大豆からつくるミルク「豆乳」ですがイチゴやきな粉など新しい味が次々と発売されています。さらに最近ではアーモンドやオーツ麦などを原料とするミルクも発売されていて豆乳を始めとする植物性ミルクの市場は年々成長しています。また成長市場を狙って食品会社以外の異業種も参入しています。なぜいま植物性ミルクが人気なのでしょうか。
活況!植物性ミルク
神奈川県川崎市にあるスーパーマーケット「Odakyu OX」。ここ最近、売り場を拡大しているのが植物性ミルクのコーナーです。特に伸びを見せているのがアーモンドやオーツ麦。
アーモンドミルクの去年の市場規模は4年前と比べて2倍以上になっています。
お客さん

豆乳にしてもアーモンドミルクにしても、その中でいろいろな味が出ているので、そのものの味が苦手な人でも飲みやすくなっている。
お客さん

健康に良さそう。
小田急商事
加工食品グループ
露木将仁さん

健康志向の人が非常に多く増えたということと食生活の変化によってアレルギーの人が増えたことから植物性商品の需要が高まってきている。
メーカーにも動きが…
20年前から大豆飲料の開発に取り組んでいた大塚食品。作り方には特殊な製法を用いてきました。
大塚食品
製品部 大豆飲料担当
子安寛子さん

一般的な豆乳を作る場合、大豆を搾って液体の部分だけを製品化している。
その際には搾りかすであるおからが取り除かれる。
我々のマイクロクリーミー製法を使うとそれぞれの素材を微粉砕することで素材を余すことなく栄養もまるごと入った状態で取ることができる。
豆を搾るのではなく粉砕する製法で捨てる部分がないといいます。
その製法を用いて今年4月に発売した商品がオーツ麦とひよこ豆のミルクです。
大塚食品
製品部 大豆飲料担当
子安寛子さん

植物油、砂糖、香料を使わず製品化することに成功。
植物性ミルク好調のわけ
しかし、なぜ種類を増やしたのでしょうか。
大塚食品
製品部 大豆飲料担当
子安寛子さん

味のバラエティーがあることも大きな要因。
栄養素もそれぞれ違うので自分のニーズに合わせて選べるのは植物性ミルクならでは。
異業種も参入!植物性ミルク
植物性ミルクの人気の高まりに異業種からの参入も。
SNSで話題になっているチューズベース シブヤ店。接客もなく商品はすべてオンラインで購入するという未来形を意識した店舗です。
その一角で商品説明をしていたのは…
パナソニック 事業検証部
池野直也さん

これが甘さ控えめのもの。
そごう・西武
チューズベース シブヤ担当
坂根優さん
甘さ控えめと甘さがあるのが2種類ずつ。

井上貴之さんと池野直也さん、2人はなんとパナソニックの社員です。
パナソニック 事業検証部
池野直也さん

酵素が最適に動くのが60度、その温度に温める機器。
水を入れて、60度に温めた後、粉を入れる。
30分置いておくだけでミルクができる。
添加物は使わず原材料はオーツ麦と酵素だけです。
そごう・西武
チューズベース シブヤ担当
坂根優さん

結構甘い。想像したよりも新しい感覚。
パナソニック 事業検証部
池野直也さん
砂糖を入れていないが酵素がオーツ麦の甘さを引き出す。

適温の60度のお湯を作るケトルも開発し、セットで2,360円に価格を設定しました。
そごう・西武
チューズベース シブヤ担当
坂根優さん

同じ商品を選ぶ基準として環境負荷が少ないか地球にやさしいか、若い人になればなるほど声は多い。
なぜパナソニックは植物性ミルクに参入したのか。
パナソニック 事業検証部
池野直也さん

われわれの思いとして未来の家電を作っていきたい。
食という領域であれば、いますごく注目を浴びているのが代替ミルク。
去年3月に立ち上げた新規事業部。この日は秋の発売を目指し、新たな植物性ミルクの商品開発を行っていました。オーツ麦のような輸入原料に頼らない国産にこだわったライスミルクの開発です。

Cの方が甘く感じる。
パナソニック 事業検証部
井上貴之さん

甘酒のイメージに近づけるかライスミルクのイメージを新たに打ち出すか。
あわせて原料を最大限に生かす機器の開発も検討します。食材と機器の両方を開発することで消費者一人一人が好むオリジナルの味を作っていきたいといいます。
パナソニック 事業検証部
池野直也さん

後発メーカーだからこそ他社とは違うアプローチでやっている。
食材と機器を両方提供して自分好みの味を作るサービスになっている。
植物性ミルクは可能性を秘めたミルク。