新型コロナウイルスのデルタ株の感染が拡大する中、アメリカではワクチン接種が完了すればマスクは不要としてきた方針が変わり、感染が深刻な地域では屋内でのマスクの着用が再び求められています。
この方針転換によって生産体制の見直しを迫られているアメリカのマスクメーカーからは困惑の声が上がっています。
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感染力の強いデルタ株が猛威を振るうアメリカ。
1日の新規感染者の数はこの1ヵ月でおよそ10倍近くに跳ね上がっています。
アメリカのバイデン大統領。
デルタ株できょう400人が亡くなった。症例は増える一方で減ることはない。
こうした中、再び議論となっているのがマスク着用の義務化です。
CDC(疾病対策センター)は「ワクチン接種が完了すればマスクは不要」としてきた従来の方針を撤回。
感染リスクの高い地域ではワイクチン接種を終えていても公共の場と屋内ではマスクを着用するよう呼びかけています。
街の人は…
最悪だがマスクをつけないといけない。
デルタ株が解決するまではマスクをしたほうが安心だと思う。
マスクの需要は再び戻ってくるのでしょうか。
国産マスクメーカーのプレミアムPPEを訪ねました。
工場の中を見せてもらうと…
ワシントン支局の中村寛人記者。
マスクを生産する機械のほとんどが止まったままになっています。
生産の途中でストップした機械や無造作に置かれた材料の布、マスクの入ったダンボールは山積みとなっています。
CDCが再びマスク着用を再び呼びかけて以降、プレミアムPPEへの発注は徐々に増えてきていますが、ヴィタリ・セルタスCEOによると工場を本格的に稼働できない理由があるといいます。
きょうは従業員が30人ほど。
300人いたころに比べれば明らかに少ない数になった。
マスクの需要がワクチンの普及とともに減少し、増産するために臨時に雇っていた従業員を最近200人以上減らしたばかり。
24時間体制で1日120万枚生産していたマスクも今は1日20万枚しか作れません。
再び従業員を増やす準備を始めましたがもとの人数に戻すことはないといいます。
小売業者にマスクの値段を聞かれて価格を伝えると「中国産のマスクの方が安い」と言われる。
常に中国との価格競争で負けている。
アメリカ製マスクはおよそ10分の1の価格の中国製マスクに市場を追いやられ、今年に入って倒産に追い込まれる会社も出ているのです。
こうした状況にバイデン大統領は連邦政府が購入するマスクを含むアメリカ製品の比率を段階的に引き上げると表明。
国内の産業や雇用を守る姿勢を打ち出しましたが、プレミアムPPEの販売担当は楽観視していません。
プレミアムPPEのブレント・デイリーさん。
もっと早く動いてくれないと業界が助からないかもしれない。
単発での購入しかないのなら一貫したビジネスの展開は困難だ。