世界のタックス・ヘイヴン
ヨーロッパのモナコ、イギリス領のジブラルタル、バーレーン、南太平洋ではナウルやバヌアツ、カリブ海ではパナマにイギリス領バージン諸島など規模の小さい国や島国にタックス・ヘイヴンが多く集まっています。
産業や資源に乏しい国々が会社設立の手数料や雇用の確保のために設定しているケースが多いと言われています。
タックス・ヘイヴンの起源
タックス・ヘイヴンの起源は様々な説があります。
中世のローマ教皇領と言われたり、ハンザ同盟の都市のひとつだったとも、現在のようなタックス・ヘイヴンの始まりは1920~1950年代。
戦争で財政が厳しくなった国が相次いで自国の税率を引き下げるなかで主に富裕層が個人の資産を守るために使用していたと考えられています。
世界中にあるタックス・ヘイヴンのなかでも注目を集めているのがイギリス領のバージン諸島。
モサック・フォンセカによって設立された法人は約21万4,000社ですが、そのうちの約11万4,000社がバージン諸島に集中しています。
バージン諸島の弁護士
バージン諸島の弁護士、マーティン・ケニー氏によると
イギリス領のバージン諸島は機密性が高い。イギリスの法律で弁護士や会計士には守秘義務がある。クライアントの秘密を暴露できない。
どのような人物が租税回避をしているかと聞くと
最近最も多いのは中国人だ。モサック・フォンセカの40あるオフィスのうち10が中国にある。売上の少なくとも25%が中国だ。
休眠企業の販売
モサック・フォンセカは休眠していた企業の販売もしていました。
古い企業ほど高い価格で売れる。
古い企業は資産価値に有効だと言います。
設立後1年経った企業は昨日できた新しい企業より高い。5,000ドルとか6,000ドル(約55~65万円)が必要だ。10年経った企業は1万ドル(約110万円)かかる。
オバマ大統領
アメリカや他の国々主導で税の抜け道をふさがなければ阻止できない。
各国の協力を求めています。
デラウェア州
アメリカ国内にもタックス・ヘイヴンは存在しています。
アメリカ東部のデラウェア州です。
デラウェア州はアメリカで2番目に小さい州です。
タックス・ヘイヴンのデラウェア州
デラウェア州の商業の中心ウィルミントン市。
ウィルミントン市にあるオレンジ通りの1209番地。
多くのアメリカ企業が自社の本拠地としている場所です。
大小28万社の企業が1つのビルを「会社の本拠地」にしているのです。
欧米メディアによると、ここを本拠地にしているのはアップルやグーグルなど巨大IT企業。
またフォードやウォルマートなどアメリカを代表する企業も含まれています。
デラウェア州の法人税は州内でビジネスを行っていないなど一定の条件を満たせばゼロです。
もちろん国に支払う法人税は必要ですが、節税目的にペーパーカンパニーを設立してデラウェア州を本拠地にする企業は増加しています。
ペーパーカンパニーの数は11万社以上。
デラウェア州の約94万人の人口を大きく上回ります。
行政もこの流れを後押ししています。
州政府は企業部と名づけた専門部署を持ち世界一簡単な会社設立の手続きを売りにしています。
チャールズ・マクロード広報官は
世界中のお客様にサービスを提供しているため手続きできる時間を広げている。電話やオンラインでサービスを受けることができる。
企業部では深夜0時まで申請受付が可能になっています。
会社設立にかかる時間は2時間。
この10年で95億ドル(約1兆円)の節税を生み出したと言われています。
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