長い間、イギリスの歴史を影で支えてきた地下トンネルはいま新たな観光スポットとして人気を呼んでいます。
The Postal Museum
[blogcard url="https://www.postalmuseum.org/"]
ロンドン市内にあるマウントプレザント郵便局。
イギリス最大級の郵便配送センターです。
その敷地内にある建物。
地下に降りていくと高い天井の大きな空間が広がっていました。
豊島晋作記者、
何やら線路と列車のようなものがあります。
やって来たのはトロッコのような小さな列車。
乗り込んでみますとやっと大人が1人ようやく乗れるぐらいの大きさです。狭いですね。
列車は小さなトンネルの中へと進んでいきます。
かなり狭いトンネルです。
車内アナウンス、
郵便地下鉄へようこそ!
ロンドンの知られざる郵便専用列車の旅に出よう!
メールレール
実はこのトンネル、かつて郵便物を運ぶために使われていた地下鉄、通称「メールレール」のトンネルです。
メールレールは1927年からロンドンの地下、東西10およそ10キロを郵便物を乗せて運んでいた郵便専用の地下鉄。
当時、自動車や馬車による渋滞で地上での配送は2~3時間かかっていたところ、地下をおよそ50キロほどで走るこのメールレールでわずか30分に短縮されました。
しかし、いま乗せているのは観光客です。
メールレールはイギリス郵便制度の心臓部だった。
世界で唯一の郵便専用地下鉄としてピーク時は1日400万通の手紙を運んでいましたが、配送拠点の増加や電子メールの普及などを受け2003年、列車の運行が廃止に。
2017年からは当時の歴史を伝えるいわば動く博物館として再スタートを切り20万人近い来場者を集めています。
来場者は、
とても楽しかった。
素晴らしい歴史を学べる場所ね。
かわいかった。列車が小さくてかわいい。
元車両整備士
30年間、メールレールの整備士として働いていたレイ・ミドルワースさん。
列車が当時、先進的だった無人の電動車両。混乱なく走らせるのは大変だったといいます。
ホームには6分おきに車両が来た。
だから故障が起きるとすぐに修理しなければいけない。
5分もすると電話がかかってきて「修理できたか」と聞かれたよ。
「廃線になったときの気持ちは?」
悲しかったがメールレールは立派な役割を果たした。
博物館として人々の記憶に残るのはうれしい。
郵便博物館
同じ敷地内にはイギリスの郵便制度、ロイヤルメールの歩みを展示した郵便博物館が併設されています。
その土産物売り場で売られていたのはなぜかネコのぬいぐるみです。
ロイヤルメールのクリス・タフトさん、
ネコに給料(餌)を与えてネズミを駆除していた。
ネズミは手紙をかじったり食べてしまう恐れがあったから。
当時、実際に働いていたオス猫のティブス。
14年勤務し、退職したときには体重が10キロを超えていたといいます。
歴史を伝える産業遺産として生まれ変わったメールレール。
今日も列車はトンネルを走ります。