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[WBS] ソフトバンクグループに新たな火種か!?激安ホテル1泊2,000円台も![OYO Hotels Japan 合同会社]

2020年2月13日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ソフトバンクグループは2月12日、2019年10-12月期の決算を発表して純利益は550億円と1年前と比べておよそ9割減少しました。

業績悪化の要因は運用規模が10兆円にのぼるソフトバンク・ビジョン・ファンドの不振です。

投資先である配車サービス「Uber(ウーバー)」やシェアオフィスの「wework」を展開するwe companyの業績低迷が影響しています。

そのビジョン・ファンドで新たな火種となっているのが格安ホテルチェーンを展開する「OYO」です。

日本国内でも破格の値段で宿泊できるとして利用が広がっていますが、その影であるトラブルが起きていました。

立願寺温泉ホテル

[blogcard url="https://ryuganjionsen.com/"]

熊本県玉名市で55年続く立願寺温泉ホテル。

一番グレードが高い特別室はダブルベッド2つに半露天風呂付き、さらにワイン飲み放題などの特典も付いています。

一泊の料金は3人で3万9,000円。

それが去年9月以降、2,000円台の日が続きました。

立願寺温泉ホテルの北村和則社長、

泊まったお客様が帰るときに「だまされているんじゃないか、後から請求来ませんよね」と言うお客様がいっぱいいた。

驚きの価格の秘密はOYOへの加入でした。

OYO Hotels Japan 合同会社

[blogcard url="https://www.oyorooms.com/jp/"]

OYOとはインド発のホテル宿泊サービス。

世界80ヵ国で展開し、総客室数は100万室以上です。

去年4月、ソフトバンクなどが出資し、日本法人を設立しました。

その一番の特徴は宿泊料金をAI(人工知能)が決めることです。

AIは稼働率を上げるためお客様の予約具合や実績によって料金を変動させます。

しかし、いまこのOYOにトラブルが…

先ほど、驚きの価格を紹介してくれた熊本のホテルも稼働率だけで料金が設定させてしまいました。

その結果、

これが部屋の稼働率と料金。

稼働率は95%くらい。ただし料金が2,000円台、3,000円台が多い。

稼働率は上がっても1人あたりの単価が低く、経費などを差し引くと利益は3分の1にまで落ちたといいます。

施設側はOYOの日本法人へ10%前後のブランド料を払う代わりに売り上げの最低保証を提示されます。

これで毎月の売り上げが最低保証に届かない場合、差額分を補填してもらえるはずでした。

しかし、

最低保証を問い合わせて出てきたのが500万円。

これはおかしい。

OYOは通常営業のときの売上最低ライン700万円ではなく、熊本地震で被災したときの売り上げもカウントし、500万円を最低保証に提示したといいます。

こちらのホテルはすでにOYOとの契約を解除。

同じような被害にあったホテルオーナーに声をかけ集団訴訟を検討しています。

OYOの内部では何が起きていたのでしょうか?

元社員が重い口を開きました。

ほとんどの社員はこのシステム(AI)がそんなにレベルが低いものだとは思わなかった。

日本でのデータの蓄積が足りず適切な価格が割り出せなかったといいます。

さらに急速な事業拡大の背景には…

マーケットシェアを取るためにできることは何でもしていた。

最初の数ヵ月間は最低保証額を大盤振る舞いして契約数を増やした。

ホテルと約束していた保証金の一方的な減額や不払いまで起きた例もあるといいます。

こういったトラブルをOYOの日本法人はどのように受け止めているのでしょうか?

『トラブルは実際にあったのか?」

OYOホテルジャパンの崎島淳一副社長は、

最低保証金額について課題が一部あり、オーナーと契約の認識でそごが起きている部分がある。

一方的な減額などはないと否定しつつ、一連のトラブルについては事実と認めました。

その上で去年12月、新たな契約については最低保証制度を廃止したと説明しました。

皆さまの信頼を勝ち取って良いパートナーとなれるように努力したい。

ソフトバンクグループ株式会社

[blogcard url="https://group.softbank/"]

2月12日に行われたソフトバンクグループの決算会見。

「OYOの日本での事業は現状失敗しているのか?」

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長、

加盟ホテルが2万あれば数百くらい意見が食い違うことはある。

十分な話し合いが行われていて、ほとんど解決していると聞いている。

また2月12日に発表した決算では大幅な減益となりましたが、

今回の決算を一言で言えば潮目が変わった決算。

グループ傘下でアメリカの通信大手4位のスプリントと3位のTモバイルUSの合併が当局に認められたことで収益性の改善が期待されています。

ただ懸念材料も…

ソフトバンクグループの大株主となったのがアメリカのファンド「エリオット・マネジメント」。

創業者のポール・シンガー氏は世界で最も恐れられる物言う株主といわれています。

金を稼ぐ機会を探していますから。

エリオットが一躍名を馳せたのが2001年のアルゼンチンのデフォルト(債務不履行)です。

アルゼンチン政府を提訴、およそ22億ドルを得たとされています。

エリオットはソフトバンクグループに対し自社株買いやビジョン・ファンドの情報開示など株主の利益を増やすための要求をしています。

株取得のニュースがマーケットに伝わるとソフトバンクグループの株価は20%以上も値上がりしました。

エリオットは敵か味方か?

いろいろな意見は歓迎したい。著名な株主が仲間になるのはありがたい。

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