再生可能エネルギーをめぐる新たな動きです。
政府は2030年度に再生可能エネルギーの比率を全体の38%程度に引き上げるという高い目標を設定しています。

その切り札として位置付けたのが洋上風力です。ただし、その課題はどうやって電力を海から陸に届けるかというところです。
日本のベンチャーが船で電気を運ぼうと立ち上がりました。

株式会社パワーエックス
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8月18日、オンラインで開かれた記者会見。

電気運搬船という世界でも例がない、全く新しい"電気を運ぶ手段"を開発し、世の中に届けたい。

その語るのはベンチャー企業、パワーエックスの社長の伊藤正裕さん。

造ろうとしてるのは世界でも例のない電気を運ぶ船。

洋上の風力発電で作った電気を船の蓄電池に充電し陸地へ。一般家庭およそ2万2,000世帯が1日に使う電力量を運べるといいます。

再生可能エネルギーとして期待が大きい洋上風力。課題は発電した電気をどうやって陸に運ぶかです。

海底ケーブルによる送電は莫大なコストに加え、環境への影響を懸念する声があります。運搬船はそんな課題を克服するとされています。

また、船で電気を運ぶためより強い風が吹く沖合に風車が建てられるメリットがあるといいます。

沖合100キロの風が強いところに風車をたてて、船で電気をためる。

船で電気を送電する。

まだ誰もやったことのないことに挑戦する。

斬新な発想で再生可能エネルギーに風穴を開ける。そんなベンチャーマインドを持つ伊藤さん、以前は…
アパレル大手、ZOZOの取締役、技術部門トップとして着るだけで自動採寸する「ZOZOスーツ」などを開発していました。


そんな伊藤さんが胸に秘めてきたのが再生可能エネルギー分野への挑戦。

6月にZOZOを退社し、起業しました。
エネルギー系の大手企業はでき上がっているが、ベンチャーが入りこめる良さは過去のお荷物がない。

過去からメンテナンスしないといけない技術や工場、雇用がない。

金額を集めて投資すると全て最先端投資にいく。

この大きな船に世界から技術者が集まっています。

船の設計を担うのはイギリス人造船技師のジョン・ケッチマーさん。

イギリス王立造船技師協会でフェローを務め、多くのタンカーを設計してきた人物です。

これはほかにはない設計です。世界にこのような船は存在しません。

最初は驚きました。おかしな考えだと思ったのです。

どうして電気を運びたいのだろうと。

さらにアメリカの電気自動車メーカー、テスラの元幹部も取締役として参画。

パワーエックス取締役のパオロ・セルッティさん。
とても大胆なアイデアだと思いました。

それがすぐに理になかっていて実現可能で、背景に経済的な事業モデルがあることに気づきました。

その後、喜んでプロジェクトに加わりました。

8月11日、福岡県北九州市。

伊藤さんが運搬船に欠かせないあるものを作るためにやってきました。
向かった先は更地のようですが…
新しく"電池の工場"を作ろうと、その候補地を見に来た。

伊藤さんは電気運搬船に乗せる蓄電池まで作ろうというのです。

年内に100億円前後の資金調達を目指し、一部のメーカーなどからすでに出資の打診もあるといいます。

2022年に電池工場を建設して、2025年には電池を乗せた運搬船を完成させる予定です。

洋上風力が日本で増えていく時の課題や問題を新しいテクノロジーが解決する。

蓄電池もそうだし、電気を運ぶ船もそう。

実現できると思っている。
