽天市場ではシーズンを過ぎても検索がされていました。
そこで花火の販売を続けたところいまだに売上が伸びているといいます。
株式会社高島屋
[blogcard url="https://www.takashimaya.co.jp/"]
季節の逆転は実店舗でも見え始めています。
日本橋高島屋では今年からお中元だけでなくお歳暮でもアイス専用コーナーを設置。
千疋屋本店の商品は2016年に比べ2割多く売れています。
一方、水着売り場では40代~80代の女性客が中心に訪れます。
シニア層の健康志向の高まりからジム用の水着が季節を問わず売れているといいますが、さらに高島屋日本橋店ワコールスイムウエアの軽部雅子さんは、
花柄のプリントで鮮やかなタイプをジムで使う人もいるが、最近ではリゾート、冬場に海外だったり豪華客船でこういった水着を選ぶ方が最近すごく増えている。
海外旅行に行くシニア層が増えたことで冬場でもデザイン性にこだわった水着を毎月入荷しています。
10月に入荷したばかりの水着は胸の形をキレイに見せてくれるというもの。
バストラインもおとなしめになってしまうのでラインをきれいに出すように作っている。冬も夏に近い形で売れていきます。
タカシマヤ ウオッチメゾン
高額商品でもこんな逆転が。
高島屋日本橋店ウオッチメゾン、牛島剛シニアマネージャー、
こちらは男性には圧倒的に人気のあるブランドなんですけれども女性が違和感なく使われる。
100万円近くする男性用の時計を情勢が購入するという逆転。
女性でも自分へのご褒美。自分買い。売り上げ全体の6割を女性客が占めている。
これまでは男性中心だった時計売り場、ビジネスシーンやファッションに使うため時計にお金を費やす女性が増えているといいます。
また女性が男性用時計を買うのにはこんな理由もあります。
夫婦とかカップルで来て1本買って同じ時計をシェアして使うような「シェアウオッチ」という使い方も今の1つの傾向。
シンプルなデザインで女性にも人気のこちらの時計、1本買って男女でシェアするお客様も増えてきているといいます。
男性、女性となく新しい需要を喚起しながら機能本位で買ってもらえるような売り場をつくれたら今後のさらなる活性に結びつく。
ダイドードリンコ株式会社
[blogcard url="https://www.dydo.co.jp/"]
逆転の消費は飲料でも。
ダイドードリンコが11月28日から自動販売機で販売を始めたのが「ふって飲む甘美なショートケーキ」。

スイーツの王道、ショートケーキの味わいを再現したというドリンク。
価格は160円と強気の設定です。
ダイドードリンコの篠原剛さん、
ターゲットは女性にも買ってもらいたいがメインは男性。
女性向きと思いきや男性をターゲットにしたというこのドリンク。JR東日本のエキナカ自販機の限定販売です。
この商品を導入した背景には働き方改革があるとメーカーの担当者は話します。
働き方改革で時間が短い中で高い成果を求められる働き方をしている男性サラリーマンが増えているのではないか、そういう人がエキナカで自分をねぎらう形でこの商品を買う需要が高まっている。
こうした飲み物は「小腹満たし系飲料」と呼ばれています。
JR東日本はエキナカ自販機「アキュア」では小腹満たし系飲料売り上げは2年前に比べて約14%アップしています。
サラリーマンに飲んでもらうと、
好きかも。プリンみたいな食感。
性別や季節という暗黙の了解を取り払うことで見えてくる新たなニーズ。逆転の消費は今後拡大しそうです。