株式会社レイデックス
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神戸市、世界で唯一ある薬を製造するベンチャー企業があります。
アパートの一室をラボに改装し、薬を開発している米村勝さん(61歳)。大手医薬品メーカーの開発担当者として25年間働いていましたが4年前に独立し会社を立ち上げました。
1年前からは国の承認を得て血液の固まりやすさを調べる液体の検査薬「ラビPT-N」を販売しています。
現在、医療機関では粉末状の検査薬が使用されていますが、
凍結乾燥品(粉末状)だと再溶解が必要。その過程で溶解誤差が発生して毎度毎度データが違う。
液体の検査薬は誤差が少なく、正確なデータが取れるため医療事故の抑制にもつながるといいます。
これまでに培った技術やノウハウ、人脈を武器に米村勝さんはセカンドライフを充実させています。
定年で会社を辞めてというよりは元気があったから自分に挑戦していいと思う。液状PT(検査薬)を出したが、それ以外の商品もまだ頭の中に設計図がある。
労働人口が減少する中、シニア世代の活躍が期待されています。退職後に経験や人脈を生かして会社を立ち上げセカンドライフを成功させようとする人も増えています。
しかし、一口に起業といっても簡単ではありません。
銀座セカンドライフ株式会社
[blogcard url="http://ginzasecondlife.co.jp/"]
東京・世田谷区に住む田中肇さん(60歳)。かつて金融業界向けの再就職支援会社を始めましたが8年で経営破綻に追い込まれました。
証券会社で働いていた時の人脈に頼り切り、事業計画をしっかり立てられなかったのです。
2億円くらいは出資していただいた。いろいろな出資者に迷惑をかけた。
一度は苦い思いをした田中肇さんですが、2年前に介護離職防止のためのコンサルティング会社「ワークケアバランス株式会社」を設立し、現在、事業は軌道に乗りかけています。
実は同じ過ちを犯さないよう、田中肇さんは起業支援を受けていたのです。
田中肇さんを支援しているのは銀座セカンドライフ株式会社。顧客の7割は50歳以上です。
シニア起業家は開発や営業など一つの分野に対する能力は高くても、会社の立ち上げについてはよく分からない人がほとんどだといいます。
そのため銀座セカンドライフ株式会社では法律の専門家が事業計画書の書き方や会計事務の代行、事務所の貸し出しなど起業のイロハから支援します。
交流会
銀座セカンドライフ株式会社の起業家支援はこれだけではありません。
毎月、ビジネスパートナーを探すための交流会を開いています。
銀座セカンドライフ株式会社の片桐実央社長は、
3時間たっぷり名刺交換して、次のビジネスにつなげていただければ。
この日の参加者は約100人。希望した人が自社PRを行います。
その話を食い入るように見ている一人の女性。今回初めて参加した君島静江さん(68歳)です。
30年以上、籐を使った芸術作品を作ってきましたが展示だけでなくネット販売できないか考えているのです。
君島静江さんは、
ITを使えばいいのか、どうやって起業すればいいのか、全然分からないので出席した。
芸術家としての人生から起業家という第2の人生を歩き始めました。しかし、何から始めればいいのか全く分からない状態です。
そんな君島静江さんを見た、同世代の先輩起業家たちが次々と君島静江さんの元にやって来ました。
絵画みたいな作品を作ったり、バッグを作ったり。ネットに上げたら返信をどうしたらいいのか?
返信する人を誰か見つければいい。
ホームページの製作会社の男性は、
会社の情報や簡単な説明はうちで入れる。ゼロから作ると大変なので最初はうちが無料で作る。たくさん写真を入れるページもある。作品をここにたくさん掲載して。
普段は聞けない話ばかり。一言も聞き漏らさないように真剣そのものです。
君島静江さんは、
こういう人々になかなかお会いできない。今日はとてもエキサイトしている。
今さら聞けない話でも世代が同じだと遠慮せずに聞きやすい。そんなシニア起業家にとっては貴重な交流の場となっています。
片桐実央社長は、
交流会を通じて友達になったり、一緒にビジネスをやったり、事業をスムーズにするために弊社を活用していただければ。
かながわシニア起業家応援サロン
シニア起業家を支援する動きには地方自治体も注目しています。
神奈川県が銀座セカンドライフ株式会社に運営を委託し2ヶ月前にオープンしたシニア起業家応援サロン「かながわシニア起業家応援サロン【桜木町】」。
「人生100歳時代の設計図」を掲げる神奈川県は積極的にシニアの支援をしています。
神奈川県の黒岩祐治知事は、
60歳過ぎても元気な人はいっぱいいる。やることなくて「毎日どうしよう」と過ごしているなら、もったいない話。そういう皆さんの活力を発揮できる場を用意することは神奈川県の経済を活性化する上で大きなメリット。
セカンドライフを成功させるため起業を支援する社会の枠組みが徐々にでき始めています。