なかなか食べることのできない幻のラーメン店といわれる店がありました。
ラーメン倉庫
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和歌山県の山奥にある2階建ての倉庫。

その脇にはオープン前から50人以上のお客様が列を作っています。

「どこから来た?」
京都から来ました。遠かった。2時間くらいかかった。

奈良です。6時半くらいに家を出た。

気合を入れてきました。

この倉庫は一体?

ラーメンが大好きなんで。

びっくりしたのが年間で15日くらいしか営業していない。

1年に15日しかオープンしない幻のラーメン店とは…


とんこつ醤油ラーメン
倉庫の中にコンテナボックスで作られたイスとテーブルが並ぶこの店。

カウンターもこの通り手作りです。

メニューは「とんこつ醤油ラーメン(600円)」ただひとつ。

とんこつの他に鶏ガラや数種類の野菜でとったとろみのあるスープに柔らかめの麺がよく絡む、和歌山で人気のラーメンです。
気になる味は?
おいしい。

和歌山ラーメンのなかではさっぱりしていて食べやすい。

平山忠央さん
店主の平山忠央さん(62歳)。

営業日を1月から4月までの毎週日曜日、15日間に限定するのにはある理由がありました。

このイスに秘密が。

こういう感じで物を入れて収穫している。

収穫?
実は平山さん、本業は柿やスモモを育てる農家。

収穫の時期になると倉庫の中では果実の選別や箱詰め作業をしていますが、冬場は作業が減るため店をオープンしているのです。

平山さんがラーメンの研究を始めたのは30代後半。
ある思いがあったといいます。
娘が2人いて、嫁に行くまで家族で何か一緒にやりたいと思ったのがキッカケ。

軽い気持ちで始めたラーメン作りでしたが、道のりは簡単ではなかったと振り返ります。
なかなかうまくいかなかった。

豚骨のにおいが好きな人もいるが、とりたいと思って、これが難しかった。

こだわりのスープは色んな店を食べ歩くなど試行錯誤すること15年。やっとの思いで豚骨独特の臭みを取り、さっぱりとした味を実現させました。

「においを消す方法は?」
それは企業秘密。15年の研究成果だと思う。

この日は午前10時から開店しましたが、わずか3時間ほどでスープが終了。

店に来たものの食べられなかった人の姿も…
もう終わってますね。

本日分終了?

来るのは初めて。通るたびに気になっていた。

ここ数年は店を開くたびに用意しているおよそ130杯は全て完売。

今年も全ての営業日で完売を目指します。
おいしかったよとかありがとうとか言ってもらい話しながら帰ってもらえるのがうれしい。

「15日は揺るがない?」
揺らがない。

農家もしていかないといけないし、そこから(1月より)前の月はしんどい。

ラーメンへの情熱と家族への思いが山奥の行列を生んでいます。