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[WBS] 韓国格差の象徴「半地下」とは?深夜の副業に大行列!

2020年1月10日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

韓国で広がっている格差の問題。

それを象徴する一風変わった家を訪ねてみると意外な景色に出会しました。

半地下物件

韓国・ソウルはいま空前の不動産バブル。

この2年間で不動産価格はおよそ4割も上昇し、賃料の高騰も続いています。

そうした中、ソウル市内に激安の物件があるといいます。

不動産業者がその理由を教えてくれました。

不動産業者の柳淳容さん、

部屋の半分が地面より下にあって窓の部分だけ地上に出ている半地下の部屋。

実はこの物件、部屋の半分が地下に埋まっている半地下物件。

ソウル支局の横堀拓也記者、

こうした物件には非常に特徴的な場所があります。トイレが他の場所と比べて高いところに設置されています。

床からおよそ60センチも高いところにある奇妙なトイレ。何故こんなところにあるのか?

浄化槽が床よりも上の位置に設置している。

そのため下水道管の通る高さに合わせてつくっている。

浄化槽よりも高い位置に設置しないとトイレの水が逆流してしまうためです。

その分、家賃は安く、この部屋は1ヶ月3万5,000円ほど。一般の部屋と比べ4割も安い。

まとまった金がない人たちは家も買えない。

新婚夫婦で半地下に住んでいる人もいる。

この半地下物件、部屋の入口はこんな感じ。大雨などが来ればひとたまりもありません。

崔錫朝さん

一方、ここで半地下生活を20年近く送っているのが崔錫朝さん(62歳)。

夏には湿気で少しカビが生える。

空気が良くないので朝起きたら新鮮な空気を入れて換気するのが日課。

バイク事故で頭に大怪我をして仕事がなくなり、妻とも離婚。

以来、1人で半地下生活を続けています。

夢だった半地下からの脱出も叶わなくなってしまった。

貧乏人はますます貧乏人はますます貧乏に、金持ちはますます金持ちに。

格差は広がる一方だ。

半地下はいま韓国の格差社会の象徴。

貧困層を中心に37万世帯もが半地下生活を強いられているのです。

パラサイト 半地下の家族

[blogcard url="http://www.parasite-mv.jp/"]

そして話題となった映画が…

半地下に住む4人家族。

無職の息子が豪邸生活を目の当たりに。

埋められない韓国の格差社会を描いています。

映画を作ったポン・ジュノ監督は、

家庭の経済的な事情で仕方なく半地下に暮らしている。

当然その格差が挟まって解消されればいいと思うが、数十年生きてきた経験の中で、今後の未来を考えても簡単なことではないと思える。

文在寅政権

そんな格差の是正を公約に掲げ、誕生したのが文在寅政権です。

経済と社会構造の根本的な変化と改革で不平等と両極化を克服するために揺れることなく努力してきた。

しかし次々と行った経済政策も功を奏せず、文政権への批判が噴出。庶民からの支持も離れつつあります。

深夜の副業

そんな韓国でいま働く傍ら急拡大している副業があります。

深夜、兄弟で出発。マイカーに乗り込みました。

保険会社に勤める姉の全景兒さん。

車を運転するのが全さんの弟。

深夜で車の通りも少ない中、向かった先には車の大行列が…

実はここ、ネットショップで購入された商品の配送センターです。

あの車の全ては配送車。

2人はここの配達員として副業をしています。

最初は知らなかったが、こんなに頑張っている人が多いのかと驚いた。

自分たちだけでなく、みんな副業としてやっている。

この日、2人が任された荷物は生活用品など93個。

荷物1つを配達すると80円から100円程度を受け取ることができ、1晩で2人で6,000円から8,000円の収入になるといいます。

韓国ではいま夜寝る前にネットで注文すれば朝までに商品が届くという「夜明け前配達」のサービスが大人気。

全部見つかった?次に行こう。

102棟と109棟で109棟は向こうだ。

全さんの場合、深夜0時から配達を始めて午前3時頃終了。その後、数時間寝て会社に出勤するという過酷な毎日です。

家のローンがあるのと父親にもともと持病があって病院の費用がかなりかかる。

生活費の足しになっている。

経済の低迷と格差の拡大。

韓国の置かれた厳しい現状がここにも…

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