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[WBS] 独特の深みのある味!?「伝統野菜」がいま人気のワケ!

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スーパーで買ってきた野菜ですが、形が揃っていて見栄えがいいです。

普段、私たちがスーパーで買う野菜の多くは生育速度が、早く大きさも均一に育つ「F1種」と呼ばれるものです。

一方でこちらの野菜、少し変わった野菜が並んでいます。

太くて長いカボチャ。

そしてこちら白くて丸いんですが、実はナスです。

それぞれの地域で長年伝統的に作られてきた、この野菜ですが作るのに手間がかかるといいます。

いまこうした伝統野菜の見直しが進んでいる理由を取材してきました。

らでぃっしゅぼーや株式会社

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有機野菜などを宅配するらでぃっしゅぼーや。

その本社で9月12日に行われていたのは今年、会員たちに送る伝統野菜の試食会です。

2004年から取り扱いを始めましたが、ここ数年人気が高まっているといいます。

ヘチマのような形をしたカボチャ「丸長かぼちゃ」。

通常の3倍の大きさはあるきゅうりや白いナスなど見慣れない野菜がたくさん並びました。

珍しい野菜がいっぱいありますが、「赤ねぎ」これは?

らでぃっしゅぼーやの農産部農産仕入課長の加川幹雄氏、

外側の皮が赤い伝統野菜。

早速、食べてみると…

ネギの辛味というより、甘みが際立っていますね。しかも食感がトロトロとしています。

ナスも様々な形をしたものが並んでいました。

ちょっと白ナス。わりとしっかりしていて少し苦みもありますね。

食べ比べをした結果、相内キャスターが選んだのは「三豊なす」。

香川県三豊市の伝統野菜です。

こうやって品ぞろえをすることで売り上げ、人気が出てきている。

このような伝統野菜は固定種と呼ばれます。

それに対し一般的な野菜はF1種。

F1種は異なる性質の品種を交配して作られた野菜のことです。

遺伝の法則で2つの親のいい所を受け継ぐため、生育速度が早く形も味も均一に育ちます。

しかしF1種同士をかけ合わせると味にも形にもバラツキが出てしまいます。

これに対し固定種は種をとって再生産することが可能なんです。

野口種苗研究所

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埼玉県飯能市にある種の販売店。

全国から集めた伝統野菜の固定種のみをおよそ600種類取り扱っています。

野口のタネの野口勲さん、

これがオクラのサヤ。

オクラは放っておくと大きくなって、この中に種が入っている。

なかにはあまり目にしない白菜の種も。

袋には栽培法だけでなく固定種の一番の特徴でもある収穫後の種の取り方まで書いています。

昔は「一粒万倍」と言って1粒の種がある1年後には1万物に増え、2年後には1億粒になり万倍万倍に増えていく。

そういう無限の命を持った種がこういう固定種。

最近は伝統野菜の栽培に興味を持つ人が増え、売上げはジワジワと伸びています。

店頭とネット販売を合わせ、現在年商は6,000万円ほど。

固定種は本来の野菜の味がする。

「F1種」は僕に言わせると「野菜もどき」。

食べておしまい。

固定種をとり続けることは未知の病気などでいま流通している野菜が絶滅してしまうリスクの回避にもつながるといいます。

種がなくなればそれでおしまい。

消える前に日本中に配って買ってもらって、そこで庭で種取りをして、その地域の野菜にして、もう一度種の命を復活させてほしい。

伝統野菜を作り続ける農家

こうした中、伝統野菜を作り続けている農家では…

群馬県北部の高山村で農業を営む後藤明宏さん。

これが「高山きゅうり」です。

100年前から自分のじいさん、おばあさんたちが残してくれたキュウリ。

高山村で栽培される高山きゅうり。

皮は白っぽく、一般的なキュウリと比べうると4倍ほど重いのが特徴です。

断面を見てみるとこの瑞々しさ。

さらにその味にも特徴が…

甘みが強いですね。ちょっとフルーツに近い感じ、

後藤さんが高山キュウリの栽培を始めたのは10年前。

高山村にしかないものを残したいという思いから高山キュウリを作り始めたといいますが、伝統野菜ならではの難しさもあったといいます。

その土地にあった種にしていくには最低でも5年かかると言われているので、それを本当に続けることで高山村に合ったキュウリに変わっていく。

この日、後藤さんが行っていたのは高山キュウリの種取りです。

形の良いキュウリを出荷サイズからさらに大きく育て、中の種を取り出します。

これで陰干しをして冷蔵庫で保管しておけば来年種になる。

伝統野菜への注目の高まりに対する期待感があるものの、こんな課題も…

農家の高齢化もあるし、高山きゅうりも栽培が難しい面もあるので、どうしても一気に増やすのは難しい。

農家をやりたい若い人たちを受け入れて、そういう人たちにこの種をつないでもらいたい。

後藤さんのような伝統野菜を作る農家と契約しているらでぃっしゅぼーや。

次世代に残したい伝統野菜を「いと愛づらし」と名付け販売しています。

種をつなげていくには一番は生産農家の努力だが、作り続けるには食べる人の存在が必須になるので、その方たちにちゃんと届ける役割を担っていきたい。

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