世界でも類を見ない電気運搬船の建造が現実的になってきました。
洋上風力で得た電力を船で運ぶ構想を掲げる日本のベンチャー企業が12月2日に造船国内最大手の今治造船と資本業務提携をしたことがテレビ東京の取材で分かりました。
再生可能エネルギーの普及に大きな風を起こすことはできるのでしょうか。
今治造船が資本業務提携!ベンチャーと電気運搬船建造へ
愛媛県今治市。
ここに国内最大手の造船メーカー今治造船があります。
創業は明治34年、巨大なタンカーや運搬船などこれまで2,700隻以上の船を建造し、日本や世界の海運業を支えてきた老舗企業です。
そこにやって来たのはベンチャー企業「パワーエックス」の社長、伊藤正裕さんです。
パワーエックスが目指すのは電気運搬船の開発。
洋上の風力発電で得た電力を独自開発の蓄電池を乗せた船で陸へと運ぶ世界でも類を見ない構想を掲げています。
船で運搬することでより強い風が吹く沖合まで出られることや海底ケーブルに頼らないので環境負荷を減らせることなどが電気運搬船の強みだとしています。
伊藤さんはその電気運搬船の建造を託す先として最大手の今治造船にラブコールを送り続けてきたのです。
そして12月2日…
一緒にやらせていただくことが誠に光栄。
交渉開始からおよそ4ヵ月、電気運搬船の建造に向け今治造船と資本業務提携しました。
今治造船から10億円の資金を調達し、船や蓄電池の研究開発に充てるとしています。
今治造船の檜垣幸人社長。
全く発想が違うと聞いた。
私どもも世界に先駆けて新しいものを開発しているとアピールしていきたい。
今治造船はCO2を排出しないアンモニア燃料船の建造に乗り出すなど脱炭素社会での生き残りを模索中。
電気運搬船への参画は大きなチャンスと捉えています。
一方、パワーエックスの伊藤さんもプロジェクト実現に向け手応えを感じていました。
今、大変良い風が吹いているとは思う。構想から実現へ大きな一歩。
船を実際に造れるイメージが湧いているのでこのまままい進したい。