地価、土地の価格についてです。
今年7月1日時点の地価が9月21日に発表されました。全国平均では0.4%下落と2年連続の下落となりました。
新型コロナの影響により住宅地、商業地ともにマイナスとなりましたが、住宅地は下げ幅を縮めたのに対して商業地は下げ幅が拡大しています。
今後、地価はどうなっていくのでしょうか。東京・銀座を取材しました。
株式会社ピュアジャパン
[blogcard url="http://www.pure-japan.co.jp/"]
宮下祐佳里記者。
銀座7丁目に来ています。このあたりは飲食店が多く立ち並ぶエリアで銀座の中でも地価の下落率が最も大きくなりました。
東京・銀座7丁目の飲食店が立ち並ぶエリア。休業やテナント募集の張り紙が目立ちます。
1年前に比べ地価は9%下落。下落率も拡大しました。
商業地では飲食やインバウンドに依存した地点が全国的に大幅に下落しています。
ただ銀座を歩くとある変化も…
こちらの店舗、3月にはテナント募集の張り紙が貼られていましたが化粧品の販売やエステを行う店が今月オープンしていました。
不動産業者に話を聞くと…
銀座で不動産仲介を手掛けるピュアジャパンの小松原勇さん。
美容と健康に自己投資する人が増えている。
その結果、不動産の賃貸物件で美容系のテナントの契約が増えている。
賃料が下がった物件を狙って美容系の業界の進出が増えているというのです。
メンズラクシア銀座店も全身をオールハンドでケアする男性用の美容エステ店。
来月、店を拡張移転するといいます。
移転先は歩いて1分ほどのところ。同じ銀座です。
今の店舗より3倍ほど広くなります。
メンズラクシア銀座店の岩佐由美オーナー。
もともと店が手狭だったので移転を考えていた。
飲食店が多かった銀座に空室がすごく目立つ。
通常の坪単価より下がったのでチャンスだなと思って。
こうした美容業界など店舗需要が戻り始め、銀座の空室率は5.1%と3月より0.6ポイント改善しています。
地価は下げ止まり感もある。
銀座は東京の一等地なので土地柄これ以上下がることはないのではと思うし、願っている。
需要が根強い地域は地価も上昇しています。
上昇率全国トップは福岡市中心で周辺で大規模な再開発が進み、オフィス需要が堅調です。
福岡市が全国の上昇率の上位10ヵ所のうち7つを占めました。
一方、住宅地で上昇している地点ではある変化も…
東京に隣接する千葉県市川市は去年のマイナスから今年はプラス2.1%と上昇に転じました。
東京圏の住宅地で上昇率が大きい上位10ヵ所のうち3ヵ所に市川市が入りました。
去年の上位10ヵ所には房総半島の君津市が3ヵ所入っていましたが、今年は東京により近い場所で地価が上昇しているのです。
通勤に便利で都内より手頃な価格の場所として人気を集めているといいます。
家賃の値段はそんなに高くない。川を渡り都内に行くと高くなってしまう。
「リモートワークが増え郊外を目指す人も?」
職場に行った方が効率的。ある程度は職場に近い方がいい。
市内のファミリー向けの中古マンションを案内してもらいました。
不動産仲介業ナカジツの水野雅也さん。
築19年のマンション。フルリノベーションしている。
3LDKでおよそ77平米。
東京メトロ東西線行徳駅から徒歩4分。大きな窓で日当たりの良さが人気だといいます。
価格は5,090万円。
物件価格は昨年と比べ1割以上は上がっている。
キッチンには自動食洗機も。30代や40代の共働き世帯の購入を見込んでいます。
実は市川市内の中古マンションは1坪あたりの価格が10年で1.5倍ほどに上昇。それでも都内よりは割安感があり需要は底堅いと見ています。
住宅ローン金利は0.4~0.5%前後。歴史上も最低金利と呼ばれる時代。
東京へのアクセスが便利なエリアは人気が続くのではないか。
テレワークの普及で広めの郊外物件が人気となっていた傾向は一巡したのか、専門家に聞くと…
不動産情報サイト「SUUMO」の池本洋一編集長。
通勤範囲でもある程度の広さと生活利便が担保できるような"近郊外"といった地域の人気がより高まってきた。
実際に今回、埼玉県の川口市や戸田市、千葉県の浦安市などでも地価が上昇しています。
駅周辺で全てがそろい、商店街もあるがショッピングモールもあるとコロナ危機下では「かなり暮らしやすい」と評価されている。