30代以上の約8割の人が患っているといわれる歯周病。
自覚症状がないまま重症化させ、歯を失うことも少なくありません。
最新治療を取材しました。

歯周病
気付かないだけであなたも歯周病かもしれません。

30代、40代、50代の男女5人に集まってもらい歯周病の実態調査を行いました。

この中で歯周病になっている人は何人いるのでしょうか?

まずは40代の男性。一見キレイな歯のように見えますが、

触っただけですぐ出血する。

歯茎から出血が…歯周病です。

続いて30代の男性。こちらもキレイに見えますが、

歯茎に炎症がある。

この男性も歯周病が見つかりました。
続いて50代の男性。

結果は、
重症な所もあるので治療が必要。

重度な歯周病でした。
検査の結果、5人中4人が歯周病でした。

歯磨きをしていて奥歯が痛いと思っていたのが、もろに歯周病だった。

自覚がなかったので、そこまで進行していたのかという感じ。

現在、歯周病の患者数は約330万人。日本人が歯を失う原因で最も多い。

歯周病の原因は口の中で繁殖した様々な細菌。この細菌が歯と歯茎の隙間に入り込み増殖すると歯茎に炎症を引き起こし出血します。

進行すると歯を支える骨を溶かし、やがて歯が抜けてしまいます。

気が付かにうちにゆっくりと進行し、ある日突然歯を失う。

大阪大学歯学部附属病院の村上伸也病院長は、
歯周病は命を脅かすような病気ではないが、知らない間に進行することは注意するべき。

自覚症状なく進行する歯周病。その治療の最前線を追いました。

大阪大学歯学部附属病院
[blogcard url="https://hospital.dent.osaka-u.ac.jp/"]
歯周病の新たな治療法が登場しています。

50代の鈴木良子さん(仮名)、数年前から歯周病を患っています。

鈴木さんのレントゲン画像、歯を支える骨が溶けて隙間が開いています。

歯が抜ける恐怖。歯がなくなったらどうしよう。

そこで鈴木さんは歯茎と骨を蘇らせる再生治療を受けることにしました。

再生治療
柏木陽一郎歯科医師、
手術を始めていきます。

治療は局所麻酔を使って行います。

初めに歯茎にメスを入れます。治療はまずメスで歯茎を切開し、歯と歯茎の隙間に入り込んだ細菌の塊を専用の器具で取り除きます。

医師が慎重に歯の根元を掃除していきます。

続いて用意したのは、
リグロス。

リグロスと呼ばれる最新の薬剤。この薬剤はタンパク質の一種で溶けた骨を再生し、歯茎の成長を促してくれます。

汚れを取り除いた箇所に薬剤を投与し、開いた歯茎を縫い直します。

するとこの薬剤が骨や歯茎の成長を促し、9ヶ月ほどで再生させます。

薬剤を投与します。

最後に切開した歯茎を縫い合わせます。
治療は2時間ほどで終了しました。
別の患者さんのレントゲン画像、治療後9ヶ月で約4ミリほど歯の周りの組織が再生しています。

この再生治療には保険が適応され、費用は3割負担で約1万7,000円。

村上病院長は、
失われた歯茎や骨を元に戻すことが可能になった。

その治療を保険で受けられることは患者さんにとって大きなメリット。

徳真会クオーツデンタルクリニック
[blogcard url="http://www.quartztower.com/"]
歯周病を早期に治療すれば歯を守ることができます。

歯周病治療のため、このクリニックに通っている50代の平野幸夫さん(仮名)。

歯茎が腫れて病気が進む。

そこで痛みのない最新治療を受けることにしました。
その治療に使うのは、
エルビウムヤグレーザー。

Er:YAGレーザー(エルビウムヤグレーザー)
エルビウムヤグレーザーという最新の治療装置。

先端から出るレーザーが細菌の塊を一瞬にして死滅させます。

照射が始まります。

レーザーを歯と歯茎の間に約10秒間照射します。レーザーは細菌の塊に含まれる水分を一瞬にして蒸発させ、これで殺菌ができるのです。

痛みも感じないため麻酔を使わずに治療ができます。
治療の効果は2~3ヶ月持続します。
治療費は全額自己負担でこのクリニックでは1回につき1万800円。

石川烈歯科医師は、
レーザー治療は騒音も振動もなく、痛みもない。

治療効果は高い。

気付かないうちに進行する歯周病。
早期発見と日頃の歯のケアが大切です。